週刊映画鑑賞記(2022.5/23~2022.5/29)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
ここ最近、映画館も衛星放送も昔の特撮作品がいっぱいで喜ばしい限りです。
映画館では現在『シン・ウルトラマン』が絶賛上映中。
WOWOWは『ゴジラvsコング』初放送に合わせて和洋のキングコング関連映画を大量放送。
さらに『妖怪大戦争ガーディアンズ』放送を記念して大映の旧妖怪シリーズ3作品も一挙放送。
そして、日本映画+時代劇4Kチャンネルでは大魔神三部作をピュア4Kで3週連続放送。
(さらに6月初頭には『フランケンシュタイン対地底怪獣』も!)

そのうち今週見たのはこの4本。
なぜか昔のキングコング映画にハマってました(笑)。

あと、これら以外に日曜に録画した4K放送版『大魔神』も途中まで観たのですが・・・。

開始から23分あたりで突然「ピーンピーン」と警告音が鳴り、「緊急地震速報」が入ってしまいました。
ここで鑑賞を一時中断して録画映像を確認してみたところ、映像・音声共に地震速報がしっかり記録されてしまっていました。
残念ながらこれでは保存用ディスクには値しません。
6月中旬に再放送があるとのことなので、その時こそは何事もなく放送(&録画)出来ることを願います。
5/23(月)
『キング・コング』(1933年版)
(ホームシアター:WOWOW録画)

WOWOWでは『ゴジラvsコング』放送に先立ち新旧のゴジラ&コング映画を片っ端から放送していて、その中から1933年公開の初代『キング・コング』を視聴しました。
昔の映画って極力無駄が削ぎ落とされていて異様にテンポが早く「あれよあれよ」と乗せられてしまうんですよね。

コマ撮りアニメで作られた巨大生物と実写俳優との合成が実に巧みです。
実写の人物が一瞬物陰に隠れた次の瞬間人形に切り替わってコングの手に掴まれているなど、実写と特撮とのコンビネーションや編集の巧みさには何度見ても感心してしまいます。
ハリーハウンゼンや円谷英二の偉大さも、この『キング・コング』があればこそなのです。

ピーター・ジャクソン監督は、2005年のリメイク版の最後にこの映画の作り手であるメリアン・クーパー、アーネスト・シュードサック、ウィリス・オブライエンたちに最大級の謝辞を捧げています。
円谷特撮で育った我々日本の特撮ファンも、ピーター・ジャクソン監督と同じ気持ちで『キング・コング』を鑑賞すべきと思います。

ヒロインを助けて最後は嫁さんにしてしまう船員のジャック・ドリスコル。
演じているブルース・キャボットさんって、表情のニヒルさや声の感じがなんだかハリソン・フォードによく似てるんですよね。
・・・あ、逆でした。
ハリソン・フォードが演じたハン・ソロやインディ・ジョーンズが、33年版『コング』のジャック・ドリスコルによく似ているのです。
最初は女の前でカッコつけてるとことか、それでいて公認の仲になってからはデレデレになるとことか、あと肝心な時にノビてしまって使えないってとこも(笑)。
ブルース・キャボットさんはその後は西部劇で活躍されたそうです。
そういえばハン・ソロの初登場シーンも西部劇風でした。
ジョージ・ルーカスが『キング・コング』を見ていないはずはありません。
ハン・ソロの原点は33年版『キング・コング』のジャック・ドリスコルだったのかも?。
ところで・・・。

実は私、このオリジナル版『キング・コング』は映画館の大スクリーンで観たことがありません。
いつか「午前十時の映画祭」のラインナップに加えていただきたい作品の一つです。
5/24(火)
『キングコング』(1976年版)
(ホームシアター:WOWOW録画)

私が最初にアメリカ映画の監督名を意識したのは、小6の時に観たこの『キングコング』のジョン・ギラーミン監督でした。
連れて行ってくれた伯父が買ってくれたパンフレットに監督やスタッフ・キャストが紹介されていて、その中でとてつもなく凄い人として書かれていたのです。
そのため、当時の私は単純に「この人が今アメリカ映画界で一番偉い人なんだ」と思い込んでしまいました。
確かにTV放映で見た『タワーリング・インフェルノ』は本当に面白かったし、『ナイル殺人事件』のときも「監督:ジョン・ギラーミン」とあるだけで信頼して見に行きました。
(ちなみに私が初めて映画館で観た洋画はスティーブン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』でしたが、そのときはパンフを買ってもらえなかったこともあって監督の名前なんて知ろうとも思わなかったです。)
初めて見たときは怪獣映画として素直に面白かったです。
いや、今見てもそれほど不満は感じません。
世間的には低評価らしいですが、言われるほど駄目なリメイクでは無いと思っています。

ドワン(ジェシカ・ラング)の髪や服を乾かそうとコングが大きく頬をふくらませてふーっと息を吹きかけるところは今でも好きな場面です。
今は亡き世界貿易センタービルを島の風景に見立ててクライマックスに持っていくのも上手いと思いますし、ジョン・バリー氏の音楽は恐怖を煽るばかりでなくコングの優しさと一途さも巧みに表現していて見終わった後の余韻が心地よいです。
不満があるとすれば、ポスターに描かれていたジェット戦闘機と戦うシーンが無かったことくらいですかね(笑)。
5/25(水)
『キングコング2』
(ホームシアター:WOWOW録画)

・・・で、翌日はその続編を観てました(笑)。
初見は大学3年の年末、大阪難波の劇場でした。
いや、正確には当時観たのは最初の数分だけで後半は完全に寝てました。
どういうことかと言いますと・・・。
その日は大学の友達数人とミナミで夜遅くまで飲んでいたんですが、調子に乗ってうっかり終電を逃してしまったのです。
真冬なので野宿するわけにもいかず、どこかの建物内で始発まで時間を潰さなければならなくなりました。
そこで、難波の南街会館(現在のTOHOシネマズなんば)のオールナイト上映館に入って朝まで映画を観ながら過ごすことにしました。
当時は一度入場料を払えば一晩中何回でも見ていられたのです。
その時私が選んだのがこの『キングコング2』でした。
酔っぱらっていても怪獣映画を選んでしまうところが実に私らしいです(笑)。

実際には酔っぱらってる上にひどく眠かったためストーリーなんて全然頭に入ってこなかったのですけど、前年『ターミネーター』でブレークしたリンダ・ハミルトンが出ていたことだけはちゃんと認識してました。

そんなわけで今回が事実上の初鑑賞みたいなものでしたが、いやはや突っ込みどころが満載でした(笑)。
一番のポイントは「10年前に貿易センタービルの屋上から転落死したはずのコングをどうやって蘇らせるのか?。」でした。
実はコングは昏睡状態に陥っただけで死んではいなかったのです。
そして偶然発見された同種族のメスの血液を輸血することで人工心臓移植手術に成功し復活しました。
・・・って、あれ?。
「実は死んでいませんでした」って、そのネタ前にもどこかで見たような?。

それは『宇宙戦艦ヤマト 完結編』の沖田艦長でした!。
無理矢理再登場させたというのに結局また死んでしまうところまで一緒です(笑)。
そうか~『コング2』の元ネタは『ヤマト完結編』だったのか!。

ストーリーも映像も前作比7割減くらいのC級映画でしたが、監督はなんと前作と同じジョン・ギラーミン監督でした。
『ナイル殺人事件』以後なぜかハリウッドから干されてしまったギラーミン監督。
当時彼の身に何があったのでしょうか?。
さすがに巨大ゴリラには飽きてしまいました(笑)。
コッテリした洋食が続くと今度はサッパリした和食が食べたくなるように、次は日本のお化け映画を観ることにしました。
5/27(金)
『東海道お化け道中』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)

WOWOWではキング・コング映画の他に大映の旧・妖怪シリーズ3作品も放送してました。
そのうち『妖怪大戦争』と『妖怪百物語』は何度か見ていて内容も覚えているのですが、この『東海道お化け道中』だけどうしてもストーリーが思い出せません。
それで見始めてみたところ、なんと私としたことが今回が初見だったことが分かりました。
三部作ということで「これも観たはずだ」と思い込んでいただけだったようです。
あやうくこの映画を見ないまま人生を終えてしまうところでした(笑)。

『大戦争』『百物語』に比べると妖怪の出番は少なめです。
悪党の秘密を知ってしまった幼い女の子を守って旅する心優しい渡世人(本郷功次郎)という股旅ものがベースになっていて、そこに住処を荒らされて怒った妖怪たちが絡んで結果的に女の子たちを助けることになるお話です。
ぶっちゃけ「これ、別に妖怪いらなくね?」とも思いましたが(汗)、女の子が可愛いので問題無しとします(笑)。
特筆すべきは、音楽担当があの渡辺宙明先生であることです。
旅のシーンの旋律の中に『キカイダー』っぽいメロディが聴き取れたときは思わず顔がニヤけてしまいました。
7月以降も特撮映画の4K放送は続きます。
中でも特筆すべきはこちら!。

WOWOWは7月29日、金子修介監督の平成『ガメラ』三部作4K版を一挙放送!!!。
平成『ガメラ』三部作は以前4Kリマスター版UHD-BDが発売されたばかりで、ドルビーシネマでの再上映もされました。
今回の放送はその4Kマスターが元になっていると考えられます。
もちろん通常2K版も3作とも後日放送してくれますが、そちらもおそらく4Kリマスター版からのダウンコンバート版と思われますので、過去にBS放送で録画したものや現在レンタルで借りられる旧マスター版より格段に画質向上しているはずです。

そして日本映画専門チャンネル系ではあの『マタンゴ』を4Kリマスター版で放送。
4Kチャンネルの日本映画+時代劇4Kchではもちろんピュア4K放送。
BSの日本映画専門チャンネルでも2Kダウンコンバート版が同時放映されることになっています。
ここ2~3年、昭和・平成のアナログ特撮が急速に4K化されつつあり、(有料とはいえ)衛星放送で見られるうえに録画保存まで出来るようになってきました。
アナログ特撮大好きおぢさんとしては嬉しい限りであります。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。