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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2022.3/21~2022.3/27)

CATEGORY映画全般
トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

20220327 「週刊映画鑑賞記」トップ画像
今週は肩がこらないアニメばかり3本チョイスしました。
ここんとこ陰鬱なニュースが多いため浮世の憂さを忘れたくなったんですが、昔の作品ならともかく最近のアニメではそうもいかないみたいです。



3/21(月)
『どうぶつ宝島』
(ホームシアター:東映チャンネル録画)
『どうぶつ宝島』ポスター画像
東映チャンネルさんがまた良い仕事してくれました。
2月の『長靴をはいた猫』に続き、3月は『どうぶつ宝島』4Kリマスター版の放送です。
大好きなんですよね、このアニメ。

『どうぶつ宝島』出航
何度見てもジムの出航シーンは心が弾みます。
ポンポンポンポンという小気味良いエンジン音に乗せて始まる歌がまた楽しい。
♪ちっちゃいちっちゃいちっちゃいちっちゃい船だって~
♪おっきいおっきいおっきいおっきい夢乗せて~

『どうぶつ宝島』波
ゆるやかで且つダイナミックなこの波の動き!。
後に『アルプスの少女ハイジ』を手掛ける小田部羊一さんの作画ですが、小田部さんはこのシーンを描くため毎日海辺に行って研究し、線の動きで波を表現することに成功したそうです。

宮崎駿監督は後年「小田部さんは今でもあの波しか描けない」とバカにしたような言い方をしてましたが、自身の初監督作『未来少年コナン』で描いていた波はどう見ても『どうぶつ宝島』の波と同じものでした。
なんだかんだ言いながらも良いものはちゃっかり取り込んでいたのですね(笑)。

『どうぶつ宝島』湖の中にお宝
『どうぶつ宝島』は東映動画時代の宮崎カラーが確立した作品です。
『カリオストロの城』が評価され始めた頃、宮崎監督は「あれは東映動画時代にやってたことの棚ざらえでしかないんです」と自嘲気味に語っていました。
その言葉を踏まえながら見ると、確かに『カリ城』の原型と呼べるアクションやアイデアが満載されています。

『どうぶつ宝島』高いところ
宮崎駿さんが関わった作品のうち『長猫』『ど宝』『カリ城』と2本の『パンダコパンダ』が私にとってのトップ5です。
ただ、『長猫』と『ど宝』はまだ映画館では見たこと無いためなんとかその機会がないものかと思ってます。
来年の「午前十時の映画祭」で上映してくれませんかねえ。

『どうぶつ宝島』シルバー
池田宏監督は当初「シリアス路線」で考えていたそうです。
大航海時代には「軍隊」のようにこき使われ、平和な世の中になると今度は「略奪者」として征伐の対象にされた海賊たちの悲哀と怒りを描きたかったということでしょうか?。
しかし企画が進むにつれ、キャラクターを動物に置き換えて「明るく楽しいまんが映画」路線でいくと決まったため実現しなかったそうです。
シリアス路線の『太陽の王子ホルスの大冒険』の興行的失敗と『長靴をはいた猫』の好評がそうさせたのかも知れません。

『どうぶつ宝島』拉致
しかし、子供向けのまんが映画でありながらも子供拉致→人身売買といった非人道的犯罪をさらっと描いていたりします。
しかも、海賊も中買人もそれを悪いことととは微塵も思っていません。
森康二さんの可愛らしい絵柄に目を奪われがちですが、これは池田監督がこっそり紛れ込ませた毒なのかも知れません。



3/23(水)
『魔犬ライナー0011(ゼロゼロワンワン)変身せよ!』🈠
(ホームシアター:東映チャンネル録画)
『魔犬ライナー0011変身せよ!』ポスター画像
今まで全く知らなかった作品ですが意外に好評らしいので見てみることにしました。
上映時間は55分と短めなので、夜遅くの帰宅後でも寝落ちの心配は無さそうです(笑)。

漫画『魔犬五郎』
原作者は『新造人間キャシャーン』や『タイムボカン』シリーズの監督を務めたタツノコプロの笹川ひろし監督。
笹川さんが漫画家時代に描いた『魔犬五郎』という作品が元になっていますが、笹川さんは当時すでにタツノコプロ社員だったためこのアニメには参加していません。

『魔犬ライナー』自動運転
コスト制限によるせいか当時のTVアニメと同レベルの動きしかありませんが、内容は意外にしっかりSFしています。
例えば、冒頭から「自動運転が一般化した未来世界」がきちんと描かれています。
自動運転エリアから手動に切り替えるシーンもあり、『マジンガーZ』と同じ時代に作られたアニメにしてはSF考証とか未来予測がかなりしっかりしている印象でした。

東映まんがまつり昭47年夏
このアニメが制作された昭和47年は『仮面ライダー』の影響による「変身」ブームの真っただ中でした。
公開時は東映まんがまつりの一つで、同時上映は『仮面ライダー対じごく大使』にTVブローアップ版の『超人バロム1』『変身忍者嵐』と変身ものづくしです。

『魔犬ライナー』変身!
もちろん本作のモチーフも「変身!」。
作中では子犬の一匹がライダーの変身ポーズをとる場面もありました。

『魔犬ライナー』サイボーグ犬
また、石森章太郎先生の『サイボーグ009』も意識しているのか、犬たちの能力も透視力(003)、変身能力(007)、熱線放射(006)など00ナンバーサイボーグの能力と同じものになっていました
タイトルも『魔犬五郎』から仮面ライダーと語呂が似ている『魔犬ライナー』に変更されて、さらに「0011(ゼロゼロワンワン)」と付け加えられています。

『魔犬ライナー』タイトルバック
オープニングタイトルも、いかにも70年代っぽいサイケデリックな背景に怪獣のシルエット。
そしてそこにスタッフ・キャスト名が載るという、まるで『ウルトラマンA』のオープニングみたいなデザインになっています。

『魔犬ライナー』遊星爆弾?
後半「おや?」と目が止まったこの画面。
敵宇宙人の「爆破した月の破片を地球に落として人類を滅ぼす作戦」のイメージシーンですが、これがどう見ても『宇宙戦艦ヤマト』の遊星爆弾なんですよね。
『魔犬ライナー』は昭和47年7月公開、対して『宇宙戦艦ヤマト』は2年後の昭和49年10月放送開始。
このイメージは『ライナー』のほうが遥かに先だったことになります。

『魔犬ライナー』目の下のクマ
ところで、見ていて終始気になって仕方なかった部分がありました。
最初から最後まで全てのカットで描き込まれている主人公ツトムくんの目の下のクマです(笑)。
ツトムくん、どう見ても小学生なのに何をそんなに疲れているのでしょう?。
もしかして春の目覚め・・・?。



3/25(金)
『ミラベルと魔法だらけの家』🈠
(ホームシアター:ディズニープラス)
『ミラベルと魔法だらけの家』ポスター画像
今時の作品らしく「マイノリティ肯定」「自分探し」「家族」といったテーマが詰め込まれていて正直見ていてしんどかったです。
魔法の家と家族がどうして力を失ったのかがハッキリせず、また、明確な原因とか敵といったものが描かれていないため見終わってもスッキリしません。
一人だけ魔法が使えないミラベルを心の中で蔑んだり哀れんだりしていた家族の心こそが異常事態の原因であり、家族全員が心ひとつになってそれらを乗り越えるというお話だったのだろうとは理解出来ます。
でも、それが絵として表現出来ていないためカタルシスが無く、腑にも落ちないのです。

『ミラベルと魔法だらけの家』ミラベル
心になにかしらのコンプレックスを抱えている人向けのアニメだった気がします。
例えば、この春受験に失敗した浪人生とその家族が見たら少しは元気が出るかも知れません。
いや・・・身につまされ過ぎて余計に落ち込むかも?。

ディズニープラス トップ画面
そういえば、ずいぶん久し振りにディズニーアニメを見た気がします。
せっかくディズニープラスに入会しているというのに私は『スター・ウォーズ』系のドラマ(『マンダロリアン』『ボバ・フェット』)くらいしか見てませんでした。
なんて勿体ない!。
もっともディズニー好きな妻がしょっちゅう見ているらしいので料金の元は十分取れてますけどね(笑)。
私としては5月から始まる『オビ・ワン・ケノービ』が楽しみなくらいかな。



ところで・・・
大阪・関西万博キャラクター
これ、先日発表された2025年大阪・関西万博のキャラクターなんですが・・・。

ドルゲの怪人かと思った!

再考の余地ありじゃないですかね?。


<(_ _)>
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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COMMENTS

4 Comments

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ゾンビマン  

毎度です。

万博キャラ。
私はそのバロムワンの悪のエージェントみたいなデザインが好きで(笑)・・・。
「どうせ関西万博なんて関東の人間は興味ないやろ?」と言いたげにケツまくってる感じが最高です(爆汗)・・・。

2022/03/27 (Sun) 22:12 | EDIT | REPLY |   

トガジン  

ヒャクメルゲ、百目タイタン、妖怪百目、etc・・・

ゾンビマン さん、コメントありがとうございます。

スマート過ぎて全然印象に残ってない東京オリンピックのキャラと較べたら確かにインパクトは凄いですよね。
「え?なにコレ!?」と一瞬思考停止させられましたから(笑)。

でもやっぱり目がいっぱい付いている(しかも全部同じ方向を見ていない)奴って悪役とか妖怪のイメージに直結するんですよね。
この感覚って日本人だけのものなんでしょうか?。

2022/03/28 (Mon) 12:32 | EDIT | REPLY |   

へろん  

『魔犬ライナー0011』、タイトルからして『サイボーグ009』を彷彿とさせますね。『009』ではたしか9人脱走後もブラックゴースト団内ではサイボーグが作られていて、0011(ゼロゼロイレブン)が登場していた記憶があります。そのワンちゃん版で「ゼロゼロワンワン」……今だったら『009』とのコラボも面白いかも……??

しかし月の破片を落下させるシーン、私も遊星爆弾にしか見えませんでした。

2025年万博、1970年の大阪万博に思い入れが強い私としては別物であることは理解しつつも期待しているのですが、あのロゴ、このキャラはいささか残念です。目玉が多い、あるいはでかいのは世界的に見ても化け物、妖怪の類が多いのに……。

2022/03/29 (Tue) 06:57 | EDIT | REPLY |   

トガジン  

『009』と犬といえば・・・

へろんさん、コメントありがとうございます。

>ゼロゼロワンワン

「009と犬」と聞くと、私はクビクロの話を思い出しますね。
クビクロはサイボーグではなく炎を操る超能力犬で、親犬と飼い主を轢き逃げした人間に復讐する話だったと思います。
ラスト、クビクロの最期を看取ったジョーの「神様、どうしてこんな悪戯をなさるんですか!?」という叫びが痛々しくて、小学生の時初めて読んで以来忘れられない一遍です。

あれを思えば『魔犬ライナー0011(ゼロゼロワンワン)』はかなり能天気なアニメでした(笑)。

>あのロゴ、このキャラ

インパクトの強さは確かに絶大ですが、あれを着ぐるみ化して会場の子供たちと触れ合う場面ってどうしても想像し出来ないんですよね。
今の子供たちは「グロかわいい」とか言って平気で近づけるのですかねえ?。
僕らが子供の頃ヒーローショーで怪人が出てきたら、泣くか、逃げるか、ライダーを呼ぶか、あるいはキックや体当たりかますかのいずれかでした(笑)。

2022/03/29 (Tue) 12:00 | EDIT | REPLY |   

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