ウルトラワイド!
突然ですが・・・
先日、メインPCのモニターディスプレイを新調しました。

本邦初公開!。
私のPCデスクです。(令和4年1月26日現在)
中央の横長モニターが新しく買ったEIZO:FlexScan EV3895です。
9年間愛用したEV2736(同じEIZO製)が寿命を迎えたらしく、時々画面がブレる現象が起きるようになったため買い替えました。
値段は19万円!。
かなり高かったですが長く使うものなので妥協はしたくありません。
また、EIZOのモニターはブラウン管時代からずっと愛用してきたので他のメーカーは一切考えませんでした。
とにかくデカくて重いモニターです。
サイズは37.5インチ。
本体幅はおよそ900 mm。
重量は約13kg。
両脇にスピーカーを置いた私の机にギリギリ収まりました。

表示領域((液晶面サイズ)は横879.7 mm x 縦366.5 mm。
解像度はUWQHD+(3840×1600)。
アスペクト比24対10のウルトラワイドサイズで、映画でいえばシネマスコープサイズに相当します。

しかも、このEV3895はただの横長モニターではありません。
EIZO初の曲面モニターなのです。

平面のモニターの場合、これだけ横幅があると画面中央部と両端とで距離に大きな差が生じます。
視点を変えるたびに目のピントが動くことになりそれが目の疲れにつながるのです。

しかし湾曲モニターの場合は中央と左右の焦点距離があまり変わらないため目の疲れはかなり軽減されます。
実際に一週間ほど使ってみて作業への集中度がかなり上がった気がしています。
今回ウルトラワイドを選んだ理由は、ビデオ編集用にもっと広いディスプレイが欲しかった・・・いや、必要だったからです。

こちらはこれまで使っていた27インチモニター、EIZO:EV2736の編集画面です。
(編集ソフトはEDIUS)
EDIUSでは下部にタイムライン、その上に素材とREC側の二つのモニター画面、そして右側に「ビン」と呼ばれる素材クリップを表示するウィンドウが表示されますが、27インチだとこのビンの部分がどうしても小さくなってしまい、大量の撮影素材の中から目的のクリップを探すのに時間がかかってしまいます。
一時期、ビン専用のモニターを追加してデュアルモニター化することも考えましたが、ご覧のとおりモニターを2台も置けるスペースはありません。

その点、ウルトラワイド37.5インチだとビン・ウィンドウを大きく確保することが出来るうえ、タイムラインを長目に配置することも可能になります。
また、湾曲画面のおかげで左右に視線を動かしても目の疲れはほとんど感じません。

フォトショップで画像加工するときも、画面を広く使えるのでストレスがかなり軽減します。
本格的な写真用としてはもっと上のクラスのモニターが必要なのでしょうが、私にはこれで十分です。

ブログやメールを書くとき画面の半分以上が余白になってしまうのには最初戸惑いましたが、人間って何にでもすぐ慣れてしまうものですね。
しばらく使ってるうちに全然気にならなくなりました(笑)。

入力端子はディスプレイポートが1つとHDMIが2つ、それとUSB-Cも備えています。
HDMIにはBDプレーヤーやゲーム機を繋ぐことも可能です。

PCとの接続は今まで通りディスプレイポート端子を使用。
電源ケーブルは既存のものをそのまま流用しました。
【ここからが本題】
ここまでは新しく買ったPCディスプレイの紹介でありました。
しかし、映画カテゴリに属する当ブログとしてはこれだけでは終われません。

せっかくのシネマスコープ画面。
せっかくの湾曲液晶。
せっかく空いてる2つのHDMI端子。
映画好きなら、これらを使って映画を見なくては宝の持ち腐れというものです。

だって、映画館の凹面カーブドスクリーンと同じなのですから!。

ちなみに、我が家のホームシアタースクリーンは平面タイプのシネスコ120インチです。
視聴位置からの距離が約3mあるためピント変動は特に気になりませんが、カーブドスクリーンが持つ映像に包み込まれるような感覚は得られません。
というわけで、大画面ホームシアターと対極を成すく小型精密画面近接視聴システムを構築してみました。

再生はBDプレーヤーではなくPCで行います。
現在私が使っているメインPCは2年前に組んだCore i7 9700K搭載の自作機で、ブルーレイ再生用に「PowerDVD20」というソフトを入れています。
PCは出力解像度をモニターに合わせていくらでも変化させられるので、もしかするとシネスコ画面いっぱいに映画ソフトを映し出すことが出来るかも知れません。
ただし、EV3895はHDCP2.2に非対応であるため4K UHD-BDを見ることは出来ません。
PC側は完璧に対応出来ているのですが残念です。

EV3895の画面設定は「アスペクト比固定」。
モニター側で勝手に引き延ばされては困りますから。

まずはシネスコサイズの映画を代表して『シン・ゴジラ』を再生。

そのまま再生しただけだと上下左右を黒で塗りつぶした額縁画面になってしまいます。
・・・が!。

画面右クリックで出てくる設定項目の中に「縦横比」の項目が!?。
さっそく 「クロップして枠に入れる」に変更してみると・・・?

おおっ!。
上下の黒帯が消え、映像を画面いっぱいに表示してくれたではありませんか。

これこれ!、これですよ!。
これがやりたかったのですよ~!。

後で気が付いたのですが、この機能は画面下のアイコンでも使用可能でした。
もしかすると、ウルトラワイドモニターのユーザーからかなりの要望があったのかも知れません。

続いてジェームズ・キャメロン監督の『アバター』を視聴。

『アバター』のブルーレイは16:9収録ですからこうなります。
でも、思い出してみてください。
劇場公開当時、ほとんどの映画館ではシネスコサイズで上映されていたことを!。
『アバター』はのちにブルーレイ・DVD化することを考慮して16:9サイズで撮影・編集されていて、劇場公開時にはそれを上下カットしたシネスコサイズで上映していました。
もちろんキャメロン監督はどちらで見ても問題ないよう二重に注意を払って演出していたはずです。
実はキャメロン監督は4:3テレビの時代から同じことをやっていて、『エイリアン2』も『ターミネーター2』も最初から4:3サイズで撮影・編集してそれを上下クリップしたビスタやシネスコで上映していました。
ビデオ化の際に不自然なトリミングをされることはないですし、そもそもトリミング工程が省けるというメリットがありました。

「クロップして枠に入れる」と、このとおり自然なレイアウトを保ったままシネスコ化されました。
字幕も切れることなく画面内に収まっています。
この機能はキャメロン作品以外でも使えます。

たとえば『ダークナイト』などクリストファー・ノーラン監督の作品は、通常のシネマスコープサイズとIMAX(1.43:1または1.90:1)が混在しているものが多いです。
普通の16:9画面で見ていると画面サイズがパカパカ変わって落ち着きませんが、上下をカットしてシネスコサイズに統一すれば集中して見ていられます。
ノーラン作品以外にもこういったアスペクト比混在映画が増えているので、この機能は今後重宝しそうな気がします。

では、BS放送を録画した洋画ディスクはどうでしょうか?。
先日BD-Rに録画保存したばかりの『アンドロメダ・・・』を再生してみました。
WOWOWやBSプレミアムでは、字幕は画面下の黒味部分に出ています。
文字数が多い場合はこのように2列にまたがって上段が映像部分に被って出ます。

やっぱりというか、字幕は切れてしまいました。
どうやら単純に上下カットしてフレームに収めているだけのようです。
WOWOWやBDプレミアムの録画ディスクの場合、字幕付きの洋画では使い物になりませんが吹き替え版や邦画であれば十分役に立つ機能です。
ではストリーミングサービスの場合はどうでしょう?。

まずは昨年リニューアルされたディズニープラスから『スター・ウォーズ』冒頭シーンを再生してみました。

・・・え?。
ええええっ?。
クリックしただけでEV3895の画面いっぱいにシネスコ映像が映し出されたではないですか!。
しかも(写真では伝わりにくいですが)めっちゃ画質がいい!。
もしかすると配信の場合は16:9ではなく作品ごとの画面サイズでデータ化されていて、表示デバイス毎に出力解像度を調整する仕組みになっているのかも知れません。

ただし、全てがシネスコ拡大に対応しているわけではないようです。
あの大ヒットアニメ『アナと雪の女王』はこの通り額縁画面での再生となりました。
「レリゴー」も迫力半減です(笑)。

今度はNETFLIXのシネスコ作品を見てみました。

最初に選んだのは『ブレードランナー2049』。
こちらも画面いっぱいに表示してくれました。
久し振りに見返しましたが、やっぱりジョイはイイなあ。

NETFLIXからはもう一本『レイダース 失われた聖櫃<アーク>』。
こちらも当たり前のようにシネスコ映像が画面いっぱいに広がりました。

しかし、同じスピルバーグ作品でも『未知との遭遇』はこの通り額縁状態のまま再生されました。
基準は分かりませんがNETFLIXも全ての作品がシネスコアスペクトに対応してるわけではないようです。

アマゾンのプライムビデオからは『シン・エヴァンゲリヲン劇場版』をチョイス。

やはり自動でウルトラワイドモニターいっぱいに表示されます。

でも、『ゼロ・グラビティ』は駄目でした。_| ̄|○
こういう宇宙ものこそ、シネスコ画面いっぱいに星空を映して作品に没入したいのですがね。

そして最後はYOUTUBE。
数は少ないですが、シネスコサイズの動画(主に映画予告編)もいくつか存在します。
YOUTUBEの場合、シネスコサイズ動画はこのようにサムネイルがシネスコになっているため、見る前にアスペクト比を判別することが可能です。

再びアナ・デ・アルマスさまにご登場いただきました。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で最も集中して見た場面です(笑)。
このようにネット配信でも多くのフルシネスコ映像が楽しめることが分かりました。

作業領域の拡張と同時に、120インチスクリーンの大画面ホームシアターと対極をなす37.5インチ高精細PCモニターによる至近距離シアターが手に入りました。
湾曲液晶の効果により没入感が数倍跳ね上がるため、見慣れた作品もひと味違った楽しみ方が出来そうです。
良い買い物をしました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。