週刊映画鑑賞記(2022.4/4~2021.4/10)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

週の前半はキャンディーズの記事を書くのに時間を費やしておりました。
そのため、今週は東映チャンネルで録画した昭和40年代の劇場用『サイボーグ009』2作品のみです。
4/18(金)
『サイボーグ009』4Kリマスター版
(ホームシアター:東映チャンネル録画)

このところ昔の劇場用アニメを相次いで4Kリマスター化して放送くれている東映チャンネルさん。
今月は『サイボーグ009』特集でした。
ちょうどテレビで『ウルトラマン』が始まったのと同じ時期、1966年7月に公開された映画です。
劇場では東宝が『サンダ対ガイラ』『南海の大決闘』、大映は『大魔神』シリーズに『ガメラ対バルゴン』、そして東映も『海底大戦争』『黄金バット』と、世はまさに怪獣ブームの真っただ中でした。

009の基本設定とデザインが原作から大幅に変更されています。
原作では少年院から脱走した不良少年だったのが少年レーサーに変更されました。
この設定変更は子供向けアニメにするために仕方なかったことと思います。
デザイン面では両目が見えて一人だけ白いユニフォームは赤いマフラーをなびかせてます。
主人公キャラとして目立たせるための措置だとは思いますが、原作の石森章太郎先生はこの変更にかなり不服だったそうです。

紅一点の003のみピンクの服で青いスカーフを付けてますが、009と003以外のメンバーは全員紫の服にマフラー無しで統一されました。
個性派揃いのチームドラマとしての面白味は失われましたが、尺がたった64分しか無いため主人公一人を前面に押し出すしかなかったのだと思われます。

ただ、009が他の00ナンバーサイボーグを手下のように命令口調でコキ使っていることにはかなり違和感がありました。
改造人間にされてしまった悲哀はほぼ皆無で、やたらと好戦的な009になっています。
これでは石森先生が怒るのも無理はありません。

この映画で一番印象に残るのは、途中ブラックゴーストに拉致されて脳改造されてしまった003のこの顔です(汗)。
まるで悪魔のように肌は紫色になり、目が吊り上がって口も耳まで裂けています。
芹川監督、003に対して愛情が薄すぎやしませんか?。

このアニメ、よほど予算が無かったのかアニメーターが足りなかったのかは分かりませんが、劇場用作品でありながらコストダウンが物凄いことになってます。
例えばギルモア博士が009に状況説明するこのセル画ですが、背景とセリフを変えて本編中に3回も出てきました。
同じセル画を何度も使い回すのは『鉄腕アトム以来低予算アニメの常套手段ですが、64分の劇場用映画でこれをやられてしまうとかなりツライです。
4/19(土)
『サイボーグ009 怪獣戦争』4Kリマスター版
(ホームシアター:東映チャンネル録画)

前作から約9ヶ月後の68年3月公開作品。
こちらはちょうど『ウルトラマン』が終わった頃ですね(笑)。
実はこの映画は私が最初に接した『サイボーグ009』作品です。
その出会いはスクリーンでした。
といっても、映画館に連れて行ってもらったのではありません。
小2か小3の夏休みに大人たちが招いた移動映画館が街の文化施設でこの映画を上映してくれたのです。
ただ、告知の回覧板にはポスターやチラシのような絵は無く、藁半紙にガリ版刷りで「●月●日●●時よりM町福祉センターにて『サイボーグ009 怪獣戦争』上映!」と文字で書かれていただけでした。
そのためどんな怪獣映画なのか全く分からず、親たちに訊いても「内容は知らん」と誰も答えてはくれず、大人たちも内容は知らない様子でした。
それでも、私の周囲にはテレビでしか怪獣ものを見たことが無い子がほとんどで、彼らは皆「きっとゴジラかガメラのどれかだろう」と当日までかなり楽しみにしていました。
私が住んでいた街には映画館が無く、映画を観るには福井市まで足を延ばす必要がありました。
しかし、当時の田舎の家々にはわざわざ遠出までして映画を観に行く家は少なかったのです。
私は幸運にも映画好きの祖母が休みのたびに映画館に連れて行ってもらっていましたが、その私も『サイボーグ009 怪獣戦争』というタイトルには心当たりがありませんでした。
そもそも、当時の私は『サイボーグ009』自体を知らなかったのでそれは当然のことだったのですが、それでも「怪獣博士」を自認していた私にはかなり悔しいことでありました(笑)。
そして上映当日。
会場に集まった友達は皆、入り口に貼られたポスターを見てひどくガッカリした声を上げました。
「なんだマンガかぁ・・・」
私が小学生だった昭和40年代には、実写特撮が”本物”でマンガ映画(アニメ)は”まがいもの”というイメージがあったように思います。
初めて本物の怪獣映画を大画面で見られると期待していた彼らがガッカリしたのは当然と言えば当然でした。
それでも、上映が始まると私は夢中になってこの映画に見入っておりました。
その数年後、私は本屋で原作『サイボーグ009』を全巻立ち読み(笑)してその世界観の深さに心酔し、石森章太郎先生の作品群を(立ち読みで)次々と読破したことは言うまでもありません。
今回はそんな幼い頃の思い出に浸りながら見ておりました。

♪赤いマフラーなびかせて
♪すすめサイボーグ 我らの勇士
前作では挿入歌として使われていたこの歌がこの2作目では主題歌に格上げされました。
個人的には第2期TVアニメのオープニング「誰がために」にも負けないカッコ良い歌だと思っていて、オープニングからいきなり気分が盛り上がります。
映像は『ウルトラマン』を意識したかのような影絵を使ったもので、この頃の円谷特撮がいかにエポックメーキングな存在だったかが伺えます。

今作のゲストヒロインはブラックゴースト10番目のサイボーグ:ヘレナ。
声優はアニメファンには『ホルスの大冒険』のヒルダでおなじみ市原悦子さんが担当されていて、普段の儚げな声と009に対峙するサイボーグ0010としての声の使い分けが絶妙でした。
最初のうちは「ちぇっゴジラが見れると思ったのに」とブーブー言っていた連中も、ヘレナが登場したあたりから真剣に見入っていたように思います。

ヘレナの最期がまた感動的でした。
009たちの心意気に打たれたヘレナはブラックゴーストを裏切って009を助け、最後には00ナンバーサイボーグを救うため命を捨てて電磁牢のスイッチを解除します。
今の子供たちは鼻で笑うかも知れませんが、昭和のガキんちょにはあの場面がとてつもなく美しいものに見えました。
それに、作画もヘレナの登場カットは作画に異常に気合が入っていました(笑)。
画面に紗をかけたような美しい絵作りがなされており、動きもしなやかで結構な動画枚数を使っていたように感じます。
007との掛け合い漫才シーンばかりだった003とは扱いが雲泥の差でした。

東映チャンネルでは白黒版TVシリーズも5月3日から毎週2話づつ放送してくれるとのことです。
実は私、白黒版『009』は今まで一度も見たことが無いのです。
放映当時、福井にはまだ民放局が日テレ系の一つしかなかったため『009』は放映されず、また白黒番組のため再放送されることも無かったのです。
傑作と誉れ高い「Xの挑戦」「太平洋の亡霊」「「平和の戦士は死なず」をついに見られるとは!。
東映チャンネルさん、最高の誕生月プレゼントをありがとう!。
(あ、私5月生まれです)
『カムカム』ロス・・・

『エール』以来久々にどハマりしたNHK朝ドラ『カムカムエブリバディ』が終わってしまいました。
私の推し女優である上白石萌音さんが主演というだけで見始めたドラマでしたが、上白石さんのパートが娘:るいとの辛い別れで終わったところで「安子とるいの再会と和解を見るまでは止められない!」と見続けておりました。

最終回にはるいと安子が和解し、母・娘・孫の三世代揃って笑顔で終わってくれると信じて見ていたので安心・納得の終幕でした。
三人揃って「おいしゅうなあれ」と鍋に向かって唱えるところなど、私が想像していたそのまんまの画で思わず鳥肌が立ちました。
朝ドラに後味の悪い終わり方は不要です。
仕事に出る前に嫌~な気分になんてなりたくないですから。
このドラマは毎日15分づつ意外な展開に驚いたり感動しながら見続けて、次の回や以後の展開を自分なりに予想する楽しみに満ちたドラマでした。
この半年間、毎日味わったあの楽しさは録画や総集編では決して再現出来ないものだったと思っています。
ああ、明日からはもう『カムカム』見られないのかぁ。
ともあれ、脚本の藤本有紀さんをはじめスタッフの皆さんと全ての出演者さん。
半年間、毎朝楽しませてくれたことに心より感謝いたします。
最後に、まったく脈絡なくて恐縮ですが・・・。

こちらは4月7日に職場近くで撮影した桜です。
季節ものということでブログに貼って残すことにしました。
<(_ _)>
今週もお付き合いいただきありがとうございました。