この夏一番の思い出 ~オール福井ロケ映画にエキストラ出演しました!~
CATEGORYエキストラ
トガジンです。

この夏、7月から8月にかけて福井県が舞台の映画の撮影がこの福井の地で行われました。
正式なタイトルや出演者はまだ非公開ですが、福井県出身の齊藤勇起監督のオリジナル脚本による映画(第1回監督作品)で、来年全国劇場公開予定の本格サスペンスドラマとのことです。
8月末にはクランクアップしているはずなので、記憶が色褪せないうちにブログ記事としてまとめさせていただきます。
本当は8月末頃にはアップするつもりだったのですが、今回のロケ現場の一部が8月初旬に発生した豪雨被害地のすぐ近くだったため、被災者の皆さんのお気持ちを鑑みて今まで自粛しておりました。
しかし、これ以上時間が経ってしまうと楽しかった撮影の記憶や大勢のエキストラ仲間との思い出が色褪せてしまいそうな気がして、季節が変わる前に公開することにしました。
なお、本記事で使用しているロケ現場の写真は映画撮影時に撮ったものではありません。
ブログ用に後日改めて現地へ行って撮影したものです。
もちろん、内容や出演者について明記はしていません。

私が初めてこの映画について知ったのは6月上旬のことでした。
知り合いの映画館関係者から福井で映画出演者のオーディションが行われるという話を聞いたのです。
主役級にはもちろん有名な俳優を起用していますが、その他の小さな役は地元の俳優志望者からオーディションで選ぶようです。
プロの俳優を大勢雇うお金が無いというのが本当のところかも知れませんが、これはこれで面白い試みだと思います。
もしかすると、映画の中でネイティブ福井弁がいっぱい聴けるかも知れません(笑)。
【野次馬と刑事】
俳優オーディションには都合が合わず参加出来ませんでしたが、一般のエキストラ募集にはしっかり応募しておりました。

そして7月18日(月曜)のロケに当選!。
場所は通称”片町”と呼ばれる福井市内の繁華街。
時間は夜6時半集合で、撮影開始は陽が落ちてから。
私の役は、事件現場の前を通りがかったサラリーマンでした。

集合場所は同繁華街にあるこの公園です。
担当者に自分の名前を告げた後、抗原検査を受けさせられました。

幸い私は陰性でしたが、この数日前に仕事で陽性感染者と一緒だったことから「濃厚接触者」呼ばわりされたばかりだったため内心では少しドキドキしておりました。

私は通りすがりの野次馬サラリーマン役とのことだったので自前のスーツ姿で参加しました。
ただ、スーツとは言っても実は黒いズボンに黒ブレザーという「なんちゃってスーツ」です。
もちろん、前夜には本物のスーツを引っ張り出してきて用意したんですが、しばらく着ない間にお腹のあたりがパッツンパッツン状態になっていて上下とも着られなくなってしまっていたのです(恥)。

撮影現場は繁華街のなかのこの黄土色の建物とその周辺の道路でした。
この建物内の店で何か事件が発生して警察が踏み込んでいるというシーンです。
私の役は警官が通行規制している現場前を通ろうとするサラリーマンの役で、制止する刑事や警官に「うちの会社すぐそこなんや!。」「ちょっとくらいいいやろ、通らせろ!。」などと怒鳴っておりました。
こうした演技やセリフは具体的に指示を受けたものではありません。
監督さんから「この状況を見て自分なりに設定を考えて演じて欲しい」と言われてその場で考えたアドリブです。

カメラは建物の2階からこのようなアングルで撮っていたため、私も大勢の野次馬の一人として埋もれてしまうものと思っていましたが、不良役の一人が私の目の前を走って逃げるのに出くわして「うわっ、なんやコイツ?」と驚くという、なかなか美味しいポジションにありつきました。
その不良役の若い俳優さんは前述の県内オーディションで選ばれた10代の少年だったそうです。

この日は野次馬サラリーマン役だけで終わるはずだったのが、一応スーツ姿だったためか助監督さんから「刑事役が足りないので最後のカットでは刑事役をお願いします」と急に言われて、階段の踊り場で店の女の子に事情聴取する刑事役を演じることになりました。
ついさっきまで警官に対していちゃもんつけていた通行人が別のカットでは刑事になってるわけで「ホントにいいんか?。」と戸惑いましたが、この時のカメラアングルから考えると私は多分後姿しか映っていないと思います。
参加者は地元の人たちだけでなく、他県からもエキストラを趣味とする人たちが大勢集まってきていました。
私は名古屋から来ていた経験豊富な年配の方と親しくなって、お互いにこれまで参加した作品のことなどを話したり、現場では上司と部下という設定でコンビを組んで演技してました。
また、待ち時間のとき一人の男性から「前にどこかでお会いしましたよね?」と声をかけられました。
その人はなんと、5月21日の『ヴィレッジ』(藤井道人監督作品)京都ロケでご一緒した滋賀県の人でした。
初めてお会いした人ともすぐに打ち解け合って映画やエキストラ体験の話で盛り上がれる。
そして、他の現場でお会いした方との思いがけない再会。
これらもエキストラ出演の楽しみの一つなのです。
集合から解散まで実質5時間程度ではありましたが、本当に楽しくて忘れられない体験の一つとなりました。
・・・と、しばらく余韻に浸っていたら、なんと後日再び当選通知が!?。
【殺人課の刑事】

今度の集合は7月23日土曜日早朝。
現場は北陸自動車道今庄ICの近くで、我が家からだと高速使っても1時間くらいかかる距離です。
距離はともかくとして、その日の天気予報で雨マークが出ていたのが気になりました。
現場が川の近くらしいので、雨で水かさが増していると最悪の場合「中止」ということもあり得ます。
でも、せっかく当選出来たのですから行かない手はありません。

この日も受付後すぐ抗体検査を受けさせられました。
もちろん私は陰性で問題無しです。

この日の内容は丹南地域を流れる日野川で遺体が発見されて刑事たちが捜査にやって来るというシーンです。
私の役はその刑事の一人でした。
驚いたことに、月曜日に再会した滋賀県の方がこの日も刑事役で参加されていました。
あと、制服警官役の一人は東京から前泊で来ていたそうで、前の日は一乗滝(佐々木小次郎がツバメ返しを編み出したと言われる場所)を見てきて「靄がかかっていて最高の雰囲気でしたよ」と喜んでおられました。
福井の人間としてなんだか嬉しかったです。

私は川辺の鑑識課から得た情報を河原にいる相棒に連絡する刑事役で、その相棒役が先日再会した滋賀県の人でした。
お互いに(声は使われませんが)それらしいセリフと動きを考えて自分たちなりに演じました。

ところが、天気の不安が的中し、途中から小雨交じりの中での撮影となってしまいました。
本番中は傘や合羽は使えないためどうしても髪や服が濡れてしまいます。
私たち男性はまだ構いませんが、見物人役の中には小さなお子さんや小中学生もいて可哀そうでした。
また、途中雨が強くなった時にはエキストラ全員が橋の下に避難して雨が止むのをじっと待ちました。
このときは、撮影時には離れた場所にいる見物人役や制服警官役の人たちとも話が出来てむしろ楽しかったです。
本職の俳優さんたちが合流するとカメラはそちらに集中するようになり、私たちエキストラの出番は無くなりました。
途中雨で30分ほど中断したものの、ほぼ予定通り午前中で終了しました。
【夏祭りを楽しむおっさん】
「2度あることは3度ある」とか申します。
23日の参加分で終わりかと思いきや、なんと3回目の当選メールが届きました。
流石は地元ロケ作品だけあって今までになく当選率が高いです(笑)。

この日の撮影は総勢250人のエキストラを集めて夏祭りのシーンを撮るとのことでした。
大人数の中でどれだけ画面に映ることが出来るか分かりませんがとりあえず参加することにしました。

お祭りシーンなので、服装は明るめの半袖ダンガリーシャツにベージュの綿パン、肩からはタオルをかけて日中は団扇でパタパタ仰いでおりました。
前の2回がスーツ姿だったのでこれならたぶん別人に見えるでしょう(笑)。

当日はこの小さな公園に夜店やイベントステージが設置されていて、まるで本当のお祭り会場のようになっていました。
今回の撮影は人数が多いため無理に映ろうとは考えず、この場の雰囲気に馴染んで画面の一部になれればそれでいいと考えておりました。
ただ、募集人数は250人だったはずが実際に集まったのは100人程度でした。
人数を多く見せかけるため助監督さんから「あなたたちはこっちで買い物」「あなたはここから向こうへゆっくり歩いて」などと指示を受けて、画面内を横切ったり俳優さんの奥に見切れたりして画面の密度を上げておりました。
あと、この日は思いがけない出会いが今まで以上に多かったです。
まず、駐車場から集合場所へ移動するとき「京都から来た」というご夫婦とご一緒したのですが、そのご主人はなんと18日の繁華街での撮影時にも参加されていた方で、しかも私が「通らせろ!」といちゃもんをつけた刑事役の人でした(笑)。
「えっ?、あのときの刑事さんでしたか!?」とお互いに笑ってしまいましたが、実はその方とのご縁はそれだけではありませんでした。
色々話をしているうち、なんと5月21日京都亀岡市での『ヴィレッジ』(藤井道人監督)の現場でもご一緒していたことが分かったのです。
その時の私は報道班でご主人は警官役だったため現地での接点は無かったのですが、「警官役のエキストラの中から遺体発見者の役をその場でオーディションして決めていた」とか「ベテラン俳優のNさんの存在感が半端なかった」とか「最後は翌日撮影するシーンのリハーサルに参加して終わった」といった共通の思い出話がいっぱい出てきて本当に楽しくて嬉しかったです。
また、そのご主人の友達という方も京都からわざわざ浴衣姿で来ていて夏祭りの雰囲気タップリでした(笑)。
しかも、この方も18日の繁華街のシーンに参加していて、私が野次馬サラリーマン役からいきなり刑事役に昇格させられたことを覚えていてくれました。
こうして奥さんも含めた4人で意気投合し、この日の撮影は4人一緒に行動して楽しく過ごさせていただきました。
皆さん京都の人なので、いつかきっとどこかの現場でまたお会いすることがあると思います。
あと、ステージイベントの女性司会者役の子が、どういうわけか私がいつもお世話になっている仕事先の会社の女の子でした(驚)。
最初はまさかその子が出ているとは思いもよらなかったため気付かなかったのですが、「●●さん!」と名前を呼ばれて「え・・・?、Sさん?」とその子だと理解するまでに数秒を要しました(笑)。
私もビックリしましたが、Sさんも私がエキストラ出演を趣味にしていることは知らなかったためかなり驚いたとのことでした。
Sさんは最初に書いたセリフのある俳優オーディションに応募していてイベント司会者の役をもらったのだそうです。
もちろん、翌週は職場で彼女と映画ロケの話で盛り上がったことは言うまでもありません。

この日のロケは主演俳優のKさんが参加する重要な場面とのことでしたが、Kさんが祭り会場に居るシーンはごく僅かで、主役級の俳優さんたちはほとんど祭り会場の奥のベンチに座って会話するシーンを撮影していました。
おそらく、夏祭りというシチュエーションは彼らの会話シーンの背景としてだけ扱われていたように思います。
撮影は「夜10時には終了」のはずだったのが、実際に終わったのはなんと日付が変わって午前2時半でした!。
せっかく浴衣を着て参加していた子供たちも21時には帰ってしまって会場内はひどく淋しくなっていました。
俳優さんたちの撮影を(演技のテンションを保つために)順撮りしていて時間がかかってしまい、その間我々エキストラは放ったらかしにされていました。
そして最後にKさんが祭り会場を去るシーンをエキストラを背景に撮るためだけにずっと待たされていたのです。
このときばかりはスタッフの段取りの悪さにイラッときましたが、撮影終了後最後まで残ったエキストラ数十名を前に主演のKさんが直接お礼の挨拶をしてくれたことで多少は気持ちが収まりました。
京都から来ていた皆さんは翌日仕事があるとのことで、その時間(2時半)から車で帰っていきました。
無事に帰宅出来たことを祈るばかりです。

貰った記念品は3回とも同じ物で、やたら紐の長いロゴ入りバッグでした。
3回目は辞退しようかとも思いましたが、こうしてブログのネタくらいにはなるだろうと考えて貰っておきました(笑)。
ちなみに、バッグに書かれているタイトルはまだ仮題です。
【豪雨災害】
8月上旬には日本各地で豪雨災害が発生しましたが、我が福井県にも8月4日(木)から5日(金)にかけて線状降水帯が襲来し大変な大雨になりました。
私の住む地域では幸い大きな被害は無かったですが、この大雨は奥越地方や丹南地区に多大な被害をもたらしました。

特に今庄地区南越前町では2日間で例年の8月の総降水量の2倍の雨が降ったそうです。
そのため、南越前町の一部では床上浸水や土砂崩れで大変な状況となり、水道やガスなどの生活インフラが失われ電車や各種道路も寸断されてしまいました。
そして、この南越前町というのは7月23日のロケが行われたあの河川敷のすぐ近くなのです。

当日はこの場所で殺人事件の捜査が行われる場面を撮影したのですが、被災時はここも濁流で大変なことになっていたことと思います。
あの日のエキストラ参加者の中には「家はすぐそこ」と笑いながら言っていた近所の人も何人かいらっしゃいました。
あの人たちの安否が心配で、後日現地へ取材に行くことになったマスコミ関係の友人に「もし時間があればあの河川敷周辺を見てきて欲しい」と頼んでみました。
その友人曰く、豪雨のために交通・電気・水道が麻痺状態になったのはもっと上流のほうだったそうで、あの辺りは川の水こそ確かにひどく汚れていたものの周辺の村には特に被害は無かったとのことでした。
ということは、あのとき撮影でご一緒した地元の皆さんは全員ご無事ということです。
本当になによりでした。

福井出身の監督さんが福井を舞台に福井の人材を使って作るこの映画。
公開は2023年の年末予定とのことです。
ぜひ全国の皆さんに劇場でご覧になっていただきたいです。
そして、この作品をきっかけにこれから福井での映画製作が活発になることを期待しています。
<(_ _)>
ローカル話に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

この夏、7月から8月にかけて福井県が舞台の映画の撮影がこの福井の地で行われました。
正式なタイトルや出演者はまだ非公開ですが、福井県出身の齊藤勇起監督のオリジナル脚本による映画(第1回監督作品)で、来年全国劇場公開予定の本格サスペンスドラマとのことです。
8月末にはクランクアップしているはずなので、記憶が色褪せないうちにブログ記事としてまとめさせていただきます。
本当は8月末頃にはアップするつもりだったのですが、今回のロケ現場の一部が8月初旬に発生した豪雨被害地のすぐ近くだったため、被災者の皆さんのお気持ちを鑑みて今まで自粛しておりました。
しかし、これ以上時間が経ってしまうと楽しかった撮影の記憶や大勢のエキストラ仲間との思い出が色褪せてしまいそうな気がして、季節が変わる前に公開することにしました。
なお、本記事で使用しているロケ現場の写真は映画撮影時に撮ったものではありません。
ブログ用に後日改めて現地へ行って撮影したものです。
もちろん、内容や出演者について明記はしていません。

私が初めてこの映画について知ったのは6月上旬のことでした。
知り合いの映画館関係者から福井で映画出演者のオーディションが行われるという話を聞いたのです。
主役級にはもちろん有名な俳優を起用していますが、その他の小さな役は地元の俳優志望者からオーディションで選ぶようです。
プロの俳優を大勢雇うお金が無いというのが本当のところかも知れませんが、これはこれで面白い試みだと思います。
もしかすると、映画の中でネイティブ福井弁がいっぱい聴けるかも知れません(笑)。
【野次馬と刑事】
俳優オーディションには都合が合わず参加出来ませんでしたが、一般のエキストラ募集にはしっかり応募しておりました。

そして7月18日(月曜)のロケに当選!。
場所は通称”片町”と呼ばれる福井市内の繁華街。
時間は夜6時半集合で、撮影開始は陽が落ちてから。
私の役は、事件現場の前を通りがかったサラリーマンでした。

集合場所は同繁華街にあるこの公園です。
担当者に自分の名前を告げた後、抗原検査を受けさせられました。

幸い私は陰性でしたが、この数日前に仕事で陽性感染者と一緒だったことから「濃厚接触者」呼ばわりされたばかりだったため内心では少しドキドキしておりました。

私は通りすがりの野次馬サラリーマン役とのことだったので自前のスーツ姿で参加しました。
ただ、スーツとは言っても実は黒いズボンに黒ブレザーという「なんちゃってスーツ」です。
もちろん、前夜には本物のスーツを引っ張り出してきて用意したんですが、しばらく着ない間にお腹のあたりがパッツンパッツン状態になっていて上下とも着られなくなってしまっていたのです(恥)。

撮影現場は繁華街のなかのこの黄土色の建物とその周辺の道路でした。
この建物内の店で何か事件が発生して警察が踏み込んでいるというシーンです。
私の役は警官が通行規制している現場前を通ろうとするサラリーマンの役で、制止する刑事や警官に「うちの会社すぐそこなんや!。」「ちょっとくらいいいやろ、通らせろ!。」などと怒鳴っておりました。
こうした演技やセリフは具体的に指示を受けたものではありません。
監督さんから「この状況を見て自分なりに設定を考えて演じて欲しい」と言われてその場で考えたアドリブです。

カメラは建物の2階からこのようなアングルで撮っていたため、私も大勢の野次馬の一人として埋もれてしまうものと思っていましたが、不良役の一人が私の目の前を走って逃げるのに出くわして「うわっ、なんやコイツ?」と驚くという、なかなか美味しいポジションにありつきました。
その不良役の若い俳優さんは前述の県内オーディションで選ばれた10代の少年だったそうです。

この日は野次馬サラリーマン役だけで終わるはずだったのが、一応スーツ姿だったためか助監督さんから「刑事役が足りないので最後のカットでは刑事役をお願いします」と急に言われて、階段の踊り場で店の女の子に事情聴取する刑事役を演じることになりました。
ついさっきまで警官に対していちゃもんつけていた通行人が別のカットでは刑事になってるわけで「ホントにいいんか?。」と戸惑いましたが、この時のカメラアングルから考えると私は多分後姿しか映っていないと思います。
参加者は地元の人たちだけでなく、他県からもエキストラを趣味とする人たちが大勢集まってきていました。
私は名古屋から来ていた経験豊富な年配の方と親しくなって、お互いにこれまで参加した作品のことなどを話したり、現場では上司と部下という設定でコンビを組んで演技してました。
また、待ち時間のとき一人の男性から「前にどこかでお会いしましたよね?」と声をかけられました。
その人はなんと、5月21日の『ヴィレッジ』(藤井道人監督作品)京都ロケでご一緒した滋賀県の人でした。
初めてお会いした人ともすぐに打ち解け合って映画やエキストラ体験の話で盛り上がれる。
そして、他の現場でお会いした方との思いがけない再会。
これらもエキストラ出演の楽しみの一つなのです。
集合から解散まで実質5時間程度ではありましたが、本当に楽しくて忘れられない体験の一つとなりました。
・・・と、しばらく余韻に浸っていたら、なんと後日再び当選通知が!?。
【殺人課の刑事】

今度の集合は7月23日土曜日早朝。
現場は北陸自動車道今庄ICの近くで、我が家からだと高速使っても1時間くらいかかる距離です。
距離はともかくとして、その日の天気予報で雨マークが出ていたのが気になりました。
現場が川の近くらしいので、雨で水かさが増していると最悪の場合「中止」ということもあり得ます。
でも、せっかく当選出来たのですから行かない手はありません。

この日も受付後すぐ抗体検査を受けさせられました。
もちろん私は陰性で問題無しです。

この日の内容は丹南地域を流れる日野川で遺体が発見されて刑事たちが捜査にやって来るというシーンです。
私の役はその刑事の一人でした。
驚いたことに、月曜日に再会した滋賀県の方がこの日も刑事役で参加されていました。
あと、制服警官役の一人は東京から前泊で来ていたそうで、前の日は一乗滝(佐々木小次郎がツバメ返しを編み出したと言われる場所)を見てきて「靄がかかっていて最高の雰囲気でしたよ」と喜んでおられました。
福井の人間としてなんだか嬉しかったです。

私は川辺の鑑識課から得た情報を河原にいる相棒に連絡する刑事役で、その相棒役が先日再会した滋賀県の人でした。
お互いに(声は使われませんが)それらしいセリフと動きを考えて自分たちなりに演じました。

ところが、天気の不安が的中し、途中から小雨交じりの中での撮影となってしまいました。
本番中は傘や合羽は使えないためどうしても髪や服が濡れてしまいます。
私たち男性はまだ構いませんが、見物人役の中には小さなお子さんや小中学生もいて可哀そうでした。
また、途中雨が強くなった時にはエキストラ全員が橋の下に避難して雨が止むのをじっと待ちました。
このときは、撮影時には離れた場所にいる見物人役や制服警官役の人たちとも話が出来てむしろ楽しかったです。
本職の俳優さんたちが合流するとカメラはそちらに集中するようになり、私たちエキストラの出番は無くなりました。
途中雨で30分ほど中断したものの、ほぼ予定通り午前中で終了しました。
【夏祭りを楽しむおっさん】
「2度あることは3度ある」とか申します。
23日の参加分で終わりかと思いきや、なんと3回目の当選メールが届きました。
流石は地元ロケ作品だけあって今までになく当選率が高いです(笑)。

この日の撮影は総勢250人のエキストラを集めて夏祭りのシーンを撮るとのことでした。
大人数の中でどれだけ画面に映ることが出来るか分かりませんがとりあえず参加することにしました。

お祭りシーンなので、服装は明るめの半袖ダンガリーシャツにベージュの綿パン、肩からはタオルをかけて日中は団扇でパタパタ仰いでおりました。
前の2回がスーツ姿だったのでこれならたぶん別人に見えるでしょう(笑)。

当日はこの小さな公園に夜店やイベントステージが設置されていて、まるで本当のお祭り会場のようになっていました。
今回の撮影は人数が多いため無理に映ろうとは考えず、この場の雰囲気に馴染んで画面の一部になれればそれでいいと考えておりました。
ただ、募集人数は250人だったはずが実際に集まったのは100人程度でした。
人数を多く見せかけるため助監督さんから「あなたたちはこっちで買い物」「あなたはここから向こうへゆっくり歩いて」などと指示を受けて、画面内を横切ったり俳優さんの奥に見切れたりして画面の密度を上げておりました。
あと、この日は思いがけない出会いが今まで以上に多かったです。
まず、駐車場から集合場所へ移動するとき「京都から来た」というご夫婦とご一緒したのですが、そのご主人はなんと18日の繁華街での撮影時にも参加されていた方で、しかも私が「通らせろ!」といちゃもんをつけた刑事役の人でした(笑)。
「えっ?、あのときの刑事さんでしたか!?」とお互いに笑ってしまいましたが、実はその方とのご縁はそれだけではありませんでした。
色々話をしているうち、なんと5月21日京都亀岡市での『ヴィレッジ』(藤井道人監督)の現場でもご一緒していたことが分かったのです。
その時の私は報道班でご主人は警官役だったため現地での接点は無かったのですが、「警官役のエキストラの中から遺体発見者の役をその場でオーディションして決めていた」とか「ベテラン俳優のNさんの存在感が半端なかった」とか「最後は翌日撮影するシーンのリハーサルに参加して終わった」といった共通の思い出話がいっぱい出てきて本当に楽しくて嬉しかったです。
また、そのご主人の友達という方も京都からわざわざ浴衣姿で来ていて夏祭りの雰囲気タップリでした(笑)。
しかも、この方も18日の繁華街のシーンに参加していて、私が野次馬サラリーマン役からいきなり刑事役に昇格させられたことを覚えていてくれました。
こうして奥さんも含めた4人で意気投合し、この日の撮影は4人一緒に行動して楽しく過ごさせていただきました。
皆さん京都の人なので、いつかきっとどこかの現場でまたお会いすることがあると思います。
あと、ステージイベントの女性司会者役の子が、どういうわけか私がいつもお世話になっている仕事先の会社の女の子でした(驚)。
最初はまさかその子が出ているとは思いもよらなかったため気付かなかったのですが、「●●さん!」と名前を呼ばれて「え・・・?、Sさん?」とその子だと理解するまでに数秒を要しました(笑)。
私もビックリしましたが、Sさんも私がエキストラ出演を趣味にしていることは知らなかったためかなり驚いたとのことでした。
Sさんは最初に書いたセリフのある俳優オーディションに応募していてイベント司会者の役をもらったのだそうです。
もちろん、翌週は職場で彼女と映画ロケの話で盛り上がったことは言うまでもありません。

この日のロケは主演俳優のKさんが参加する重要な場面とのことでしたが、Kさんが祭り会場に居るシーンはごく僅かで、主役級の俳優さんたちはほとんど祭り会場の奥のベンチに座って会話するシーンを撮影していました。
おそらく、夏祭りというシチュエーションは彼らの会話シーンの背景としてだけ扱われていたように思います。
撮影は「夜10時には終了」のはずだったのが、実際に終わったのはなんと日付が変わって午前2時半でした!。
せっかく浴衣を着て参加していた子供たちも21時には帰ってしまって会場内はひどく淋しくなっていました。
俳優さんたちの撮影を(演技のテンションを保つために)順撮りしていて時間がかかってしまい、その間我々エキストラは放ったらかしにされていました。
そして最後にKさんが祭り会場を去るシーンをエキストラを背景に撮るためだけにずっと待たされていたのです。
このときばかりはスタッフの段取りの悪さにイラッときましたが、撮影終了後最後まで残ったエキストラ数十名を前に主演のKさんが直接お礼の挨拶をしてくれたことで多少は気持ちが収まりました。
京都から来ていた皆さんは翌日仕事があるとのことで、その時間(2時半)から車で帰っていきました。
無事に帰宅出来たことを祈るばかりです。

貰った記念品は3回とも同じ物で、やたら紐の長いロゴ入りバッグでした。
3回目は辞退しようかとも思いましたが、こうしてブログのネタくらいにはなるだろうと考えて貰っておきました(笑)。
ちなみに、バッグに書かれているタイトルはまだ仮題です。
【豪雨災害】
8月上旬には日本各地で豪雨災害が発生しましたが、我が福井県にも8月4日(木)から5日(金)にかけて線状降水帯が襲来し大変な大雨になりました。
私の住む地域では幸い大きな被害は無かったですが、この大雨は奥越地方や丹南地区に多大な被害をもたらしました。

特に今庄地区南越前町では2日間で例年の8月の総降水量の2倍の雨が降ったそうです。
そのため、南越前町の一部では床上浸水や土砂崩れで大変な状況となり、水道やガスなどの生活インフラが失われ電車や各種道路も寸断されてしまいました。
そして、この南越前町というのは7月23日のロケが行われたあの河川敷のすぐ近くなのです。

当日はこの場所で殺人事件の捜査が行われる場面を撮影したのですが、被災時はここも濁流で大変なことになっていたことと思います。
あの日のエキストラ参加者の中には「家はすぐそこ」と笑いながら言っていた近所の人も何人かいらっしゃいました。
あの人たちの安否が心配で、後日現地へ取材に行くことになったマスコミ関係の友人に「もし時間があればあの河川敷周辺を見てきて欲しい」と頼んでみました。
その友人曰く、豪雨のために交通・電気・水道が麻痺状態になったのはもっと上流のほうだったそうで、あの辺りは川の水こそ確かにひどく汚れていたものの周辺の村には特に被害は無かったとのことでした。
ということは、あのとき撮影でご一緒した地元の皆さんは全員ご無事ということです。
本当になによりでした。

福井出身の監督さんが福井を舞台に福井の人材を使って作るこの映画。
公開は2023年の年末予定とのことです。
ぜひ全国の皆さんに劇場でご覧になっていただきたいです。
そして、この作品をきっかけにこれから福井での映画製作が活発になることを期待しています。
<(_ _)>
ローカル話に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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