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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2022.5/9~2022.5/15)

トガジンです。

毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

これまでも再三お伝えしてますが、私、週の前半は山崎貴監督の『超大作怪獣映画(仮題)』にエキストラとして参加するため長野県へ行っておりました
撮影自体はたった半日で終わってしまいましたが、その内容の濃さと当日ご一緒させていただいたエキストラ仲間たちと怪獣映画について語り合えた楽しさが未だに忘れられず、精神的にはまだ日常生活には戻り切れていません。
子供のころ、修学旅行や運動会などビックイベントの後って2~3日は余韻に浸り続けたものですがまさにあんな感じです。
ふと時計を見るたび「ああ、10日(撮影の日)の今頃は●●をしてたんだったなあ」と、ふと長野の方向を見てしまいます(笑)。

そのため、今週は何を見ても全く頭に入って来ない気がして、録画しておいた4Kリマスター版『モスラ』を今朝ようやく観たのみです。
しかし、これについても長野の撮影現場でエキストラ仲間と語り合った作品だったため、やはりあまり集中して見ることは出来ませんでした。
それで、今回の記事は昨年末の「午前十時の映画祭」の時の感想記事に加筆補正を加えたものにしています。
「手抜き」と言われれば返す言葉もありませんがどうかご容赦願います。



5/15(日)
『モスラ』(ピュア4K放送)
(ホームシアター:日本映画+時代劇4K)
『モスラ(1961年)』ポスター画像(総天然色バージョン)
最近発見されたという冒頭の「序曲」から始まっていることから、昨年の「午前十時の映画祭」上映に使われたのと同じマスターと思われます。

ゴジラ1983復活フェスティバル パンフレット
私が『モスラ』(1961年版)を初めて観たのは、大学に入った最初の年の昭和58年夏でした。
東宝が全国展開した「ゴジラ1983復活フェスティバル」の中の一本としてです。

私が見た大阪の劇場では『三大怪獣地球最大の決戦』とペアで上映していました。
『三大怪獣~』には幼虫モスラがボロボロにやられるシーンがありますが、このとき客席から「モスラ、早うチョウチョになれ!」と必死に応援する子供の声が上がったことを今でもよく覚えています。
あの子は先に『モスラ』を観ていたのでしょうね。
映画館で見た映画の記憶って、こういったノイズも含めて丸ごと刻み込まれているものです。

■ミニチュアが素晴らしい!
『モスラ』ミニチュアセット
ミニチュアセットは実際の東京の街並み写真と見比べながら丹念に組まれたものだそうです。
とある有名映画監督は公開時に東京の映画館で『モスラ』を観たときの思い出話として、見終わって劇場を出た瞬間、目の前に先刻映画の中で幼虫モスラに破壊されていた街並みがそのまま存在していたことに軽いデジャブを味わったと語っておられました。
私は特撮映画全盛期に東京に住んでいた人が本当に羨まくて仕方ありません。

■幼虫モスラのうねうね感が素晴らしい!
『モスラ』幼虫前進
その幼虫モスラは高さ2メートル、全長10メートルの着ぐるみで、内部には8人の俳優やスタッフが節ごとに入っています。
それぞれが息を合わせて歩行するわけですが完璧には動きが合わず、しかしその動きのバラつきがかえって生物らしさを際立たせています。
3年後の『モスラ対ゴジラ』ではここまでの着ぐるみは作られず、動く全身像はリモコンで動く自走式ミニチュアになってしまいました。
それで動きが直線的になってしまい一部タイヤが見えてしまう部分もあったりして生物感は失われていました。
(それでも平成『ゴジラvsモスラ』の猪突猛進する幼虫に比べれば100倍マシですが・・・)

■スッポンの善ちゃん(フランキー堺さん)のユーモアセンスが素晴らしい!
『モスラ』すっぽんの善ちゃん
報道シャットダウンの場所に忍び込んだり、数人のチンピラをポイポイ投げ飛ばしたり、崩落する橋から間一髪赤ちゃんを助け出すヒーロー的活躍を見せたりと、普通なら「主人公贔屓」とか「ご都合主義」と揶揄されそうな場面でも「善ちゃんなら全然OK!」と思えてしまいます。

『モスラ』善ちゃんとネルソン
ネルソンさえ彼と一緒にいるときは間抜けな奴に見えてしまうから不思議です。
これが人徳ってやつでしょうか?。

■花村女史(香川京子さん)の笑顔が素晴らしい!
『モスラ』花村ミチ
あのいたずらっぽい笑顔を高画質で拝めるだけでも元を取った気になります。
「最近のギロチンは音がしませんのよ」と出来る子アピールしておきながら、ラストでは感動(あるいは緊張)のあまり写真を撮り忘れるという大チョンボ。
でも、結果的には最後の美味しいところを全部かっさらっていきました。

現在も気品とオーラが全く衰えていない香川京子さん。
いつまでもお元気で映画やドラマに出ていただきたいです。

■小美人(ザ・ピーナッツ)の妖精感が素晴らしい!
『モスラ』小美人
双子の方たちには失礼に当たる発言かも知れませんがどうかご容赦願います。
日常生活の中で、本当にソックリな一卵性双生児を見たとき、「え?、あの二人双子?」と思わず二度見してしまうことってありませんか?。
モスラという神秘的存在に対する巫女のような存在に双子の小人という設定を持ち込んだセンスが本当に素晴らしいと思います。
平成以後のモスラ登場作品では小美人ペアは全て別の個体でした。
この『モスラ』の直接の続編とされる『ゴジラ・モスラ・メカゴジラ 東京SOS』に登場した小美人は本作の二人と同個体という設定だったはずなのにやはり別人。
せめて双子の女優を起用して欲しかったです。

■ネルソンの嫌らしい笑いが鬱陶しい・・・じゃなくてこれはこれで素晴らしい!
『モスラ』ネルソン笑い
ニタ~ッと口の端を捻じ曲げるジェリー伊藤さんの典型的悪人笑いが印象深いキャラクターです。
しかし、ジェリーさんご本人はとても人懐っこくてユーモラスな方だったそうで、映画の中では敵対関係になる小泉博さんとも本当はとても仲が良かったそうです。

■古関裕而先生の楽曲が素晴らしい!
『モスラ』ラストシーン
古関先生は本来オペラをやりたがっていた方だそうです。
映画音楽を担当するときもただ場面を盛り上げるだけでなく、音楽全体を聴くことによって物語を反芻出来るようなサウンドトラックになるよう心掛けていらしたのでしょう。
初公開時に冒頭に序曲が奏でられたのもその現れだと思います。

■カツラが取れても素晴らしい!(笑)
『モスラ』慌てて拾う
インファント島民のダンサーのカツラが取れてしまうカットもよく見えます(笑)。
わずか1秒ほどの出来事ですが、カットが変わる直前で男性ダンサーが外れたカツラを慌てて拾い上げています。
本多監督が撮影や編集中にこれに気付いていなかったとは考えにくいのですが、どうしてこのハプニングをあえて本編に残たのか不思議です。

実は私、『モスラ』は'85年にレーザーディスクが発売されたときに買って何度も繰り返し観ていて、このハプニングには当時既に気付いておりました。
37年前は何かのノイズかと思ってコマ送りで見返してやっと何が起こっていたか分かりましたが、今回は4Kの高解像度とリマスター効果のせいか特に目を凝らさなくてもカツラが落ちる瞬間がスッと目に飛び込んできました。
それでも全ダンサーがうろたえることなく演技を続けていたことには感心してしまいます。

そういえば、数年前『ゴジラ』一作目が4Kリマスター化されたとき、高精細化の反作用で新聞記事のアップに「エロ本の・・・」という余計な文字までハッキリ見えてしまった弊害がありました。
今回のカツラもあれに近い気がします。

「午前十時の映画祭2022」空の大怪獣ラドン
昨年の「午前十時の映画祭」で一番客入りが多かったのは『モスラ』だったそうです。
そのためか、今年の「午前十時の映画祭」では年末に『空の大怪獣ラドン』がラインナップされています。
『ラドン』は以前日本映画専門チャンネルで放送されたHDリマスター版がとても綺麗だったんですが、今度の4Kリマスター版『ラドン』はあれ以上の画質で楽しませてくれるに違いないと今から楽しみにしています。
4K解像度とハイコントラストで見るメガヌロンはさぞ不気味なことでしょう(笑)。


<(_ _)>
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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