週刊映画鑑賞記(2021.10/11~2021.10/17)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
10/11(月)
『スーパーマン』
(ホームシアター:BS4K録画)

この日は春頃BS4Kで録画した『スーパーマン』(劇場公開バージョン)を鑑賞しました。
4K画質で『スーパーマン』を見るのはこれが初めてです。
この日無性に『スーパーマン』が見たくなったのには理由がありました。
仕事の現場で会った相手方の担当者が偶然にも中学の同級生だったのです。
それで仕事の合間にいろいろ思い出話をしていたんですが、そのとき『スーパーマン』関係の話を思い出して「お~、あったあったそんなこと!」「あれって一体何やったんかな?。」と盛り上がったのでした。
あれは確か昭和54年の春か初夏、とにかく日本ではまだ『スーパーマン』は公開前だった頃のことです。

どういった事情でそうなったのかは知りませんが、私の通っていた中学校にある日突然手塚治虫先生がやって来たのです!。
『ブラック・ジャック』『三つ目が通る』『火の鳥』の漫画家・手塚治虫です。
同姓同名の他人なんかじゃありません。
本物の手塚先生が、福井の片田舎の町立中学校を訪れて講演して下さったのです!。
何故かTVの取材なども来ておらず翌日の新聞にも載らなかったのですが、この出来事は中学の同級生全員がはっきりと覚えています。
(ただ、日付や話の内容に関しては皆記憶がバラバラでしたが・・・)
おそらく、何かの用事で来福していた手塚先生に関係者の誰かが講演を頼んで快諾してくれたものの、東京で漫画原稿を待つ雑誌編集者やアシスタントさんたちの感情を考えてオフレコ扱いになったのではないでしょうか?。
演壇に立たれた手塚先生は開口一番「君たち映画は好きですか?」と聴衆である生徒に声をかけてくださったのです。
自他ともに認める映画好きの私は思いっきり手を上げましたが、周囲を見渡してみると全校生徒約900人中手を挙げていたのは私を含めて40人~50人しかいませんでした。
私の故郷の街には映画館が無く、新作映画を見るためには片道750円もの電車賃を払い1時かけて福井市まで行かねばなりませんでした。
そのため地元の街には「映画が好きだ!」と大きな声で言える中学生はほとんど居なかったのです。
生徒たちの薄いリアクションに少し残念そうな表情を浮かべつつ手塚先生は講演を始められました。
その最初は映画の話でした。
といっても先生が作ったアニメの宣伝などではありません。
映画「『スーパーマン』がアメリカで公開されたばかりの頃、早く観たくて仕方がなかった先生はわざわざアメリカへ行って『スーパーマン』だけを観てすぐにトンボ帰りしたというのです。
しかも、飛行機内で連載中の漫画原稿を描き、空港から電話で東京のスタッフに仕上げの指示をしたそうです。
私には手塚先生のバイタリティに圧倒されっぱなしの凄いお話でした。
当時講演を聴いた同級生たちの中には「アメリカまで映画見に行ったってただの金持ち自慢やろ。」「嫌味なジジイや。」などと歪んだ解釈をする者もいましたが、私は今でもあれは「好奇心を押さえつけるな」という前向きなメッセージだったと受け止めています。
そしてスケールはケタ違い(笑)でしたが、手塚先生のあのお話は「観たい映画を観るために片道1時間と750円もの電車賃を費やしてでも観たい映画を諦めない」私に向かって言ってくれていたのだと思っています。
・・・と、そんな中学時代の思い出に浸りながらクリストファー・リーブ主演『スーパーマン』を見終わった直後、ネットであまりにも衝撃的過ぎるニュースを見つけてしまいました。

スーパーマン、バイセクシャルをカミングアウト!?
な、な、なんですとぉ~?
・・・といっても、これは私たちがよく知るクリプトン星からやってきたあのスーパーマン(カル・エル)のことではありません。
スーパーマンとロイス・レインとの間に生まれた息子のスーパーマン・ジュニアの話です。
お相手はジェイ・ナカムラという新聞記者の青年で、紫色の髪をしてますが名前からしておそらく日系人と思われます。

父のスーパーマン(シニア)と母のロイスは息子の性癖をどう思ってるのでしょうか?。
まあ、理解ある親として描かれるのだろうとは思いますけど、クリプトン人の血筋が途絶えてしまうのは問題では?
バイなら子孫は残せるから別にいいのかな?。
でもそれだとゲイのお相手に不誠実になるのでは?。

そして従叔母(いとこおば)のスーパーガールは従甥のカミングアウトをどう見るのでしょうか?。
あ、でも彼女の周囲にはLGBTな人が何人かいたからそんなに驚かないかな?。
(実はシーズン2までしか見てないですが・・・)

そういえば、一時期「黒人版スーパーマン」という話もありましたっけ。
これは2代目とかいう話ではなく、確かクリプトン星人そのものが黒い肌の種族という設定のリブート企画だったと思います。
なんだかな~。
これらがLGBTQや人種差別問題への配慮であるとしても、ここまでやる必要あるのか?って気がします。
昨今ではLGBTQの存在を無視したり白人ばかりのキャスティングの作品は即ネットで叩かれて炎上し、それがそのまま売り上げにも大きく影響を及ぼしてしまうことも多いです。
また、LGBTQは世界的にも一定数の市場を形成しているらしく、商売の面でも無視できない存在であることも理解しています。
でもこの風潮って、数年前のアメリカ映画が中国の巨大映画市場に売り込みたい一心で脈絡もなく中国人俳優を登場させたり中国を舞台にしたりして、結果的に作品世界を崩壊させていたのと同じ気がするのですよ。
この際、ハッキリ言わせてもらいます。
(息子の話とは言え)80年以上前から親しまれてきたヒーロー像を、ジェンダーレス思想や人種差別問題にすり寄って今さら設定を改変するのは間違ってます。
これは決してLGBTQな人たちに対する非難ではありません。
あくまでも「LGBTQを意識し過ぎな作者」と「巨大化したLGBTQ市場を狙って後先考えずに平気で作品を歪める興行関係者」に対しての苦言です。
「同性愛者にも自分を重ね合わせられるヒーローが欲しい」というニーズがあることは理解していますが、だったらスーパーマンをカミングアウトさせるのではなく最初から同性愛者なヒーローを新しく創造するべきです。
その全く新しいジェンダーレス・ヒーローが世界中で認められて初めて本物と言えるのではないでしょうか?。
すでに世界的に有名なヒーローのネームバリューをジェンダーレスのPRに利用するとか、ましてやジェンダーレスを認めるふりをして商売に利用するなんてのは卑怯です。
スーパーマンの黒人化についても同様です。
今更スーパーマンを有色人種化したところで、(私たち日本人も含めた)全ての有色人種が何を誇れるというのでしょう?。
それに黒人のヒーロー映画なら『ブラック・パンサー』という素晴らしい作品があるじゃないですか!。
今私が不安に思うのは、「この傾向がいずれ日本の特撮作品にも浸食して来るんじゃないか?」ということです。
例えば・・・

日本の戦隊シリーズも「男女平等」が叫ばれるようになってから男女比が4:1から3:2に変化しました。
また、「ジェットマン」(私が全話通して見た最後の戦隊もの)のようにメンバー同士の恋愛感情(しかも三角関係!)が描かれたこともありました。
もしも・・・もしもですよ。
近い将来、行き過ぎたジェンダーレス思想に影響されて、戦隊シリーズに「今度のレッドとブルーは男同士だが深く愛し合っている」なんて設定が作られたりしたら?。
腐女子のお姉さまたちは喜ぶかも知れませんが、本来の視聴者である子供たちはそれを見てどう感じるでしょうか?。
確かにジェンダーレスというものに対して自然に理解を示す心の広い大人に育つかもしれません。
でも、これから異性に対して興味を持ち、恋心に苦しみ藻掻くことを学んでいくべき子供たちにはまだまだ知らずにいて欲しい世界であることも確かです。
日本人は古式ゆかしい民族なので多分大丈夫だろうとは思いますが、同時に世評を異常なほど気にし過ぎるとか外国からの圧力に弱いという部分もあるので、実はちょっと心配だったりなんかします。
10/13(水)
『日本沈没ー希望のひとー』(第1話)🈠
(居間49インチ液晶テレビ:MRO(北陸放送)録画)

第1話を見て正直「ちょっとしんどいな」と感じました。

最初に「主人公が環境省の官僚」と聞いた時点で「これは『シン・ゴジラ』路線か?」と予想したんですが、これが笑ってしまうくらいそのまんまで本当に『シン・ゴジラ』そっくりの場面が続出したのです(笑)。

しかし、私が「しんどい」と感じた一番の理由は、本作の田所博士(演:香川照之)に違和感があったことです。
(熱演していた香川さんには申し訳ないですが)変人ぶりを強調するあまり妙に尊大でかつオタクっぽい喋り方をするため説得力に乏しいのです。
この違和感が心理的なノイズとなってストーリーに入り込めなかったです。

また、自身の推論通り日之島沈没が沈んでしまうニュース映像を見たときの田所博士の表情がこれまた変なのです。
自分の理論が現実化してしまったことへの怖れと、「それみたことか、自分の説は正しかった。」と喜ぶ笑みとが入り混じったような泣き笑いの表情です。

かつて小林桂樹さんが演じた昭和版の田所博士は、確証もないまま重大発表する軽率な人物でもなければ自己顕示欲の強い俗物でもなかったはずです。
人一倍祖国を愛する気持ちが強く、一人でも多くの日本人を救いたいという焦燥感があのエキセントリックな人物像を作り上げていたと思うのです。
今回の香川版田所博士からはそのどちらも感じとることが出来なかったです。

今回のドラマ版の登場人物のうち、原作と同じ名前と役柄を持つのは今のところ田所博士ただ一人です。
その田所のキャラ設定を誤ってしまうと、このドラマ自体が沈没しかねない気がしてなりません。

それでも次週以降の予告映像を見る限り特撮シーンの出来はかなり良さげな感じです。
2話以降のストーリー展開と人物描写次第で大きく化けるかも知れません。
10/15(金)
『みんなが選んだルパン三世 TVシリーズセレクション』
(居間49インチ液晶テレビ:FBC(福井放送)リアルタイム視聴)

私も妻も夫婦揃って大のルパン好き。
劇場版『ルパン三世(マモー編)』をお互いそうとは知らずに同じ劇場で同じ日・同じ時間に見ていたという不思議な縁があった二人でもあります。
そして、ルパンは山田康雄さんの他界と同時に終わった作品であるという認識も全く同じです。
そんな57歳と53歳の二人が夫婦揃って「ルパン三世」TVセレクションを見ておりました(笑)。

ファーストシリーズからは記念すべき第1話「ルパンは燃えているか・・・?」。
アニメ『ルパン三世』がここから始まったことは歴史的事実ですが、ファーストからは「魔術師と呼ばれた男」「殺し屋はブルースを歌う」など初期ハード路線と「7番目の橋が落ちるとき」「ジャジャ馬娘を助けだせ!」などのフェミニスト路線からもチョイスして欲しかったところです。
でも、それじゃファーストだけで放送枠が埋まってしまうな・・・(笑)。

セカンドシリーズから選ばれたのは、宮崎駿監督がペンネームで手掛けた「死の翼アルバトロス」と「さらば愛しきルパンよ」の2本。
どちらもクォリティが高くて面白いことには異論はありません。

しかし、宮崎アニメのこの2本・・・特に最終回「さらば愛しきルパンよ」をセカンドシリーズの代表と呼ぶことにはかなり違和感があります。
なぜなら、この作品はセカンドリーズの中でも特に異質な存在だからです。
ファーストシリーズ(後半)と『カリオストロの城』を手掛けた宮崎監督は「セカンドの能天気なルパンは偽物にしか見えない」とどこかで仰っていました。
その考えを暗にほのめかしたのが「さらば愛しきルパンよ」でした
しかも、セカンドシリーズの最終回は別にシナリオが用意されていてチーフ・ディレクターが演出するはずだったのに、急遽宮崎監督が割って入って最終回という有終を飾る場を奪ってしまったのです。
つまり、番組当初からセカンドシリーズを作り続けてきたスタッフを差し置いて最終回を奪い取り、あまつさえその中で「セカンドシリーズのルパンはまがい物だ」と公言したのです。
そのためセカンドシリーズを番組開始時から支えたスタッフの中には今でも宮崎監督を嫌っている人が大勢いるそうです。

4本目はつい最近のフィフス(5)シリーズ最終回「ルパン三世は永遠に」。
声優さんのほとんどが若手に交代したあとの作品ですが、次元役の小林清志さんだけそのまま残っています。
う~ん、流石に声から老いが感じ取れてしまって見ていて辛い・・・。

最近始まった最新作から次元役は大塚明夫さんに交代したそうです。
小林清志さん、50年間お疲れ様でございました。
次元役は後輩に託されましたが、これからもお元気であの渋いお声を聴かせてください。
【来週の予定】
中耳炎を発症してから約1ヶ月経過しました。
耳鳴りはまだ若干残ってますが、ここ数日の聴覚検査の結果はかなり良好です。
おかげさまで、これまで右耳で聞こえ難かった高い音もちゃんと聴こえるようになってきました。

これなら映画館に行っても十分楽しめるだろうと(勝手に)判断して、明日はずっと我慢していた『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観に行くことにしました。
(これ以上引き延ばしたら大きなスクリーンでの上映が終わってしまうんじゃないかと少々焦っていたのです)
出来れば最新作を観る前に『カジノ・ロワイヤル』から『スペクター』までの前4作を見返しておきたかったのですが、残念ながらその時間を確保することは出来ませんでした。

それともう一本。
終日丸ごと休みなのでドゥニ・ヴィルヌーヴ監督(『メッセージ』『ブレードランナー2049』)の『DUNE/デューン 砂の惑星』もハシゴで観て来ます。
どっちも大長編なので大変な気もしますが、この日を逃すと10月中はもう休みが取れないので仕方ありません。
いや、本当は休みの日はもう一日あるのですけど、↓の大事な用事があるため塞がっているのですよ。
では、私が10月最後の貴重な休日を丸一日費やしてでもやりたいその大事な用とは何か?。
実は!

2年ぶりに映画へのエキストラ参加が決まったのであります!。
(๑•̀ㅂ•́)و✧ヨッシャー!
ただし・・・
作品タイトルや出演者名は我々応募者にもまだ明かされていません。
これは現場に行って初めて分かることのほうが多いくらいです。
日時と撮影場所の案内は当然届いていますが、これらは絶対に明かすわけにはいきません。
なぜならば、場所と日時がバレてしまうとエキストラ以外の野次馬も大勢集まって撮影に支障をきたす怖れがあるからです。
実際に数年前の福士蒼汰と小松菜奈主演の映画ロケで、一般エキストラの一人がSNSにロケ場所を書いてしまったせいで当日DQNな連中が大勢集まって大騒動になり、とうとう撮影中止に追い込まれたということがあったそうです。
今のところここに書いても問題なさそうなことは、監督が『ちはやふる』3部作の小泉徳宏監督であることと、大まかな内容は何やら青春ものらしいということだけです。

実は私、小泉監督の作品では4年前『ちはやふる-結び-』の撮影にも参加しているのですよ。
『ちはやふる-結び-』では後半のシーンでかなり大きく画面に映らせていただきました。
小泉監督、あのときはありがとうございました。
今回も福井から参上させていただきますよ!。

とはいえ、その日の募集人数は300名(!)という大規模撮影らしいので、どれだけ画面に映れるかは分かりませんけど(笑)。
でも、私にとってはおととし4月の『劇場版リュウソウジャー』以来2年半ぶりとなるエキストラ参加です。
久しぶりに映画の撮影現場の緊張感を味わいつつ、以前の撮影で知り合ったエキストラ仲間との再会なんかも楽しみに行ってきたいと思います。

ちょっと気になって小泉徳宏監督の近況を調べてみると、監督のツイッターに思いっきり当日のことが書かれていました。
もちろん内容には触れていませんが、「特に10/●(私が参加する日)の撮影は、見応えがあります。」としっかり書かれています。
これは大人数なので撮影が大変という意味でしょうか?。
それとも、作品の中で何か大変なことが起こる重要なシーンという意味なのでしょうか?。
いずれにせよ、その日が楽しみで仕方ありません。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。