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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2021.7/12~2020.7/18)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。



7/15(木)
『2001年宇宙の旅』(午前十時の映画祭)
(劇場:鯖江アレックスシネマ)
『2001年宇宙の旅』(デジタルリミックスサウンド)ポスター画像
また観てしまいました・・・(笑)。
’82年に最初にTV放映(吹替)で見て以来、これまで再上映はもちろんレーザーディスからUHD-BDに至る各種パッケージメディアで年に1回くらいの割合で見返してきた映画です。

『2001年宇宙の旅』モノリス
『2001年宇宙の旅』という作品に向き合うときは、ついつい「キューブリックは一体何を描きたかったのか?」などと考えながら観てしまいがちです。
しかし、今回はそうした小難しいことは考えず、モノリスを「自分の人生に大きく関わった人(あるいは物)」に置き換えながら見ておりました。
これが意外に新鮮で面白かったです。

『2001年宇宙の旅』”何か”との最初の出会い
最初にモノリスが登場したのは、まだ知恵を持たない類人猿たちの前でした。
初めて見る異様なその物体に知的好奇心を激しく刺激された猿人たちは、やがて宇宙に進出するほどの文明を築きます。

では、私(トガジン)のこれまでの人生における最初のモノリス(煩悩を与えし者)に当たるのは誰なのか?。
多分それは私のおばあちゃんです。

保育園から小学4~5年までの少年時代、私は自他ともに認める怪獣大好き少年でした。
物心ついたばかりの頃に見た『ウルトラマン』『ウルトラセブン』のかすかな記憶。
リアルタイムで毎週TVにかじりついて見ていた『帰ってきたウルトラマン』『ミラーマン』『仮面ライダー』等々・・・。
しかし、それだけだった私も普通の子供と同じく「高学年になったら怪獣は卒業!」となっていたかも知れません。

『ゴジラ対へドラ』怪獣対決
ですが、幸か不幸か私は小1の夏休みに『ゴジラ対ヘドラ』を観てしまったのです。
『ゴジラ対ヘドラ』は私が生まれて初めて映画館で見た映画であると同時に、怪獣映画が本来持っていた残酷性や社会批判をストレートに描き出していた作品でした。

『ゴジラ対へドラ』あれは一体何だったんだろう?
もちろん、当時7歳だった私にこの映画が内包していた社会的テーマなど理解出来るはずはありません。
しかし、私の幼い心の中に「あれは一体何だったんだろう?」という気持ちが楔(くさび)となって打ち込まれたことだけは確かです。
その時に感じた何かよく分からない激しい衝動や戸惑いが今の私の原点になっている気がします。

この『ゴジラ対ヘドラ』に・・・というより映画館という魅惑の空間に初めて連れて行ってくれたのが祖母でした。
祖母は春・夏・冬の休みごとにいつも映画を見に連れて行ってくれて、私に怪獣映画の英才教育を施してくれたのでした。
(本人はそんな意図は無かったと思いますけど)

『2001年宇宙の旅』”何か”との再会
数万年後、宇宙へ進出するほど科学文明を発達させた人類の前に再びモノリスが姿を現します。
ここでのモノリスは、自分の存在を示すことによって人類の更なる宇宙進出を促します。

ゴジラ1983復活フェスティバル 三番街シネマ
この第2のモノリスは、私の人生においては中学・高校・大学時代の友人たちに相当します。
中学の時、同じ特撮・アニメ好きの親友として9割以上の作品を共有したTくん。
高校時代、ビデオカメラを使って初めての映画を一緒に作った5人の仲間。
そして、共に映画製作者の世界を夢見て自主映画を作りまくった大学の同級生たち。

彼らの共通点は「皆大人になっても特撮やアニメを好きであり続けている」ということです。
もし、彼らとの出会いがなければ私は今とは全く違う当たり前の人間になっていたでしょう。

『2001年宇宙の旅』自分にとって何か大切なもの
しかし、私にもひどく考え方が凝り固まっていた時期があって、「これはこうあるべき!」と物事を決めつけたり「ここはこうすればいいんだ」と慣れで仕事をしていたこともありました。
また、仕事やプライベートで様々なトラブルに見舞われたり人間関係で悩んだりして、いつの間にかかつて自分が一番好きだったものを見失っていたこともありました。

『2001年宇宙の旅』HAL9000
では、あの頃のトラブルの元凶・・・つまりHAL9000に相当する奴は誰だろう?。

自分のミスを全部私のせいにしやがったU川?。
いつも高学歴をひけらかす不愉快な奴だったN村?。

・・・な~んて、ついつい嫌いな奴のことまで思い出したりもしました(笑)。

『2001年宇宙の旅』三度目の遭遇
第3のモノリスは、全く新しい世界への水先案内人として登場します。
私の人生に例えるなら壮年期、つまり50歳を越えた現在の自分です

『2001年宇宙の旅』”何か”の中へ
様々な困難を乗り越えてここまでたどり着いたボーマン船長は、モノリスに導びかれるようにスターゲイトに突入します。
眼前に広がる未知の世界!。

記念写真 ボカシ
人類を次の次元へ誘ってくれた第3のモノリス。
私にとってそれは50歳を過ぎて趣味を通じて出会った新しい友人たちに相当します。
つまり、エキストラとして参加した映画の撮影現場で知り合った人たちや、このブログを通じて交流させていただいてる皆さんのことです。

久しく忘れていた「好きなもの」を「好き」と大きな声で言える場所を得たおかげで、最近は仕事もプライベートもそれなりに充実出来ているような気がします。

『2001年宇宙の旅』老年期
老年期。
そして今際の際・・・。
このシーンのモノリスって、なんだか「お迎えが来た」みたいに見えます(笑)。

流石にこれは今の私にとって未知の領域です。
この場面の解釈は”その時”になって初めて言葉に出来るのかも知れません。

『2001年宇宙の旅』再び幼年期へ
そしてラストに登場するスターチャイルド。
私は「自分たち亡き後に次世代を託すべき子供たち」と前向きに捉えています。

私たち夫婦には子供がいないのですが、それ故逆に強くそう感じます。
これは、私が我が子という存在にリアルを感じていないせいなのかも知れません。

・・・と、以上が(今のところ)自分にとって一番掴みやすい『2001年宇宙の旅』の楽しみ方です(笑)。
長文のうえに拙い文章で分かりにくかったらごめんなさい。

2021-07-15 鯖江アレックスシネマ
今回の『2001年宇宙の旅』再上映は「午前十時の映画祭11」の一本でした。
この日の仕事は午後3時からだったので、午前中空いた時間を使って見に行きました。
劇場は鯖江アレックスシネマ(福井県内)。
おととしまでは「午前十時の映画祭」を見るため金沢まで足を運ぶ必要がありましたが、今回は県内の劇場で開催してくれるのでこうして仕事前に見ることが可能になりました。

2021-07-15 スクリーン小さめ・・・
ただ、スクリーンがかなり小さめだったのが残念です。
しかもビスタサイズのスクリーンの上下に黒味を付加した額縁状態でした。
宇宙ものって視界全てが星空で埋め尽くされるくらい大きな画面で見たいものなのですがね。

しかし上映が始まってみると、このシネコンで一番小さい部屋が割り当てられた理由が分かりました。

なんと、この日の客は私一人だったのです!

「午前十時の映画祭」・・・来年大丈夫か?。

次回上映作品『シャイニング』
「午前十時の映画祭」では来週から『シャイニング』の上映が始まります。
実は私、恥ずかしながら『シャイニング』は劇場未体験なのですよ。
これは絶対観に行かねば!。



【今週のその他諸々】

■7/12(月)
『ウルトラQ』第16話「ガラモンの逆襲」

(ホームシアター:BS4K録画)
「ガラモンの逆襲」ガラモン
私、『ウルトラQ』初見の時に前編の「ガラダマ」より先に後編の「ガラモンの逆襲」を見てしまっておりました。
その悲しい間違いは、’83年から’84年にかけて東映からリリースされたビデオソフトのせいで起こったものです。
なぜならば、このビデオシリーズの収録順番がバラバラだったからです。

『ウルトラQ』東映版ビデオ④198310
後編「ガラモンの逆襲」が収録されていたのは第4巻(’83年10月リリース)
ところが、それ以前の1巻~3巻には前編「ガラダマ」は収録されていません。

『ウルトラQ』東映版ビデオ⑧198404
「ガラダマ」が収録されたのは約半年後にリリースされた第8巻でした。
この東映版ビデオソフト(買うお金は無いので当然レンタルでした)のせいで正しい順番で見ることが出来なかったのです。

私はこのことに腹を立てて東映ビデオ版『ウルトラQ』のレンタルを休止しました。
でも、その後すぐ(’84年秋頃)朝日放送で再放送が始まったことで無事に正しい放送順で見ることが出来ました。
(もちろん全話標準モードで録画したことは言うまでもありません)

■7/17(金)
『ウルトラマン80』
(ホームシアター:ファミリー劇場録画)
第33話「少年が作ってしまった怪獣」
『ウルトラマン80』新オープニング
今回からオープニングが変更されています。
このオープニング変更と同時に主題歌も変わったように思ってたんですが、あれは4クール目からだったのかな?。
映像は過去の場面の再編集なのですが、なぜかウルトラマン80の姿が1カットもありません。
代わりに長谷川初範さんの爽やかな笑顔がやたら目について、まるで長谷川さんのプロモーションビデオです(笑)。

『ウルトラマン80』健一
難病を患い、成功率わずかの手術に不安を募らせる少年。
『ウルトラセブン』38話「勇気ある戦い」を思い起させるシチュエーションです。
『セブン』のオサム少年は不安のあまりダンに罵詈雑言を浴びせるクソガキ少年でしたが、今回の健一少年は両親の前では健気に振る舞う気丈な少年・・・に表向きは見えています。

『ウルトラマン80』マイナスエネルギー
しかし、内心では手術を恐れていた彼の心が怪獣を産み出してしまいます。
これは『ウルトラマン80』当初のメインテーマであった(少年少女が根底に持っているという)マイナスエネルギーそのものです。
オープニングを刷新したこともあり、「初心に還る」という意味で番組当初のテーマに立ち返ったのかも知れません。

『ウルトラマン80』医者役に中山昭二さん
『ウルトラセブン』キリヤマ隊長の中山昭二さんが医師役で出演していました。
病院スタッフや患者たちを避難させるときの落ち着きと的確な指示は「流石!」の貫禄です(笑)。

第34話「ヘンテコリンな魚を釣ったぞ!」
『ウルトラマン80』しんぺいちゃん
あっ、シンペイちゃんだ!。
懐かしい~。
60年代半ばから80年代にかけて放送された幼児番組「ママと遊ぼうピンポンパン」で子供たちに人気だった坂本新兵さんです。
「ピンポンパン」は私も幼少の頃見ていたので、「坂本新兵さん」などという堅苦しい呼び方より「シンペイちゃん」のほうがしっくりきますね。



ところで・・・
「ヘドラ誕生祭」in 京都みなみ会館
来週の土日は京都みなみ会館で「ヘドラ誕生祭」があるんですよね~。
そうか、あれからもう50年も経ったのか・・・!。

あああ、行きたいよう。
もう一回映画館のスクリーンでヘドラを観たいよう。
ジタバタ (((ヽ(o`д´o*)ノシ)))ジタバタ

絶対駄目っ!あなた、こないだ大阪へゴジラ観に行ったばかりでしょ!」

(◞‸◟)・・・しょぼん



今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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COMMENTS

6 Comments

There are no comments yet.

ゾンビマン  

毎度です。

私も今回の2001年は観たいけど迷ってます。公開スクリーンが小さいので。
トガジンさんと私の幼少時代はほぼ同じですわ(笑) 
特に小学校入学前に観たゴジヘドは強烈でした。

2021/07/19 (Mon) 01:04 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

どちらも映画館のスクリーンで仰ぎ見たい作品です

ゾンビマンさん、コメントありがとうございます。

>『2001年宇宙の旅』
やっぱり出来るだけ大きな画面で見たい映画ですよね。
視界にこじんまりと収まってしまうようなサイズ感では家のテレビで見るのと変わりませんから。
でも、今回は客が私一人だったのをいいことに指定席を離れて前の方に移動して思いっきり仰ぎ見ておりましたが(笑)。

>『ゴジラ対へドラ』
あの頃の特撮作品って、大の大人が子供相手に本気(マジ)で何かを語りかけてくるような作品が多かった気がします。
もう一回映画館のスクリーンで見たいのですがね~。
京都みなみ会館の50周年イベント上映、行きたかったなあ。

2021/07/19 (Mon) 22:08 | EDIT | REPLY |   

しろくろshow  

四国は今週が2001年です

こんばんは。

「シャイニング」は先週行ってきたのですが今香川でやっている「2001年」はちょっと微妙な情勢です。それとみなみ会館のヘドラまつりはわたしも行きたかったのですが、まだ四国の外へ出るのがリスキーな雰囲気でけっきょく断念してしまいました(こうなると代わりに9月の4Kヘドラ放送を楽しむしかないですね)

あと84年の朝日放送「ウルトラQ」の深夜再放送、わたしもしっかり見てましたよ。あれをCMカットして録画するために起きているのがかなりつらかった記憶があります(あの頃新聞配達のバイトをしていたため毎日朝が早くて、そのおかけで夜は10時過ぎたらめちゃめちゃ眠かったので( ̄。 ̄;))テロップがオリジナルじゃなかったのが今となっては逆に貴重かなと言う気もしますが、私は全話ベータ2で録画していました(この枠で後番組が「怪奇大作戦」だったのも嬉しかったですね~・・・(T^T))

多分私は順番がトガジンさんと反対で、この朝日放送版を見た後でビデオソフトをレンタルしたような気がします。近所のビデオ屋が品揃え悪かったので自転車こいで隣町までチェックしに行ったりとか(ウルトラQは店にあったのが二本だけでしたけど)あのとき(17~18歳頃)は体力もガッツもあったんだなと思いますね(^◇^;)

2021/07/20 (Tue) 19:13 | EDIT | REPLY |   

へろん  

『2001年宇宙の旅』は一般に「難解」といわれて私も説明に苦労しますが、人生に例えるトガジンさんの解釈は非常に分かり易く、すんなりと入ってきます。
HAL9000に相当するやつ……いますねえ、思い出すのもいやなのが。『2010年』では「本当のことを言ってくれてありがとう」とか最後に渋くキメてくれましたけど、現実のやつらはそんなこともなかった…(遠い目)
「お迎えが来た」シーンは私もそう感じました。私にとって「スターチャイルド」は何か、結構悩ましいところです。

あ、東宝スタジオのゴジラではありませんか! この中での撮影に参加されたんですよね? うらやましい限りです。

2021/07/21 (Wed) 07:01 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

なにもかも、みな懐かしい・・・(しろくろshowさんへ)

しろくろshowさん、コメントありがとうございます。
昨夜は帰宅が深夜になったため、返事を書いてるうちにうっかり寝落ちしてしまいました。
すみません。

>朝日放送「ウルトラQ」の深夜再放送

CMカット!
ああっ、なんて懐かしい言葉!(笑)。
私も全神経を集中してやってましたよ。
CM込みだと120分テープに4話しか入りませんが、CMを抜けば5話入りましたからね~。
あの頃、全く同じ時間に全く同じことやってた人がいると分かってなんか嬉しくなってしまいました。

あと、ド田舎(福井)にいた頃はどんなに見たくても見られなかった『ウルトラQ』『怪奇大作戦』がこうもあっさり見れたことに「やっぱり都会(大阪)は素晴らしい!」と小躍りたものでした(笑)。
あの頃の自分を思い出すと微笑ましいやら小っ恥ずかしいやら・・・。

>みなみ会館のヘドラまつり

ここ最近京都・大阪の感染者が増加傾向にあるのと前回大阪へ無理して行ったことで、妻がどうしても許してくれませんでした。
映画館のスクリーンで同好の士たちと一緒に『ゴジラ対ヘドラ』を観られる千載一遇のチャンスだったのですがね~。

2021/07/21 (Wed) 09:45 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

答えを探すのを止めた途端、楽しみ方が増えました。(へろんさんへ)

へろんさん、コメントありがとうございます。

>『2001年宇宙の旅』

3年前に公開50周年を記念して公開されたIMAX版を観に行ったとき、超特大&高精細な画面と音響で浴びるようにして観たことでこの作品との関わり方が大きく変わった気がします。
「どう考えるか」ではなく「どう感じるか」にシフトしたんです。
その後もUHD-BDを買って何度か見返したりしているち「人類=自分」「モノリス=自分が今まで関わった人・出来事・大切なモノ」に置き換えて見るようになって、なんとなくですが全体の流れが見えてきたような気がしました。

ただ、この記事を読んだ妻には「あたしのことがどこにも書いてない!」とえらく文句を言われてしまいましたが(笑)。
彼女は私が好きな昭和の特撮とかSFにはまるで興味が無く、私の道楽にもやや否定的なので、モノリスというよりむしろHAL9000に近かったりなんかして・・・?(爆汗)。

>東宝スタジオのゴジラ

そういえば、へろんさんは今東京にお住まいでしたね。

6年前(2015年)10月13日。
これが私の初めてのエキストラ体験でここで撮影したのは総理(大杉蓮さん)と官房長官(柄本明さん)の記者会見シーンでした。
私は一番前の席の記者役で、このシーンで合計5カットも映ってはいるのですが、残念な全て後頭部だけでした(無念)。
(でも後日参加した有明での撮影では小さいながらも顔も映っております)
このときは一緒に参加した方たちとお互いに撮影し合って本当に楽しいひとときでした。

2021/07/21 (Wed) 11:02 | EDIT | REPLY |   

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