旧TVアニメ版『うる星やつら』トガジン的ベスト10
CATEGORYアニメ:ア行
トガジンです。
まもなく『うる星やつら』リメイク版アニメが始まります。
私も原作漫画や旧アニメ版にどっぷりハマったクチなので内心楽しみにしている一人です。
そこで!。

’81年秋から’86年春にかけて放映された旧作TVアニメの中から、自分の記憶に残る作品ベスト10を選んでみました。
これはあくまで私の記憶に今もしっかり残っている作品の中から選んだ10本ですので、「なんでアレが入っていないんだ?」といった抗議はどうかお控え願います。
放送終了から36年経った今でも鮮明に覚えているからこそ「マイベスト」と呼ぶ価値があると思っています。
【押井守チーフディレクター時代】

押井監督時代の『うる星やつら』は、原作に忠実なものよりもオリジナルエピソードや原作を大幅にアレンジした回のほうが強く記憶に残っています。
特に脚本家:伊藤和典さんと組むようになってからの作品群は、当時8ミリやビデオを使って自主映画作りに夢中になっていた私には刺さる作品が多かったです。
初期の『うる星やつら』はそれなりに高視聴率を取ってはいましたが、押井氏やアニメーターたちがやり過ぎてしまった部分も多くスポンサーやフジ上層部からしょっちゅう叱られながら作っていたそうです。
そのため、番組改変期が近づくたびにいつ「打ち切り」になるか分からず、期末ごとに最終回っぽいタイトルを用意していました。
傑作と呼ばれる「君去りし後」や「さよならの季節」もそんな状況から生まれた作品です。
また、押井監督時代は制作体制が脆弱だったため、春の劇場版(『オンリー・ユー』『ビューティフル・ドリーマー』)制作時期にはスタッフが足りなくなってしまい、作画レベルが酷く落ちたり再編集ものが続くことが多かったです。
特に『ビューティフル・ドリーマー』制作時の’84年春頃は「ああ、また総集編か~。」と毎週ガッカリしながらも見ていた覚えがあります。
第10回「ときめきの聖夜(前後編)」(1981年12月23日放送)

放送開始から約1クール後の回ですが、私が初めて「アニメの『うる星やつら』おもしれ~!」と思った作品です。
原作ではメガネは最初の数回で消えてしまったキャラクターでしたが、アニメ版では千葉繁さんの熱演によって異常なまでのラムへの愛とあたるへの歪んだ羨望を胸に秘める男としてがっちりレギュラーの座を掴み取りました。
アニメに限らず、本当にキャラクターというのは生き物なのですね。

『うる星やつら』最初の2クールは15分づつの前後パートに分かれていました。
この回は両パートを通して一つのストーリーを描いた最初のエピソードです。
「ときめきの聖夜」の好評を受けてか、春からは1話につき1エピソードの番組形態に変わります。
第43回「ニャオンの恐怖」(1982年9月22日放送)

十数ページしかない原作漫画をダイナミックかつ緻密に膨らませながらも一切水増し感を感じさせない伊藤和典氏の脚本。
出崎統監督のあの独特な演出をコピーしながらも、決して中途半端なパロディでは終わらせない「最後までやり切った」演出。
オチは原作と同じでしたが、そこに至るまでの充実感は実に濃厚でありました。
第44回「君去りし後」(1982年10月13日)

最終回直前の視聴者投票でも一位を取った誰もが認める名作エピソード。
これを入れるのはちょっと気恥ずかしくて今度のランキングからはあえて外そうかとも思いましたが、やっぱり良いものは良いということで入れときます。

これが放送されたのは、’82年秋の改変期でした。
前述した通り、初期の『うる星やつら』はいつ打ち切りにされてもおかしくない状況だったため、改変の時期には突然打ち切り勧告を受けても最終回として通用するエピソードを配置していました。
『君去りし後』も実はそんな作品の一つだったそうです。
結果的にTVアニメ版『うる星やつら』屈指の傑作エピソードとなりましたが、それはスタッフやキャストの覚悟のようなものが作品にパワーを与えたせいかも知れません。
第53回「決死の亜空間アルバイト」(1982年12月25日放送)

前半は不気味な異次元世界を彷徨うあたるの道程が描かれます。
この不思議なイメージには、なんとなく宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』に似たものを感じます。

後半はうって変わって肌色多めなお色気カットのつるべ撃ち!。
志願して『うる星やつら』に参加したというアニメーター西島克彦氏が、ラムや弁天やお雪さんなど宇宙系女性キャラのヌードを魂込めて描いてます。
1本で二度美味しい回として今でもよく覚えています。
第64回「さよならの季節」(1983年3月23日放送)

今回のベスト10は順不同で書いてますが、あえて一番を選べと言われたら私は迷わずこの「さよならの季節」を推します。
あたるの中途半端な決意表明が「ラムと別れるのか?」という誤解を生み、友引高校のみならず他校の生徒まで巻き込んだ友引町全体を揺るがす大騒動に発展!。

そして、自分にチャンスが回って来たと早合点したメガネは命を賭しての大暴走!。
千葉繁さんの怪演に25分間圧倒されっぱなしです。
第75回「そして誰もいなくなったっちゃ!?」(1983年7月6日放送)

完全オリジナルストーリー。
アガサ・クリスティの名作ミステリー「そして誰もいなくなった」をベースに『うる星やつら』の面々があたるを罠にかけて追い詰めていきます。

ラムが死んだと思ったあたるのリアクションを見たときには背筋がゾクリときました。
作画も凄く丁寧で、やまざきかずお作画監督はその後『ビューティフル・ドリーマー』の作画監督を担当した後、2代目チーフ・ディレクターに就任することになります。
第77回「ダーリンが死んじゃう!?」(1983年7月20日放送)

ランちゃんが大食いのレイのために作った胃の中で100倍に膨らむケーキを食べてしまったあたるは生死の境を彷徨うことに・・・。

解毒剤を持つランを探してラムが不思議な世界を彷徨い歩く中で登場する子連れ狼風のキャラが秀逸過ぎました。
「其処許に尋ねたい。全く動かない時計と1日1分だけ遅れる時計では一体どちらが良い時計であろうか?」
この答えを求めて、拝一刀もどきの父親と顔がデカい巨大五郎はこの冥府魔道を彷徨い続けているのでした。
「ああっ分からぬ、いかようにしても分かり申さぬ!。・・・行くぞ巨大五郎。」
「チャン!」
お話としては全然他愛ないものですが、この場面とセリフは今でも時々思い出して笑ってしまいます。
私、変ですかね?。
第78回 「みじめ! 愛とさすらいの母!」(1983年7月27日放送)

劇場版『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の原型と言われる回ですが、私は放送当時リアルタイムで見ることが出来ませんでした。
当日はバイトで夜遅くまで外出していたのですが、丁度『うる星やつら』の時間帯に停電が起きたとかでビデオ録画されていなかったのです。
その停電の理由というのが、当時住んでたアパートの住人の誰かが電気を使い過ぎてブレーカーが落ちたためでした。
バカヤロー!。

「みじめ! 愛とさすらいの母!」の放映時は夏休みでしたが、私は帰省せずに大阪に残ってアルバイトに励みつつ数人の仲間たちと自主映画作りに励んでおりました。
この奇妙な回は大学の仲間たちの間でも評判になtりましたが、私は停電のせいで見ていなかったため、彼らの話題に入っていけず悔しい思いをしたものでした。
結局、私が「みじめ! 愛とさすらいの母!」を見ることが出来たのは夏休みが明けてからです。
録画ビデオを持っていた友人にテープを借りてようやく見ることが出来ましたが、この奇妙な作品が劇場版第2作の原型になるとはそれこそ夢にも思っていませんでした。
内容の不可思議さと録画出来なかったトラブルとの両方で強く記憶に残っている回です。
【やまざきかずおチーフディレクター時代】

やまざきかずお監督時代の『うる星やつら』は出来るだけ原作に忠実に、そして丁寧な作画で作っています。
それはそれで良いのですが、チーフ脚本家が伊藤和典氏のときと違って30分のアニメに引き延ばすため原作を水増しして間延びさせてしまっている事が多かったです。
そのため、ギャグが説明っぽくなってしまったりテンポも悪くなりました。
でも、時々とんでもなく面白い回が出てくることがあるため油断は出来ませんでした。
ヨロイ娘の水乃小路飛鳥とかしのぶに恋する子ギツネの話などは、何度も繰り返し登場させることでキャラクターの面白みがじわじわ定着して独自の世界観に繋がっていたと思います。
ただ、その飛鳥や子ギツネのエピソードの中でどれが一番印象強いか?と問われても、どれも一緒に思えてしまうのが残念です。
そのため今回飛鳥ものや子ギツネものはどれもランクインさせていません(汗)。
第107回「異次元空間 ダーリンはどこだっちゃ!?」

やまざき監督の第一作。
ラムが多様な異世界を彷徨い続けるお話で、今風に言えば「マルチバース」ものです。

1話の鬼ごっこであたるが負けて地球が鬼星に支配されている世界。
ラムがあたるとではなく面堂と結婚している世界。
全員性別が逆転している世界。
そして、優しくて理想的なあたるがいる世界。

その優しいあたるに背を向けて、ラムはいつも通りの軽薄なあたるが居る世界に戻ってきます。
でもやっぱりどこか違うような・・・?。
これまでの押井版『うる星』を継承しつつも、自分なりのちょっと違う『うる星やつら』を作っていきたいというやまざき監督の意志表明作品です。
第157回「ダーリンのやさしさが好きだっちゃ…」

原作漫画版「最後のデート」も最後にホロリとさせられる傑作でした。
アニメ版は若干の水増し感や間延びしたところがあるものの、あたるの最後のセリフをほんの少し変更したことで原作以上に良い作品になりました。

原作のラストのあたるのセリフは「幽霊の夢壊しちゃかわいそうだもんな」だったのに対し、アニメ版では「幽霊の」をカットして「夢壊しちゃ可哀そうだからな」に変えていました。

セリフをたった一言変えただけで、あたるがのぞみちゃんのことを幽霊としてではなく、一人の女の子として接していたという印象に変わったのです。
これにより、あたるの株が爆上がりしました。
【番外】
あと、決して面白かったというわけではない(笑)のですが、特別な思い出がある回を一つ。
第2回「宇宙ゆうびんテンちゃん到着!/つばめさんとペンギンさん」(1981年10月21日放送)

高2の秋、修学旅行先(九州)のホテルのロビーの大きなテレビでクラスメート全員で見ました。
つばめが巨大化したままオチも付けずに放ったらかしで終わったことに、「なんやこれ?」「いやこれが面白い」とクラスのみんなでワイワイ言い合ってました(笑)。
ああ、懐かしい・・・。
【関西では放送されなかった回】
『うる星やつら』旧アニメ版は毎週ほぼ欠かさず見てましたが、結局一度も見ることが出来なかった回もいくつかあります。
放映当時、我が家には既にビデオはありましたが、家族旅行のとき録画予約しておくのを忘れてしまったり、しっかり予約しておいたのに母親が掃除のときにコンセントを抜いてしまったため予約が消えてしまった等の失敗や事故がその原因でした。
しかし、驚くべき理由で見られなかった回がひとつだけありました。
第177回「星に願いを!あたる一家は欲望パニック」(1985年10月16日放送)

1985年といえば阪神タイガースが21年ぶりのリーグ優勝と初の日本一になった年です。
私自身は中日ファンなのですが、当時は大阪に住んでいたためいやがおうにも阪神ファンの熱気に飲み込まれておりました。
(それはこの年の中日が激弱だったせいでもあるのですが・・・)

1985年10月16日。
この日、関西テレビは阪神優勝決定の生中継を優先して『うる星やつら』の放送をすっ飛ばしてしまいました。
バイトから帰ってビデオを再生してみたら、同じトラ縞でもラムちゃんではなく阪神のユニフォームが映っていてビックリ!。
「まあ、大阪だからしょうがないな~」と笑うしかありませんでした。
それにしても関西テレビさん、スポンサー対応とかは大丈夫だったのでしょうか?。

いよいよ10月13日(水)より、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」でリメイク版『うる星やつら』が放送開始となります。
でも、残念なことに福井のフジ系列局には「ノイタミナ枠」がありません。
公式HPには「ノイタミナ”ほか”にて放送」とあったので、BSフジでも放送してくれれば見られるのですがね。
<(_ _)>
おぢさんの思い出話にお付き合いいただきありがとうございました。
【9/29追記】
本日、公式HPで放送&配信情報が解禁されていました。
私の場合、Amazon Prime Videoとディズニープラスで見放題出来るようです。
ひとまず安心。
とりあえず第1話は絶対見ます。
まもなく『うる星やつら』リメイク版アニメが始まります。
私も原作漫画や旧アニメ版にどっぷりハマったクチなので内心楽しみにしている一人です。
そこで!。

’81年秋から’86年春にかけて放映された旧作TVアニメの中から、自分の記憶に残る作品ベスト10を選んでみました。
これはあくまで私の記憶に今もしっかり残っている作品の中から選んだ10本ですので、「なんでアレが入っていないんだ?」といった抗議はどうかお控え願います。
放送終了から36年経った今でも鮮明に覚えているからこそ「マイベスト」と呼ぶ価値があると思っています。
【押井守チーフディレクター時代】

押井監督時代の『うる星やつら』は、原作に忠実なものよりもオリジナルエピソードや原作を大幅にアレンジした回のほうが強く記憶に残っています。
特に脚本家:伊藤和典さんと組むようになってからの作品群は、当時8ミリやビデオを使って自主映画作りに夢中になっていた私には刺さる作品が多かったです。
初期の『うる星やつら』はそれなりに高視聴率を取ってはいましたが、押井氏やアニメーターたちがやり過ぎてしまった部分も多くスポンサーやフジ上層部からしょっちゅう叱られながら作っていたそうです。
そのため、番組改変期が近づくたびにいつ「打ち切り」になるか分からず、期末ごとに最終回っぽいタイトルを用意していました。
傑作と呼ばれる「君去りし後」や「さよならの季節」もそんな状況から生まれた作品です。
また、押井監督時代は制作体制が脆弱だったため、春の劇場版(『オンリー・ユー』『ビューティフル・ドリーマー』)制作時期にはスタッフが足りなくなってしまい、作画レベルが酷く落ちたり再編集ものが続くことが多かったです。
特に『ビューティフル・ドリーマー』制作時の’84年春頃は「ああ、また総集編か~。」と毎週ガッカリしながらも見ていた覚えがあります。
第10回「ときめきの聖夜(前後編)」(1981年12月23日放送)

放送開始から約1クール後の回ですが、私が初めて「アニメの『うる星やつら』おもしれ~!」と思った作品です。
原作ではメガネは最初の数回で消えてしまったキャラクターでしたが、アニメ版では千葉繁さんの熱演によって異常なまでのラムへの愛とあたるへの歪んだ羨望を胸に秘める男としてがっちりレギュラーの座を掴み取りました。
アニメに限らず、本当にキャラクターというのは生き物なのですね。

『うる星やつら』最初の2クールは15分づつの前後パートに分かれていました。
この回は両パートを通して一つのストーリーを描いた最初のエピソードです。
「ときめきの聖夜」の好評を受けてか、春からは1話につき1エピソードの番組形態に変わります。
第43回「ニャオンの恐怖」(1982年9月22日放送)


十数ページしかない原作漫画をダイナミックかつ緻密に膨らませながらも一切水増し感を感じさせない伊藤和典氏の脚本。
出崎統監督のあの独特な演出をコピーしながらも、決して中途半端なパロディでは終わらせない「最後までやり切った」演出。
オチは原作と同じでしたが、そこに至るまでの充実感は実に濃厚でありました。
第44回「君去りし後」(1982年10月13日)

最終回直前の視聴者投票でも一位を取った誰もが認める名作エピソード。
これを入れるのはちょっと気恥ずかしくて今度のランキングからはあえて外そうかとも思いましたが、やっぱり良いものは良いということで入れときます。

これが放送されたのは、’82年秋の改変期でした。
前述した通り、初期の『うる星やつら』はいつ打ち切りにされてもおかしくない状況だったため、改変の時期には突然打ち切り勧告を受けても最終回として通用するエピソードを配置していました。
『君去りし後』も実はそんな作品の一つだったそうです。
結果的にTVアニメ版『うる星やつら』屈指の傑作エピソードとなりましたが、それはスタッフやキャストの覚悟のようなものが作品にパワーを与えたせいかも知れません。
第53回「決死の亜空間アルバイト」(1982年12月25日放送)


前半は不気味な異次元世界を彷徨うあたるの道程が描かれます。
この不思議なイメージには、なんとなく宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』に似たものを感じます。

後半はうって変わって肌色多めなお色気カットのつるべ撃ち!。
志願して『うる星やつら』に参加したというアニメーター西島克彦氏が、ラムや弁天やお雪さんなど宇宙系女性キャラのヌードを魂込めて描いてます。
1本で二度美味しい回として今でもよく覚えています。
第64回「さよならの季節」(1983年3月23日放送)

今回のベスト10は順不同で書いてますが、あえて一番を選べと言われたら私は迷わずこの「さよならの季節」を推します。
あたるの中途半端な決意表明が「ラムと別れるのか?」という誤解を生み、友引高校のみならず他校の生徒まで巻き込んだ友引町全体を揺るがす大騒動に発展!。

そして、自分にチャンスが回って来たと早合点したメガネは命を賭しての大暴走!。
千葉繁さんの怪演に25分間圧倒されっぱなしです。
第75回「そして誰もいなくなったっちゃ!?」(1983年7月6日放送)

完全オリジナルストーリー。
アガサ・クリスティの名作ミステリー「そして誰もいなくなった」をベースに『うる星やつら』の面々があたるを罠にかけて追い詰めていきます。

ラムが死んだと思ったあたるのリアクションを見たときには背筋がゾクリときました。
作画も凄く丁寧で、やまざきかずお作画監督はその後『ビューティフル・ドリーマー』の作画監督を担当した後、2代目チーフ・ディレクターに就任することになります。
第77回「ダーリンが死んじゃう!?」(1983年7月20日放送)

ランちゃんが大食いのレイのために作った胃の中で100倍に膨らむケーキを食べてしまったあたるは生死の境を彷徨うことに・・・。

解毒剤を持つランを探してラムが不思議な世界を彷徨い歩く中で登場する子連れ狼風のキャラが秀逸過ぎました。
「其処許に尋ねたい。全く動かない時計と1日1分だけ遅れる時計では一体どちらが良い時計であろうか?」
この答えを求めて、拝一刀もどきの父親と顔がデカい巨大五郎はこの冥府魔道を彷徨い続けているのでした。
「ああっ分からぬ、いかようにしても分かり申さぬ!。・・・行くぞ巨大五郎。」
「チャン!」
お話としては全然他愛ないものですが、この場面とセリフは今でも時々思い出して笑ってしまいます。
私、変ですかね?。
第78回 「みじめ! 愛とさすらいの母!」(1983年7月27日放送)

劇場版『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の原型と言われる回ですが、私は放送当時リアルタイムで見ることが出来ませんでした。
当日はバイトで夜遅くまで外出していたのですが、丁度『うる星やつら』の時間帯に停電が起きたとかでビデオ録画されていなかったのです。
その停電の理由というのが、当時住んでたアパートの住人の誰かが電気を使い過ぎてブレーカーが落ちたためでした。
バカヤロー!。

「みじめ! 愛とさすらいの母!」の放映時は夏休みでしたが、私は帰省せずに大阪に残ってアルバイトに励みつつ数人の仲間たちと自主映画作りに励んでおりました。
この奇妙な回は大学の仲間たちの間でも評判になtりましたが、私は停電のせいで見ていなかったため、彼らの話題に入っていけず悔しい思いをしたものでした。
結局、私が「みじめ! 愛とさすらいの母!」を見ることが出来たのは夏休みが明けてからです。
録画ビデオを持っていた友人にテープを借りてようやく見ることが出来ましたが、この奇妙な作品が劇場版第2作の原型になるとはそれこそ夢にも思っていませんでした。
内容の不可思議さと録画出来なかったトラブルとの両方で強く記憶に残っている回です。
【やまざきかずおチーフディレクター時代】

やまざきかずお監督時代の『うる星やつら』は出来るだけ原作に忠実に、そして丁寧な作画で作っています。
それはそれで良いのですが、チーフ脚本家が伊藤和典氏のときと違って30分のアニメに引き延ばすため原作を水増しして間延びさせてしまっている事が多かったです。
そのため、ギャグが説明っぽくなってしまったりテンポも悪くなりました。
でも、時々とんでもなく面白い回が出てくることがあるため油断は出来ませんでした。
ヨロイ娘の水乃小路飛鳥とかしのぶに恋する子ギツネの話などは、何度も繰り返し登場させることでキャラクターの面白みがじわじわ定着して独自の世界観に繋がっていたと思います。
ただ、その飛鳥や子ギツネのエピソードの中でどれが一番印象強いか?と問われても、どれも一緒に思えてしまうのが残念です。
そのため今回飛鳥ものや子ギツネものはどれもランクインさせていません(汗)。
第107回「異次元空間 ダーリンはどこだっちゃ!?」

やまざき監督の第一作。
ラムが多様な異世界を彷徨い続けるお話で、今風に言えば「マルチバース」ものです。

1話の鬼ごっこであたるが負けて地球が鬼星に支配されている世界。
ラムがあたるとではなく面堂と結婚している世界。
全員性別が逆転している世界。
そして、優しくて理想的なあたるがいる世界。

その優しいあたるに背を向けて、ラムはいつも通りの軽薄なあたるが居る世界に戻ってきます。
でもやっぱりどこか違うような・・・?。
これまでの押井版『うる星』を継承しつつも、自分なりのちょっと違う『うる星やつら』を作っていきたいというやまざき監督の意志表明作品です。
第157回「ダーリンのやさしさが好きだっちゃ…」

原作漫画版「最後のデート」も最後にホロリとさせられる傑作でした。
アニメ版は若干の水増し感や間延びしたところがあるものの、あたるの最後のセリフをほんの少し変更したことで原作以上に良い作品になりました。

原作のラストのあたるのセリフは「幽霊の夢壊しちゃかわいそうだもんな」だったのに対し、アニメ版では「幽霊の」をカットして「夢壊しちゃ可哀そうだからな」に変えていました。

セリフをたった一言変えただけで、あたるがのぞみちゃんのことを幽霊としてではなく、一人の女の子として接していたという印象に変わったのです。
これにより、あたるの株が爆上がりしました。
【番外】
あと、決して面白かったというわけではない(笑)のですが、特別な思い出がある回を一つ。
第2回「宇宙ゆうびんテンちゃん到着!/つばめさんとペンギンさん」(1981年10月21日放送)

高2の秋、修学旅行先(九州)のホテルのロビーの大きなテレビでクラスメート全員で見ました。
つばめが巨大化したままオチも付けずに放ったらかしで終わったことに、「なんやこれ?」「いやこれが面白い」とクラスのみんなでワイワイ言い合ってました(笑)。
ああ、懐かしい・・・。
【関西では放送されなかった回】
『うる星やつら』旧アニメ版は毎週ほぼ欠かさず見てましたが、結局一度も見ることが出来なかった回もいくつかあります。
放映当時、我が家には既にビデオはありましたが、家族旅行のとき録画予約しておくのを忘れてしまったり、しっかり予約しておいたのに母親が掃除のときにコンセントを抜いてしまったため予約が消えてしまった等の失敗や事故がその原因でした。
しかし、驚くべき理由で見られなかった回がひとつだけありました。
第177回「星に願いを!あたる一家は欲望パニック」(1985年10月16日放送)

1985年といえば阪神タイガースが21年ぶりのリーグ優勝と初の日本一になった年です。
私自身は中日ファンなのですが、当時は大阪に住んでいたためいやがおうにも阪神ファンの熱気に飲み込まれておりました。
(それはこの年の中日が激弱だったせいでもあるのですが・・・)

1985年10月16日。
この日、関西テレビは阪神優勝決定の生中継を優先して『うる星やつら』の放送をすっ飛ばしてしまいました。
バイトから帰ってビデオを再生してみたら、同じトラ縞でもラムちゃんではなく阪神のユニフォームが映っていてビックリ!。
「まあ、大阪だからしょうがないな~」と笑うしかありませんでした。
それにしても関西テレビさん、スポンサー対応とかは大丈夫だったのでしょうか?。

いよいよ10月13日(水)より、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」でリメイク版『うる星やつら』が放送開始となります。
でも、残念なことに福井のフジ系列局には「ノイタミナ枠」がありません。
公式HPには「ノイタミナ”ほか”にて放送」とあったので、BSフジでも放送してくれれば見られるのですがね。
<(_ _)>
おぢさんの思い出話にお付き合いいただきありがとうございました。
【9/29追記】
本日、公式HPで放送&配信情報が解禁されていました。
私の場合、Amazon Prime Videoとディズニープラスで見放題出来るようです。
ひとまず安心。
とりあえず第1話は絶対見ます。
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