週刊映画鑑賞記(2021.11/29~2021.12/5)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

今週観たのは『ルパン三世 カリオストロの城』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『犬神家の一族』の計3本です。
12/2(木)
『ルパン三世 カリオストロの城(4K/7.1ch)』
『ルパンは今も燃えているか?』
(劇場:テアトルサンク1)

中3の冬休みに受験生という立場でありながらそのあまりの面白さも2回繰り返し観たという今でも大好きなアニメ映画。
今でも冒頭約10分(カーチェイスシーンが終わってクラリスの指輪を手にするところまで)の全カット割りを暗記しているくらいです。
その『カリ城』が4K+7.1chになってスクリーンに帰ってきました。
都会ではとっくに上映を終えてますが福井ではこれからです。

劇場は福井で一番大きいスクリーンサイズを誇るテアトルサンク1。
この大劇場におっさんお一人様で行って参りました。
この日は夫婦ともども休みだったので妻を誘ってみたんですが、「ブルーレイもDVDも持ってるのにどうしてわざわざお金払って観に行くの?」とドライに拒否られてしまいました。(´・ω・`)

確かに、妻の言う通り私はDVDもブルーレイも4Kも持ってます。

ついでに(再生は出来ないけど)レーザーディスクも(笑)

もう数える気も失せるくらい何度も繰り返し見た大好きな作品ですが、それでもこうして再上映があると聞くと「今さら・・・」と思いながらも妙にソワソワしてしまうのです。
それはまるで「今度の同窓会に当時好きだったあの子が来る」と知らされたときのような気分です。
こんな男の気持ち、そして映画好きのこだわりというものは女には分からないものかも知れません。

4Kリマスター画質と劇場の大スクリーン(それも福井で最大)の組み合わせで見る『カリ城』はまた格別でした。
(実は4~5年前にも4DX版を見ていますが、あのときは振動でもよおした尿意に必死に耐えながら見ていた(笑)のであまり記憶に残っていません。)
家の4Kテレビで4K-BDを見たときは、レストアを頑張りすぎたのか「綺麗」というより「のっぺりした」印象の画で違和感がありましたが、今回大スクリーンに映されたそれはほとんど気になりませんでした。
むしろ画面が高解像度化&安定化したことにより、今まで気にならなかった(ていうか見ないことにしていた)部分までもが残酷なくらい目についたりもしました。

例えば、冒頭のカーチェイスシーン。
運転しているクラリスが、まるで不二子やモンスリーのような武闘派の顔になっているのが分かるのです。
そもそも、幼い頃から修道院で育ったというクラリスがいつどうやってあんなドライビングテクニックを習得したのでしょうか?
ここはおそらくこの映画最大の演出ミスです。
宮崎監督はクラリスの原画には全部自分で手を入れていたそうですが、この一瞬の表情だけ原画そのままの男勝りな顔が残ってしまったものと思われます。

これって、中学時代は清楚で大人しい子だと思っていた初恋の相手が本当はかなり男勝りな性格だったということを数十年後に初めて知った・・・みたいな感じですかね?(笑)。

映画館の大きなスクリーン(しかも福井で最大サイズ)をかぶりつきの席で見ていると、大公館跡・時計台・お城・城下町の位置関係が一目で見通せました。
TVの小さな画面だと奥の城下町が細かくてよく分からない(見えていても認識できない)のですが、大画面で見ればこのカット一つだけでよく分かります。

あと、見終わって無性にカップめんが食いたくなるところは42年経った今でも変わりません。

それとスパゲッティも(笑)。

あと、7.1chサラウンド化された音響ですが、これは全く評価に値しない本当に酷いものでした。
モノラルのオリジナル音源にサラウンド用の効果音を新しく付け足しているのですがこのレベルが高すぎて耳障りです。
しかもフロントとリアの距離感がめちゃくちゃで、ルパンと喋っている(画面外の)クラリスがすごく遠い場所にいるかのように聴こえます。

そればかりか、一部のオリジナル効果音が削除されている箇所もありました。
例えばカーチェイス中森の中を突っ切る場面でルパンの顔に当たる枝のバキ!という音がスッポリと無くなっていました。
これまで何十回も見てきた私にはすぐに分かります。
このサラウンドリミックスを担当した奴には音響センスと映画へのリスペクト精神が欠如しています。

併映の『ルパンは今も燃えているか?』は、TVシリーズ1期と2期を知っているオールドファン限定のオマケですね。
ミスターXも魔毛狂介もパイカルもプーンも百地三太夫も、第一シリーズを見てない(あるいは覚えてない)人にはチンプンカンプンではないかと思います。
12/4(金)
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』🈠
(ホームシアター:レンタルDVD)

おととし妻に薦められるまま見てどハマりし、このいい年したおっさんをボロ泣きさせてくれたTVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の完結編です。
本当は昨年1月に公開されるはずでしたが、あの京都アニメーション放火事件と例の567ウイルス感染拡大のため延期が繰り返され、昨年9月ようやく劇場公開されました。
私も妻も劇場へ観に行きたかったですが、当時は567感染状況がかなり酷い状態だったため結局映画館げ観に行くことは諦めました。

先日、宅配レンタルでDVDを借りられたので夫婦揃って鑑賞です。
(写真に写っているもう一枚は、妻がまだ見ていないという『るろうに剣心 最終章-The Final-』です。)

TVシリーズと「外伝」を見たのはもう2年も前のことなので細かな設定は忘れてしまっておりました。
そのせいか、「外伝」のときほどには気持ちが動かなかったです。
正直、このストーリーは「蛇足」としか思えませんでした。
ヴァイオレットが想い続けた男との再会がクライマックスなのですが、そこに至るまでの展開が妙にダラダラ引き延ばしてる感があってなんだか出来の悪いメロドラマを見ている気分でした。

一方、完結編ということでヴァイオレットたちのその後も描かれましたが、そちらのパートはなかなか良かったと思います。
ヴァイオレットたちの時代から60年後、TVシリーズの中でも最も印象深かった回に登場した少女の孫娘が登場し、大好きだった祖母の人生に深く関わったヴァイオレットに興味を抱いて彼女のその後の人生を追うというストーリーでした。
長ったらしいメロドラマよりも、こっちに尺を割いてくれたほうが私好みだったかも知れません。

ちなみに妻は、鑑賞中に2回も洗面所へ顔を直しに行ってました(笑)。
私も2年前の熱量をそのまま保っていたとしたら、妻と同じくらい号泣していたかも知れません。
12/4(土)
『犬神家の一族』(4K修復版)
(ホームシアター:日本映画+時代劇4K録画)

最近日本映画専門チャンネルが力を入れている旧作の4K修復化の一つです。
4K修復により人物も風景もセットも小道具も全てが生々しく映し出されており、制作時に市川崑監督が希望していたという東宝ビスタサイズも再現しています。

冒頭の犬神佐兵衛臨終シーン。
市川監督は背景に並ぶ金屏風の色合いに異常なまでのこだわりを見せていたそうです。
当時の編集担当者が監修して当時取られたばかりのフィルムに焼き付けられた金色を再現したそうです。
この場面の金屏風にどういう意味合いがあるのか、まだまだ考察の余地がある作品です。

金田一が宿泊する旅館のセット。
年代物っぽい柱の艶が美しく、しかも窓の向こうの風景が白く飛ばずに見えています。
HDRの効能がよく分かるカットです。

今回4Kで見ていて初めて気付いたのですが、佐清を疑っている前半の珠世(演:島田陽子)は人工的に見える白肌メイクで、後半本物の佐清の生存が分かってからはナチュラルメイクに変化しています。

前半の人工的メイクはもしかすると佐清のゴムマスクと対のイメージだったのでしょうか?。
そんな演出意図を推察せずにいられない4K版でした。

そして坂口良子さんが瑞々しくて可愛らしい!。
これほどまで高画質な『犬神家の一族』をBS録画で手に入れられてしまうなんてリマスター担当者に申し訳ないくらいです。

あと、この映画には何度見ても気になって仕方がないカットがあります。
それは菊人形会場で金田一が佑武の生首を見つける場面なのですが・・・。

悲鳴を上げる金田一のショットの中に、1つだけえらくピントがボケたカットが混じっているのです。
何度も見返している映画ですがここはいつも気になって思考が止まってしまいます。
市川監督はどうしてあんなピンぼけカットをわざと挟み込んだのでしょうか?。
それこそ、本当に観客の思考を止めるのが目的なのでしょうか?。
映像作りの末席を汚す者の一人として、あのピンぼけカットに市川監督が込めた意図を研究・考察せずにはいられません。

いろんなことをつらつら考えてるうち、今度もまた市川マジックに魅了されたまま見終わったのでありました。
続く『悪魔の手毬唄』『獄門島』も是非4Kデジタル修復していただきたいと切に願います。
【TVドラマの話も少々】
『日本沈没』
(自室32インチ液晶テレビ:日本映画専門チャンネル録画)

今週も『日本沈没』昭和49年版TVドラマ(日本映画専門チャンネル録画)5話から8話を視聴しました。
この時代のドラマって味が濃いというか科学調味料タップリというか、1本見ただけで胸ヤケしそうです(笑)。
私は当時契約してなかったので見てませんが、日本映画専門チャンネルは5年前の春にもこのドラマを再放送していました。
しかしその年の4月15日、あの熊本東日本大震災が起こったため第7話で打ち切りになったそうです(そりゃそうだ)。
それだけでなく、1995年に福岡県で再放送があったときは第2話放送直後に阪神淡路大震災が発生してやはり打ち切りになったとか。
なんだか「S49版『日本沈没』が再放送されると大地震が起きる」というジンクスが出来たかのようで、また大震災が起きないかと心配になってしまいます。
おととい(12/3)の朝栃木と和歌山で大きな地震があったときもふと『日本沈没』のことが頭をよぎりました。
どちらも大事には至らなかったようでなによりでしたが、本当に偶然なのか?と背筋が寒くなったことも事実です。
【最後の希望】

567パンデミックのため開催が1年半延期されていた「ガメラ降臨祭」in京都みなみ会館。
私もなんとか参加したかったんですが、当時は大阪で最初のクラスター感染が発生したばかりの頃だったため、妻に頑強に反対されて諦めざるを得ませんでした。

そして先日、キャンセル分補填のチケットが3日(金)20:00より販売開始になるとの情報が!。
これぞまさに「最後の希望」であります。
ただし売りに出された座席数は僅か10。

20:00になると同時に最速で手続きを進めましたが、購入ボタンを押したときはすでに残席0(ゼロ)・・・_| ̄|○。
そりゃフリーパス持ってる人には勝てんわな・・・。
結局行けなかったという話でしかなく他の人にはどーでもいいことなのですけど、私としては1年半心の隅に引っ掛かっていた案件に決着がついたということでこうしてブログに書き残しておくことにしました。
あ~あ、伊藤和典さんの話聞きたかったなあ・・・(未練)。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。