週刊映画鑑賞記(2021.12/27~2022.1/2)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
やっちまった~!。
悔やんでも悔やみきれません。
前からあんなに楽しみにしていたのに・・・。

何を「やっちまった」かは記事の後半で・・・。
12/30(木)
『モスラ』(午前十時の映画祭11)
(劇場:鯖江アレックスシネマ)

4Kリマスター修復された『モスラ』昭和36年版。
「午前十時の映画祭」Bグループで先に見たという特撮系ブログのお仲間さんたちがこぞって「素晴らしかった」と称賛されてるのを見て、Aグループの私は「自分もこの話の輪に加わりたい」と焦れておりました。
30日は午後からの仕事だったため「この期を逃してなるものか」と、強引に映画館に駆け込んで見てきました。

福井で「午前十時の映画祭」を開催してくれている劇場は鯖江アレックスシネマさんです。
ここは最初の2年だけ「午前十時~」を上映してくれていたのですが、不入りだったのか3年目から止めてしまったため、以後はお隣石川県の劇場まで見に行かねばならなくなりました。
「11」で復帰してくれたのは、もしかすると567禍で上映作品が減ってきたための措置だったのかも知れません。

この日はアニメ『呪術戦線』目当ての親子や中高生がやたら多かったです。
ちなみに『モスラ』の観客は私を含めて8人くらいでした。
もちろん、そのほとんどが私と同じ40代以上の男ばかりだったことは言うまでもありません(笑)。

ここは「午前十時の映画祭」には今まで小さめのスクリーンしかあてがってくれなかったのでちょっと不満だったんですが、今回はそこそこ大きめのスクリーンサイズで上映してくれて嬉しかったです。
4chサウンドも良好で、封切当時に近い『モスラ』を堪能させてもらいました。

私が61年版『モスラ』を初めて観たのは、大学に入った最初の年の昭和58年夏でした。
東宝が全国展開した「ゴジラ1983復活フェスティバル」の中の一本としてです。
私が見た大阪の劇場では『三大怪獣地球最大の決戦』とペアで上映していました。
このとき『三大怪獣~』の幼虫モスラがボロボロにやられるシーンで、客席から「モスラ、早うチョウチョになれ!」と必死に応援する子供の声が上がったことを今でもよく覚えています。
映画館で見た映画の記憶って、こういったノイズも含めて丸ごと刻み込まれているものなのですね。
その後レンタルビデオ・LD・DVD・ブルーレイといった市販メディアや各種放送で何度も見返してますが、映画館で鑑賞するのは'83年の夏以来38年ぶりとなります。

今回の4Kリマスター『モスラ』は、決して大袈裟でなく初めて観るかのような新鮮な驚きがありました。
■ミニチュアが素晴らしい!。

ミニチュアセットは実際の東京の街並み写真と見比べながら丹念に組まれたものだそうです。
当時東京の映画館で『モスラ』を観た某有名監督は、劇場を出た瞬間、目の前に先刻映画の中で幼虫モスラに破壊されていた街並みがそのまま存在していることに軽いデジャブを味わったそうです。
特撮映画全盛期に東京に住んでいた人が本当に羨まくて仕方ありません。
■スッポンの善ちゃん(フランキー堺)のユーモアセンスが素晴らしい!。

報道シャットダウンの場所に忍び込んだり、数人のチンピラをポイポイ投げ飛ばしたり、崩落する橋から間一髪赤ちゃんを助け出すヒーロー的活躍を見せたりと、普通なら「主人公贔屓」とか「ご都合主義」と揶揄されそうな場面でも「善ちゃんなら全然OK!」と思えてしまいます。

ネルソンさえ彼と一緒にいるときは間抜けな奴に見えてしまうから不思議です。
人徳ってやつでしょうか?。
■花村女史(香川京子)の笑顔が素晴らしい!。

あのいたずらっぽい笑顔を劇場のスクリーンで拝めただけで元を取った気になります。
「最近のギロチンは音がしませんのよ」と出来る子アピールしておきながら、ラストでは感動(あるいは緊張)のあまり写真を撮り忘れるという大チョンボ。
でも、結果的に最後の美味しいところを全部かっさらっていきました。
現在も気品とオーラが全く衰えていない香川京子さん。
いつまでもお元気で映画やドラマに出ていただきたいです。

『モスラ』には他にも書ききれないくらいたくさんの素晴らしポイントが詰まってます。
■小美人(ザ・ピーナッツ)の妖精感が素晴らしい!。
■古関裕而先生の楽曲が素晴らしい!。
■幼虫モスラのうねうね感が素晴らしい!。
■成虫モスラのもふもふ感が素晴らしい!。
■ネルソン(ジェリー伊藤)の嫌らしい笑いが鬱陶しい・・・じゃなくてこれはこれで素晴らしい!。

今回のラインナップに『モスラ』を加えてくれた人。
長年失われていた序曲を見つけ出してくれた人。
ひとコマひとコマ丁寧にフィルムを修復してくれた人。
当時の鮮やかな色彩を蘇らせてくれたグレーディング担当者さん。
セリフのひと言ひと言、細かな効果音、そして古関裕而先生の名曲といった数々の”音”を掬い出し、聴き取り易くしてくれた音声担当者さん。
そして『モスラ』4K修復と再上映に携わった全ての方々。
『モスラ』を劇場で観られるチャンスを作ってくれてありがとう!
特撮映画ファンの一人として心から感謝します。

『モスラ』を堪能したその日の夜、今度は録画しておいた4K『大魔神』(BS日テレ)を見ようとレコーダーの電源を入れました。
・・・ところが!。

あれ?、無い?。
『大魔神』一作目だけ録れていません(汗)。
『怒る』と『逆襲』はちゃんとあるのにどうして!?。
冒頭で「やっちまった」と嘆いていたのは実はこのことです。
あとで思い出したのですが、28日の同じ時間帯に別の録画予約を入れたとき「予約重複」の警告が出て予約修正したのですが、どうやらそのとき間違って『大魔神』の予約も消してしまったらしいのです。
私としたことがなんたる不覚・・・バカバカ!俺のバカ!!。
仕方無いので2作目の『大魔神怒る』だけ見ることにしました。
12/30(木)
『大魔神怒る』
(ホームシアター:日テレ4K録画)

前作公開からわずか4ヶ月で作られたとはとても思えないハイクオリティさです。
「ストーリーが前作の焼き直し」と揶揄する声もありますが、山から湖に舞台を移しているため続けて見なければ特に気になりません。

大映映画の場合、レストアの上手さ以前にフィルムの保存状態が良いのでしょう。
外ロケ映像の青空や緑そして人肌が色鮮やかで、4Kリマスターの威力も最大限発揮出来ている気がします

セット撮影シーンも暗部のデティールが克明に見えて、神の島の石像前の空間が今までになく広く感じられました。
それでいて画面全体のバランスは崩れていません。
難があるとすれば、時々岩石が明らかに作り物に見えてしまうことくらいです。

「ゴジラ」や「ガメラ」に比べるとミニチュアや特撮セットが大きめに作られていることで、デティールや奥行き感が実景と見間違えそうになる部分も多々あります。
画面の端っこに映っている瓦の汚しにも手抜きがありません。
また、画面奥のセットを小さく作りカメラ側を大きく作って実物大の大魔神と合成なしでカメラに収めたりもしています。

ただ、本編が素晴らしかった分、長い長いCM(毎回3分ほど)とラストの余韻に浸っているとき不躾に出てくるプレゼントテロップが残念でした。
三作ともCM無しのBS4K(NHK)かWOWOW-4Kで放送してくれないかなあ。
ところで、最後にお国自慢を一つ。

実は、神の島の実景部分は我が福井県で撮影されているのですよ。
千草十郎(本郷功次郎さん)と部下の隼人(平泉成さん!)が小舟で出ていくこのシーンなどがそうです。

場所は小浜市北東部の内外海(うちとみ)半島の北側にある蘇洞門(そとも)という県内屈指の景勝地です。
映画ではこの写真中央の柱の間から小舟が出ていきました。

二人が敵兵に追われるのを柱の陰から見守る早百合(藤村志保さん)と下男のどど平。
この場面も同じ場所で撮っていることが分おかりいただけると思います。

あと、タイトルバックの岩も蘇洞門の岸壁です。
この福井ロケの事実を知ってから、一作目と同じかそれ以上『怒る』が好きになりました。

『大魔神怒る』のロケ地巡りをしたい方は是非福井においでくださいませ!。
ただし、半島といっても蘇洞門周辺は断崖絶壁の岩場ばかりで車では行けませんのでご注意を。
小浜市内から遊覧船に乗って行くことになります。
参考サイト>ふくいドットコム
12/31(金)
『特撮いかかでしょう?』
(居間49インチ液晶テレビ:日本映画専門チャンネル録画)

確か昨年3月に「ゴジラ最恐画質」シリーズが始まった頃放送されるはずだったのが567ウィルス感染拡大の影響で延期になっていた番組だと思います。
福島県の円谷英二ミュージアムと須賀川特撮アーカイブセンターは、出来たときからなんとしてでも行きたいと思っている場所でした。(あと、淡路島のゴジラミュージアムも)
暖かくなったら3~4日かけてゆっくり見に行きたいな~とか思いながらこの番組を見ておりました。
今持っているコンテンツを最大限生かす須賀川市の円谷推し市政は、潔さの中に酔狂さも見えてなんだか格好良いです。
ただ、のんさんが「ウルトラセブン」を「ウルトラマンセブン」と呼んでたのはガックリでした。
1/1(土)
『ゴジラ』(昭和29年)
(ホームシアター:日本映画+時代劇4K録画)

『特撮いかがでしょう?』のあと、昨年前半毎月放送していた「ゴジラ最凶画質」シリーズ8作品一緒再放送が始まりました。
今回の一緒再放送でよく分からないのが放送順。
なぜかビオランテから逆に遡っていく放送順です。
(しかも『キンゴジ』と『モスゴジ』だけ順番が入れ替わっているという・・・?)
どういう意図でこの順番にしたのかは分かりませんが、ここは素直に公開順でやって欲しかったな~。

順番を遡って見るほどの酔狂さと体力は持っていないので、今回は元旦の『ゴジラ』一作目(昭和29年作品)だけを見返しました。
特撮映画ファンとしては、一年の初めに日本の怪獣映画の始祖を観るという行為はまるで初詣みたいなものであります。
ゴジラに手を合わせて「どうか『シン・ウルトラマン』と『大怪獣のあとしまつ』が大成功して今後末永く特撮映画が作り続けられますように」とお参りしたくなりました(笑)。
この年末年始は全て特撮作品でキメてみました(笑)。
4K『大魔神』一作目を見損ねたこと以外は、それなりに幸先良い年始だったと思います。
新年早々、こんな趣味丸出しブログにお付き合いいただきありがとうございました。