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映画と日常

『君の名は。』200億円突破に物申す

トガジンです。

今日、『君の名は。』が興行収入200億円を突破したというニュースがNHKで流れていました。
これでまた集客に拍車がかかることでしょう。
そしてこの作品のロングランの陰で、名もなき佳作が短命に終わっていくのでしょう。
嘆かわしいことです。

以前私は、10/31から11/2にかけて3日間にわたって『君の名は。』について書かせていただきました。
そこでの結論は「楽しめる映画ではあるが良く出来た映画とは言い難い」というものでした。
その考えは今も変わりありません。

この映画を何度も繰り返し観に行く方たちにお伺いしたいです。
貴殿は本当にこの映画を素晴らしいとお思いなのでしょうか?。

君の名は。

実は私も、初回鑑賞時には一本のエンターティメント作品として存分に楽しんだクチです。
特に期待するでもなく素直に一回だけ観た限りでは、そこそこ高水準な娯楽作品だったと今でも思っています。
しかし、あまりにも都合よく展開するストーリーや女性主人公・三葉の成長を描き切っていないことなど疑問も多い作品でした。
そこで2度3度と鑑賞し直したとき、このアニメがターゲットとしている層とそれを狙い撃つ作風のあまりのあざとさに思い至ってしまいました。


男女二人の主人公の設定をよく見てみると、凡百のラブコメにしょっちゅう出てくるようなオタクと腐女子の大好物ばかりで固められていることが分かります。

瀧(男子)・・・  東京都内に住んでいる
          父子家庭(=女性の側からすると自分を歓迎してくれそう)
          正義感が強い
          建築家志望(=モテる職業の一つ)
          お洒落なレストランでバイト
          イケメン
          でも彼女いない
          いい友達がいる

三葉(女子)・・・ 父親と確執があり別居している(=彼女の父親ほどうっとうしい存在はない)
          田舎娘(=純情)
          可愛い
          セーラー服
          先祖代々の不思議な能力を継承している(かもしれない)          
          処女
          彼氏いない
          可愛い妹がいる
          巫女さん
          パンチラシーンあり

アニメ『君の名は。』の本質は、このオタクの好みを具現化したキャラクター同士が実は運命の糸によって結ばれていたという妄想劇場なのです。
オタクの自分でも、いつかは運命の赤い糸で結ばれた運命の人と巡り合える。」
そんな甘い幻想を何度も味わいたくて、足しげく映画館に通う人たちがこの興行収入200億円を生み出したのでしょう。
そしてこの映画の構造は、まさしくそういう人たちを狙い撃った作りになっています。

制作者に盛られた甘い蜜に心地よく酔いしれることは映画を観る楽しみのひとつです。
しかしこの映画の蜜には、オタクという購買層に対する麻薬のような中毒性とある種の蔑視とが仕込まれていることを認識していただきたいと思います。


もう一つの問題は、「大ヒット映画=良い映画」と短絡している連中があまりにも多いことです。
あるいは「他人のおススメ」以外では自分では何も判断できない輩が増えているのかも知れません。

今年観た映画が『君の名は。』一本のくせに、私が「三葉と父親の直接対峙シーンがないのはおかしい」と言うと「あんたはあの映画の素晴らしさを何もわかっていない!」と感情的に喚き散らす女がいて難儀しました。
「ストーリーが斬新」と褒めちぎっていた奴もいましたが、あれは『転校生』や『イルマーレ』の複合パクリでしかありません。

単なるラブコメアニメをここまで持ち上げてしまう日本のマスコミと大衆心理というものには畏怖の念すら感じます。
どうか皆さん、もう少し冷静になって自分にとっての良い作品というものを見い出していきましょうよ。



以上、かなりネガティブな内容ではありましたが何卒ご容赦願います。
しかし決して間違ったことは書いていないつもりです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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