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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2016.10/17~10/23)~『GANTZ:0』『ガールズ&パンツァー 劇場版』『B.F.G.(吹替版).』『時よとまれ、君は美しい/ミュンヘンの17日』『七人の侍』『009 RE:CYBORG』~

トガジンです。
毎週日曜の夜は、この一週間に観た映画の感想を書き連ねていきたいと思います。
一部、Yahoo映画に同じ内容のものを投稿しています。

10/17(月)

 『GANTZ:0』🈠
(劇場:テアトルサンク)
1017 GANTZ0

仕事が午後からだったので、午前中の回を観ました。
原作は読んだことがなく、数年前の二宮和也と松山ケンイチの実写映画を観ただけです。

初見のシンプルな感想としては「女性キャラクター2人が異常に可愛かった」に尽きます。
気合が入ってましたね。
特に胸とか。
表情や仕草もきめ細かく作り込まれていたと思います。
夜のシーンがほとんどのため背景とキャラクターに一体感が生じたものと思います。
個人的に馴染みのある大阪の道頓堀周辺が舞台だったこともリアリティを感じる一因でした。

それに対しておじいちゃんやおばあちゃん、一般の人たちの描画がぞんざいだったように感じました。
良くも悪くも日本のアニメーションですね。

岡八郎のギャグ「ピンポンやってたんや」「通信教育で空手」はハッキリ言ってすべってました。
そもそも、あのタイミングで使うギャグじゃない。
あれは戦闘中ではなく戦う前のハッタリとしてやるものです。
やるなら、ビビりながらの「どっからでもかかってこんかい!」や、殴られての「えげつなー」でしょう。
さらに、出てきた素顔が松田優作みたいな男前だったのもミスキャスト感が強いです
そして最期は・・・。
故・岡八郎師匠に謝るべきです。

10/18(火)

 『ガールズ&パンツァー 劇場版』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)
1018 ガールズ

今年の初めに大ヒットしたアニメです。
「『ガルパン』はいいぞ!」と聞かされ続けていたので、どんなものか見てみたかったのですがずっと躊躇していました。
50過ぎのおっさんがこれを映画館に観に行くことは、レンタル屋でアダルトDVDを可愛い女子店員の前に差し出すのと同じくらい(あるいはそれ以上)勇気が必要です。
こういった作品をフルハイビジョン+5.1chで放送してくれるので、WOWOWは有難いです。
録画したものを、100インチホームシアターで鑑賞しました。

元のテレビアニメを全く知らずに観たため、なぜ彼女たちがスポーツのように戦車で戦うのかまるで理解出来ていません。
更に、大勢の女の子キャラクター達・学校やチーム毎のグループの区別がつかないまま観ていました。

女の子による戦車版サバゲ―とでも言うべきでしょうか?。
冒頭とクライマックスの戦車シーンはサラウンドの音響効果と相まって十分に堪能出来ました。
私のような<部外者>はファン・ムービーと割り切って楽しめればそれで良しとしましょう。

10/19(水)

 『B.F.G.(吹替版).』🈠
(劇場:コロナワールド)
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仕事帰りに観てきました。
字幕版の上映館が少なくてずっと行きそびれていたのですが、結局吹替え版を観ました。
池に飛び込んでからの鏡面世界など、映像が非常にきれいだったので結果的には吹替え版にして良かったと思います。

しかし内容は少々物足りなかったですね。
スピルバーグ監督のジュブナイル系作品にしては盛り上がりに欠けるというか爽快感がないというか。
悪い巨人たちをこらしめる方法が「女王様にお願いする」というのはなんとも他力本願な感じがしてしまいました。
以前にB.F.G.と居た少年が残したイラストに、大きな竹馬や何かの機械のようなものが描かれていたので、てっきりそれらを生かしたアイデア作戦を展開するものと思っていたのですが拍子抜けです。
原作通りなのかも知れませんが、映画化にあたってはもっとドキドキワクワクな方向に変更してもよかったように思います。

映像や音響は素晴らしいものだったので、レンタルでBlu-rayが出たら再度字幕版で観直してみようと思います。

時よとまれ、君は美しい/ミュンヘンの17日』🈠
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)
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帰宅後に時間があったのでもう一本観ました。
ゲーテの「ファウスト」の言葉や矢沢永吉の歌みたいな邦題ですが、現代は『Visions of Eight』(直訳:8つの視点)。
1972年のミュンヘン・オリンピックの記録映画で、8人の監督たちがそれぞれの視点で競技や選手たちを追います。
『東京オリンピック』(1965年)の市川崑監督も参加しています。

どの監督も試合展開は二の次で、出走前の選手の緊張感、競技中の無我夢中のあられもない姿、敗者のうつろな表情ばかりに興味津々のようです。
また、勝者(メダリスト)より敗者にスポットを当てたものが多かったのも特徴です。
レースそのものよりも転倒し棄権した選手を追うカメラ。
負けてふてくされるボクシングの選手。
ケガをしてもなお敢闘するレスリング選手と彼を気遣い称える相手選手。
試合後の選手の表情を顔アップだけで長回しして見せ、「あ、この人負けたんだ・・・」と悔しさが切実に伝わってきます。

映像も攻めていました。
全体に『東京オリンピック』(1965年)の影響か?と思うくらい、選手たちのアップやスローモーションが多かったです。
何故か重量上げと大会で消費される食糧の話とが融合していたり。
ピンぼけも構うことなくひたすら選手の顔アップと無音で描かれる棒高跳び。
かと思えば軽妙な音楽に合わせてダンスのように描かれる競技シーン。
居眠りしているスタッフのアップが執拗に挟み込まれて笑えましたが、若干悪意も感じました。
大会運営やスタッフに対しては批判的な描写が目立ちました。

ミュンヘンオリンピックでは「黒い九月」なる組織によるテロが起こり、選手やコーチ11人が犠牲になっています。
その立てこもりの様子や犯人の姿も映像に収められていました。
そして「それでも走ることしか考えない」と言い切るマラソン選手。

時代が映っています。
凄いです。
この数時間前に観た『B.F.G.』の印象が霞んでしまいました。

日本映画専門チャンネルは、時々こういうマイナーな良作を発掘してハイビジョン放映してくれるので重宝しています。

10/20(木)

 『七人の侍
(劇場:金沢フォーラス・イーオンシネマ)
「午前十時の映画祭7」
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この映画、これまでに何度観たことだろう。
年に1~2回は必ず観返していますね。
劇場公開のチャンスがある度に必ず足を運んでいます。
今回も金沢まで観に行きました。
パッケージメディアもLD、DVD、Blu-rayを国内版・クライテリオン版それぞれ発売される度に購入してきました。

観返すたびに、いつも異なる登場人物に思い入れしている自分がいます。
もはや自分の血肉の一部と言ってもよい作品です。


七人の侍』のレビューや思い出話などは後日改めてガッツリ書きたいと思っております。
今回は4Kデジタル・リマスターと「午前十時の映画祭7」について。

今回は「午前十時の映画祭7」のひとつとして4Kデジタルリマスター版の劇場上映です。
古いフィルム特有の揺れが大幅に抑えられ、画面が非常に安定しています。
そして、暗部諧調が劇的に向上していました。
特に宿屋や農家の屋内シーンでは、暗部がつぶれていないので奥行きが感じられます。
柱や壁の使い古した質感が良く出て、一度もカメラが入らない奥の部屋までも作り込まれているのが見えます。
美術スタッフのきめ細かな仕事ぶりがよく分かります。
見えすぎて、カツラの継ぎ目や編集の粗削りな部分も目立ってしまうのは痛し痒しではありますが・・・。
音声も今までの中では一番クリアだと思います。
今まではノイズに埋もれていたセリフが、聞き取ろうと努力しなくても自然に耳に入ってくる感じで物語に没頭できます。

現在販売している本作のパッケージメディアの中で最も優秀な画質と思えるクライテリオン版Blu-rayをも凌駕しています。
2年前に再上映された『ゴジラ』(昭和29年版)もそうでした。
『ゴジラ』の時も、WOWOWやBSプレミアムで放映されたリマスター版が、どの市販Blu-rayよりも画質・温室が良いという異常事態が起こっています。
現在私は、『ゴジラ』(昭和29年版)を観るときはこの録画ディスクを24P化して観ることにしています。
早くリマスター版『七人の侍』を我が家のホームシアターでも見たいものです。

午前十時
「午前十時の映画祭」は数年前から始まった年間50本づつ名作を厳選してフィルム上映するという企画です。
福井県でも初期の2年間は鯖江アレックスシネマさんで開催してくれてました。
私の年代では、もう映画館で観ることはあきらめていた『雨に唄えば』や『ローマの休日』などといった往年の名作たち。
それらに劇場で触れられる最後のチャンスでした。

今回の「午前十時の映画祭7」では、夏頃に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作を連続上映してくれたりしています。
次はこれかな。

初恋のきた道 中国語ポスター
この作品、WOWOWで録画したブルーレイはあるのですが実は映画館では観たことないんですよ。
楽しみです。

10/21(金
映画鑑賞なし
10/22(土)
『009 RE:CYBORG』
(ホームシアター:Blu-ray)
009 RE

石ノ森章太郎原作の『サイボーグ009』。
子供の頃から好きなマンガでした。
2012年制作のこの映画は、『009』を3DCGアニメーション(見た目はセルアニメ風)で現代に蘇らせた作品です。
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CGアニメーションなのですが、平面アニメっぽく処理して表現しているものです。
初めて観たときは、セルアニメともCGアニメとも違う不思議な映像だと感じました。
ブルーレイを買うほど好きな作品なので、何度も観返しているうちに慣れてしまいました。

監督は神山健治さん。
『機動警察パトレイバー』や『攻殻機動隊』の押井守監督のお弟子さんです。
『攻殻機動隊』のテレビ版を担当されて非常に高い評価を受けている方です。
そういえばこの『009 RE:CYBORG』も、当初は押井守さんが監督する予定だったとか。

009 DISC
この日、このアニメをブルーレイで鑑賞したのは技術的な興味によるものです。
私はパナソニックのDMR-BZT9600というBDレコーダーを使っているのですが、この機種はMGVCという技術に対応しています。

MGVC設定
MGVCとは?。
最近ではすっかり忘れ去られてしまいましたが、ブルーレイには3D機能が備わっています。
BDディスクの3D用スペースは、通常2D作品の場合は使用せず空き容量となっているわけです。
ここに3D信号の代わりに映像信号を付加してより高画質化しようという技術がMGVCです。
これはパナソニックの独自技術で、最近の同社BDレコーダーと対応BDソフトの組み合わせでのみ体験可能です。
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スタジオ・ジブリのアニメBDの大半がMGVC対応で、勿論それらはBZT9600で観ていました。
ですが、先日この『009 RE:CYBORG』もMGVC対応だったことを知って見返してみることにしたのです。
(通常のブルーレイは専用のプレーヤーで再生するほうが高品質なのでそうしています)

違いを写真にうまく写すことが出来なかったため、誤解を避ける意味合いから画面撮り写真の掲載は見合わせます。
あしからず。

ジブリの、それも初期のフィルム撮影のアニメーション(【となりのトトロ』など)では確かに効果絶大でした。
画面の色数が増えて、それにより奥行や光の強弱がくっきりしたものです。
半面、フィルムグレインもはっきり見えるようになり、知らない人が見たら「ノイズっぽい」などと言うかも知れません。
(私は、フィルムグレインとノイズの違いが判らないような輩とは映画の話はしないことにしています)

でもこの『009』は元々がCGであるせいか、色情報が増えたにしても劇的な変化は感じませんでした。
設定をON/OFFしても、背景画の微細なグラデーションが変化したようなしないような・・・。
そんな感じで『009 RE:CYBORG』のMGVC追体験は「空振り」といった印象でした。


でもついつい最初から最後まで鑑賞してしまったのも事実です。
だから内容について少しだけ。

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『サイボーグ009』は1964年に連載スタートした石ノ森章太郎の代表作です。
1964年といえば、前の東京オリンピックの年、52年前です。

この映画は、『サイボーグ009』を現代において制作するにあたって今までにない斬新な設定を取り入れています。
1964年にサイボーグ化された9人ですが、サイボーグですから外見上は当時のまま歳を取りません。
あるものは経歴を、あるものは記憶そのものをリセットしながら、時代ごとに集結して活躍してきた、というのです。

つまり、1964年にサイボーグ化された009=島村ジョーが当時18歳(高校3年生)だったとします。
この映画は2012年公開ですから、映画の中での彼は実年齢=66歳ということになります(!)。
それはつまり、それはつまり・・・
003=フランソワーズもまた同じ歳だということなのデス!。

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003が下着姿で009に迫る艶めかしいシーンもあったりするのですが、年齢の設定は考えたくないですね(笑)。

年齢設定のことはともかく、私はこの映画のクライマックスに至るまでのシーンが好きです。
核ミサイルを大気圏外で阻止しようと、009が帰還不可能を覚悟でと001にテレポートしてもらいます。
ところがミサイルの予期しない挙動のため009は宇宙空間を漂流する羽目に。
このままでは犬死にか?という時、それまで009と仲違いしていた002が颯爽登場。
009の腕を掴んでミサイルにたどり着かせてくれますが、その時前のいざこざで損傷していた002は推力を失い落下していく・・・。

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002が助けに来た時、私のようなオールドファンは「あの原作の第一期最終回を再現してくれるのかッ?」と血がたぎる思いでした。

原作の第一期最終回とは?
宇宙ステーションにあったブラックゴースト本部を単身壊滅させた009。
でも地球に帰る手段は既になく、009は孤独な死を覚悟するがそこに空を飛ぶ能力を持つ002が助けに来るのです。
二人で懸命に大気圏を突破しようとするがやがて002も力尽きようとしていた。
「ジョー、君はどこに落ちたい?」
その夜、地上で夜空を見上げていたある姉弟が流れ星を見つけて願い事をするシーンで物語が終わります。
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映画ではこれとは違うラストシーンに向かいましたが、あの名場面を想起させてくれただけでも観た甲斐がありました。

あと川井憲次さんの音楽がいいです。
特にエンディング曲はアゲアゲで、朝のクルマの中で聞くと気分が高揚しますよ。

10/23(日)
鑑賞映画は無し。

まだブログを書くこと事体に慣れていないのでこのような形をとりましたが反省しきりです。
一週間分をまとめて書くとすごい分量になってしまいますね。
これならその日ごとに書いたほうが楽かもしれません。
でも時間があるかなあ。
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