週刊映画鑑賞記(2021.8/9~2021.8/15)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
8/9(月)
『ターミネーター』(午前十時の映画祭11)
(劇場:鯖江アレックスシネマ)

初公開時、大学の映画仲間数人と見に行きました。
その後ビデオやLD・DVD等で何度か見返していますが劇場で見るのは初公開時以来37年ぶりになります。

今までの「午前十時の映画祭」と同じく小さめのシアターでしたが、ビスタサイズで前寄りの席だったため迫力は十分でした。
客の数はざっと見た限り30人くらいだったでしょうか?。
男性お一人様が多かった気がします。
まあ、私もその一人だったわけですが・・・(笑)。

画質は非常にクリアでした。
おそらくデジタル修復されたブルーレイと同じデジタルデータを使っての上映だと思われます。
シュワちゃんの股間にプラプラするものがチラ見えしてるのもブルーレイと同じです(笑)。
(たしか劇場公開時はボカシが入っていたと思います)

学生時代、思いつくままに8ミリ映画を粗製乱造していた私にとって『ターミネーター』は大きな励みとなった作品でした。
自主映画サークルで全員学生ですから、予算は多くても1本あたりせいぜい10万~20万円程度。(もちろん人件費は含まず)
企画段階では毎回「次こそはSFものやろう」「特撮やりたい」などと夢膨らむものの、いざ制作にとりかかると「リアルな特撮なんてこの予算ではとても無理」と諦めてしまい、結果として不本意な作品に終わることが多かったのです。

でも『ターミネーター』のこのシーンを見たとき目から鱗が落ちました。
それはいかにも作りものと分かる代物(失礼)でしたが、前後のカット繋ぎが絶妙なため緊張感が途切れることは皆無だったのです。
(今思えば本当に失礼な言い方ですが)「なんだ、こんなのでいいのか。」と妙に気持ちが楽になりました。

そしてラストの見せ場は動きカクカクなコマ撮りアニメ!。
はっきり言って、スケルトンT800が歩くシーンだけ明らかに画面の質感が違っていましたが、そうと分かっていても場面の緊迫感が薄れることはありません。
「この映画にはこの絵が必要だ!」という監督の確固たる信念を感じたのみでした。
その後、私たちは「どんなにみすぼらしくてもいい!とにかく特撮映画を一本作り切ろう!」と一念発起。
30分ほどの短編SFアクションものを完成させました。
タイトルは『バトル・クライマー』。
私は脚本・監督・撮影を担当。
共同脚本・主演は相棒のK君。
特殊メイクはホラー映画好きのH君。
その他の出演者はメンバー全員と大学の友人たち。
特撮の方法は全員でアイデアを出し合いながら撮り進めました。
あと、音楽はもちろん『ターミネーター』のサントラから無断借用です(笑)。
<おおまかなあらすじ>
ある朝、ボロボロの登山姿の男が公園のベンチで目覚めた。
彼は学生時代の親友と二人で山登りに出かけたはずなのだが、何故か山に入って以降の記憶が無い。
家に帰ってみると両親と妹がひどく驚きながら彼を出迎える。
彼は1ヶ月以上前に冬山で遭難したが、悪天候が続いて捜索を打ち切られていたという。
だが、両親の態度がどこかおかしい。
山で何か見なかったか?とやたらしつこく訊いてくる。
妹と話しているうち山で見た奇妙な建物のことを思い出した瞬間、両親に成りすましていた敵が正体を現した。
変装を解き、男に向けて銃を発砲した二人の刺客は、さらに泣いて怯える妹にも銃を向ける。
咄嗟に身を挺して妹を庇った彼は自分の常人離れした力に驚く。
背中に無数の銃弾を浴びたはずなのに生きている。
そして敵の拳銃を握り潰し、二人とも壁に叩きつけた。
なんとか逃げ延びて自分の傷口をよく見ると、骨は金属製で肉はゴムのような人口のものに変わっていた。
男は妹を信頼する恩師に預け、自分が遭難した雪山へと向かう。
記憶に残っていた奇妙な建物とは、死体をサイボーグ化して蘇らせ不死の兵士として各国の軍隊に売りつけようとする軍事企業の研究所だった。
この山で遭難した彼が試作第1号にされたのだが自我を失う前に逃走したのだった。
そのため敵は秘密漏洩を防ぐべく、彼の両親を殺して網を張っていたのだ。
男は怒りに任せて組織幹部と科学者たち全員を惨殺し、研究所を爆破するため動力炉を暴走させる。
その彼の前に立ちはだかったのは、醜悪な殺戮サイボーグになり果てた親友だった。
彼を逃がしてくれたのは他ならぬその親友だったのに。
激戦の末辛うじて勝利を収め、研究所は木っ端微塵に吹き飛ばした。
しかし、男の表皮は炎で焼けて残っておらず、金属製の外骨格のみの姿になっていた。
もう元の姿に戻る術はない。
ガイコツそのものとなった醜い姿を帽子とサングラスとコートで隠し、男はいずこかへと姿を消した。
細部はかなり端折っていますが大体こんな感じのストーリーです。
読んでお分かりかと思いますが・・・完全に『仮面ライダー』と『サイボーグ009』のパクリです(汗)。
そして、ビジュアルは『ターミネーター』の劣化コピー。
「オリジナリティ皆無」「映像がチープ過ぎ」「石森章太郎とジェームズ・キャメロンに謝れ」などとボロクソ言われましたが、それでも私たちなりには満足しておりました。
雪山シーンは壁に拡大写真を貼った室内で発砲スチロールの粉を撒き散らしながら撮影。
爆発する敵のアジトは、これまた発砲スチロール製のミニチュア建物を箱庭模型の上で改造爆竹で爆破。
破れて中の機械が見えるサイボーグの表皮は、演者の顔や手から石膏で型を取って作ったフォームラテックス製。
金属の骨はプラモデルの余ったランナーを溶かして作ったもの。
ラストの主人公とラスボスの戦いは、役者同士のコスプレ格闘と人形アニメを混在編集。
2分ほどの人形アニメにはところどころ撮影ミスした部分もあったのですが、切らずにそのまんま使いました。
予算的に『ターミネーター』の10秒分にも満たない作品ではありましたが、それでも当時あの短編を作ったことで手に入れたものはとても大きかったと思っています。
「お金は無くともアイデア次第でなんとかなる」ことと「自分の狙ったイメージを決して諦めない」ことを学びました。
それは今の私の仕事にも間違いなく活かされています。

現在「午前十時の映画祭11」は続編『ターミネーター2』に切り替わっていますが、今週は午前中時間が空く日がないこともあって見に行く予定はありません。
『2』は確かに面白いですし何度も見返した作品ですが、私はどちらかといえば『1』のほうが好きです。
だって『2』には素人が真似出来る余地なんて無いですから(笑)。
8/10(火)
『妖怪大戦争』
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)

最新作『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の公開に合わせて、日本映画専門チャンネルが旧2作品を放送しておりました。
まずは1968年公開の昭和版から。

やはり昭和の『妖怪大戦争』は真摯に作られていて何度見ても飽きずに楽しめますね。
特撮映画・・・しかもお化け映画ではりますが、ちゃんとした大人の俳優が妖怪相手に真剣に演技していることが確固たる世界観を生み出しています。

1968年の作品ですから、妖怪たちは着ぐるみ・特殊メイク・人形のいずれかの手法で表現されています。
この手作り感にホッとすると同時に、CGにはない生身の動きによって画面密度が高まっています。
これそアナログの強み!。
これぞ昭和特撮の力!。

ところで、ダイモンに親を殺された兄妹は後半さっぱり出てこなくなりましたがどうなったんでしょ?。
このシナリオの大雑把さも昭和特撮ならでは?(笑)
8/12(木)
『妖怪大戦争(2005)』🈠
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)

続いて2005年公開の平成版『妖怪大戦争』も視聴。
この映画、劇場では見ていませんがその後レンタルDVDかWOWOWで一度は見たはずだとずっと思い込んでおりました。
ところが・・・あれ?。
菅原文太なんて出てきたっけ?。
こんなにエロかったっけ?。
エロさでようやく気が付きました。
私、この映画を見るのは初めてでした。
どうやら、ウェンツ瑛士の『ゲゲゲの鬼太郎』と混同していたみたいです(笑)。

なにがエロいって、まず川姫の衣装がエロいです。
彼女の腰の当たりから目が離せません。

川姫の膝枕で太腿をなでなでする神木龍之介が本気(マジ)で羨ましい・・・ていうか嫉ましい。
これ、本当に子供向け?。
男の子が思春期にこんなの見たら、おかしな性癖がつきそう・・・(汗)。

もう一人栗山千明演じる悪役アギも実にエロい!。
前からは胸の谷間。

後ろからはミニスカからぱんつ丸見えで、おっちゃんは目のやり場に困ってしまいます。
思わず園子温監督の映画かと思いましたよ(笑)。

あと、特筆すべきはラストに登場する3000人(匹?)もの妖怪軍団。
全て一般募集のボランティア・エキストラの皆さんです。
そういえば、もう2年近くもエキストラやってないなあ。
あと、こういう特殊メイクの役ってまだやったことないんですよね。
久し振りにまた何か出たいなあ。

・・・で、現在公開中の『妖怪大戦争 ガーディアンズ』なんですが・・・。
う~ん。
今度は大魔神も出るというので最初は楽しみにしてたのですがねぇ。
脚本が『ガッチャマン』『進撃の巨人』の渡辺雄介と聞いてからはもう地雷の予感しか無いです。
【今週のテレビ番組視聴】
長編映画とTV番組やビデオ作品は分けて書くことにしました。
■8/9(月)
『ウルトラQ』第20話「海底原人ラゴン」
(ホームシアター:BS4K録画)

今回はAVアンプの全方位サラウンドモードを通して見ていたのですが、妙に臨場感があることに気が付きました。
屋外のシーンでは微かに波の音が鳴っているのですが、それが常にサラウンド(後方スピーカー)から聞こえていたのです。
『ウルトラQ』のオリジナル音声はモノラルですが、DVD化の際に疑似ステレオ音声が作られていて、そのとき分離した波音が巧い具合にリアに回ってこのサラウンド環境を生み出したのだと思います。

静かな波の音が轟音に変わったとき、地震が起きて島の沈没に繋がっていきます。
今から55年も前にそんな綿密な音作りを行っていた『ウルトラQ』音響スタッフに心から敬意を表します。
『ウルトラQ』の素晴らしさはストーリーや特撮だけではないのです。

今回の話は日本列島沈没説がベースになっています。

小説『日本沈没』の刊行は1973年でしたが、小松左京先生が執筆を始めたのは1964年、つまり『ウルトラQ』放映の2年前からでした。
東宝の田中友幸プロデューサーは執筆中からこの作品に注目していて、刊行前から特撮映画化の準備を進めていたそうです。
『ゴジラ』の田中プロデューサーがこの情報を円谷英二特技監督に伝えていないはずはありません。
また脚本家の一人にSF作家と交流のあった大伴昌司氏の名前があることも意味深な気がします。
映画『日本沈没』('74)のプロトタイプとしての一面も持つ作品だったのかも?。
(注:全て私の推論に過ぎません)
あと「日本沈没」といえば・・・
この秋、日本は2度沈没する予定です(笑)。

新作TVドラマ『日本沈没-希望のひと-』10月から放送予定。
災害もので主人公が政府官僚・・・?。
おいおい、それじゃまるっきり『シン・ゴジラ』やないか!。

11月にはアニメ『日本沈没2020』(湯浅政明監督)が公開。
こちらはNETFLIXが制作したアニメシリーズの再編集版です。
ここ数年、「近々日本に東日本大震災以上の大災害が起きるかも知れない」という噂話をよく聞きます。
10年以内に南海トラフ地震が起きる(かも?)とか。
今年あたり富士山が噴火する(かも?)とか。
もしかすると、政府はこれらに対する具体的な情報を掴んでいて、それを国民に警告する意図でこうしたドラマやアニメを作られているのかも知れません。
とはいえ、それもまた怪しい噂話の一つだったりなんかしますけどね・・・(笑)。
『ブラック・ジャック KARTE6:雪の夜ばなし、恋姫』
(ホームシアター:WOWOWプラス録画)

OVA『ブラック・ジャック』第6話。
原作の「雪の夜話」も幽霊を手術する話でしたが、アニメ版は全く違うオリジナルストーリーになっています。

冒頭、致命的演出ミスを発見してしまいました。
猛吹雪で車が立ち往生し身動きが取れなくなってしまうブラック・ジャック。

そこでブラック・ジャック先生は「慌てても仕方ない」とシートを倒して眠りにつこうとします。
ちょっと待った!。
雪国在住の私が声を大にして言わせてもらいますよ。
雪道で立ち往生したとき迂闊に寝てはいけません!
こうした場合、寒いので当然暖房は入れっぱなしにするはずです。
暖房を入れるということは、つまりエンジンかけっ放しということになります。
そのまま長時間眠ってしまうと、その間にドアや排気口が雪に埋もれます。
エンジンがかかった状態で排気口が塞がると車内に二酸化炭素が充満します。
こうなると、眠ったままピノコ共々二酸化炭素中毒死してしまうのです。
また、運よく途中で気付いたとしても、雪の重みで車から出らなくなってやはり中毒死する危険が高いです。
確かに慌てる必要はありませんが、緊張感は保ちましょう。
そして、一定時間毎にドアや排気口周辺の雪すかしをしなければなりません。
まあ、ブラック・ジャック先生のことですからそれくらい分かっておられるはずだと思いますけどね。
『マジンガーZ』第34話「紅い稲妻 空飛ぶマジンガー」
(ホームシアター:東映チャンネル録画)

この春から毎週2話づつ再放送されている『マジンガーZ』。
最初のうちはデジタルリマスター化による綺麗な画面に喜んでいましたが、ストーリーがほぼパターン化してきて飽きてしまい見るのを止めておりました。
(でも録画は最終回まで続行)
そのうち大きな変化がある回だけ見ようと思っていたんですが、先週放送された第34話はジェットスクランダー登場回でした。
これは見ないわけにはいきません。
当時「マジンガーZが空を飛べるようになる!?」とクラスの男子の間で話題沸騰だったことを懐かしく思い出します。
ジェットスクランダーは34話放送と同時期に公開された劇場版『マジンガーZ対デビルマン』(東映まんがまつり)に先行して登場していますが、当時私は夏休みの映画として「東宝チャンピオンまつり」を選んだため見ておりません。
次に見るべきはボスボロット登場回?。
いや、ブロッケン伯爵登場が先だったかな?。
さて・・・

今年のお盆も、去年と同じく県外の親戚たちは一人も来られませんでした。
毎年この時期に彼らが大挙して遊びに来るのを楽しみにしている母はひどく寂しそうです。
昨夜は妹夫婦が息子二人(新社会人と大学生)を連れて来て一族6人(妻は福井市の実家に帰省中)で食卓を囲んだので少しは賑やかに過ごせましたが、それでもやっぱり小さい子供がいるといないとでは楽しさが違います。
来年の夏こそは、幼い子供たちの笑い声とドタバタ走り回る足音が戻ってきて欲しいです。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。