FC2ブログ

映画と日常

週刊映画鑑賞記(2022.8/15~2022.8/21)

トガジンです。

毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

20220821 「週刊映画鑑賞記」トップ
こうして毎週ブログに観賞記録を書くようになってから、週ごとに同じジャンルの作品やシリーズものなど関連性のある作品ばかりを選ぶことが多くなりました。
終戦記念日を含む今週は、当然ながら太平洋戦争に纏わる映画をチョイスしております。



8/15(月)
『8月15日の動乱』🈠
(ホームシアター:東映チャンネル録画)
『八月十五日の動乱』ポスター画像
77年前の宮城事件を扱った映画としては岡本喜八監督の『日本のいちばん長い日』が最も有名ですが、実はその5年前にも東映が鶴田浩二さん主演で映画化していました。

この日この映画を選んだのは、母から初めて祖父の戦争時代の話を聞かされたことがきっかけです。

>おじいちゃんのいちばん長い日(2022/8/19)

最初は岡本喜八監督の『日本のいちばん長い日』を見返すつもりでしたが、ふと去年録画したまま約1年間ずっとHDDの肥やしとなっていたこの作品のことを思い出して見てみることにしました。

『八月十五日の動乱』陸軍士官たち
『日本のいちばん長い日』との大きな違いは、当事者たちの名前が全て仮名になっている(あるいは肩書しか紹介されない)ことです。
『日本のいちばん長い日』で印象的だった畑中少佐や椎崎中佐は別の名前でそれぞれの役割を果たしていますし、鈴木総理や阿南陸軍大臣は作中でそれぞれ総理大臣、陸軍大臣としか呼ばれていません。
本作が当事者の名前をそのまま出さなかったのは、当時はまだ首謀者たちのご家族や犠牲者のご遺族がご存命だったためその人たちに配慮したからでしょうか?。

『八月十五日の動乱』鶴田浩二さん
ただし、主人公の鶴田浩二さん演じる中島総理秘書官とその家族はしっかり名前が出てきます(笑)。
鶴田さんは御前会議の開催を助け、徹底抗戦を訴えて宮城に押し入った陸軍兵士たちから天皇陛下の玉音盤を命がけで守るという、ちょっと出来過ぎな影のヒーロー的役柄です。
そのため『日本のいちばん長い日』を見ていたり史実を調べたうえでこれを見ると、実際に起きた事件を元にして作られた映画でありながらまるで異世界の出来事のようにも見えました。



8/17(水)
『激動の昭和史 軍閥』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)
『激動の昭和史 軍閥』ポスター画像
実は今回が初観賞です。
3年ほど前にWOWOWで録画したまますっかり忘れてました(汗)。

『軍閥』小林桂樹さんが演じる東條英機
東宝8.15シリーズ第4作。
内容は、2.26事件に始まり広島・長崎への原爆投下で終わる日本軍閥政治史のダイジェストといった感じです。

東條英機役を小林桂樹さんが演じています。
小林桂樹さんといえば『日本沈没』の田所博士/『84ゴジラ』の総理大臣/『椿三十郎』の押し入れ侍など善人のイメージが強いですが、その小林さんが演じる東條英機が何故か妙にハマって見えたのは意外でした。
この映画の東條にどこかもの悲しさを感じてしまうのは小林さんのお人柄が滲み出ていたせいでしょうか?。

『軍閥』ニセ戦果に騙される新聞社
あと、新聞社が全員右に倣え!で戦争を煽っていく様相にはうすら寒いものを感じました。
今も昔も、日本人とは同調圧力に弱くてその場の勢いに飲み込まれ易い民族なのですね。



8/19(金)
『加藤隼戦闘隊』
(ホームシアター:日本映画+時代劇4K録画)
『加藤隼戦闘隊』ポスター画像
先週観た『ハワイ・マレー沖海戦』は海軍主導の国策映画でしたがこちらは陸軍の国威掲揚映画です。
ずいぶん前にDVDレンタルで観たはずなのですが、内容は全く覚えていませんでした。

『加藤隼戦闘隊』藤田進さん
制作・公開は日本の敗色が濃くなった昭和19年3月ですが、内容は日本軍が威勢が良かったミッドウェイ海戦以前の話です。
戦争初期に活躍した加藤建夫中佐率いる陸軍戦闘機隊:飛行第64戦隊を描くことで国民を鼓舞することが狙いだったと思われます。
(加藤中佐は昭和17年5月に既に戦死されていますが、その事実に関しては国民の士気が低下しないよう最後に字幕で処理されるのみです。)

ただし、シナリオ構成の面では褒められたものではありません。
110分もある映画ですが場面ごとに解説字幕で話が区切られてテンポが悪く、内容もただひたすら加藤建夫中佐の好人物ぶりが繰り返し描かれるばかりでドラマとしての面白さは皆無に等しいです。
流石の私も途中何度も居眠りしそうになりました。
昔DVDで見たときの記憶が全く残っていないのも頷けます(笑)。

『加藤隼戦闘隊』隼
陸軍は本作のために協力を惜しまず、隼をはじめとした数機の実機を飛ばしただけでなく、空撮用に偵察機、爆撃機、戦闘機まで飛ばしてくれたそうです。
そのため、当時の軍用機の実物映像が見られる資料性の高い映画にもなっています。

当時この映画を見て加藤中佐のようなパイロットに憧れた少年志願兵が大勢いたことと思います。
軍はよほど飛行機乗り・・・というより特攻要員が欲しかったのでしょう。

『加藤隼戦闘隊』おそらく日本初の光学合成シーン
飛行機のほとんどは本物ですが、敵基地の空爆シーンは円谷特撮の見せ場です。
爆破されるミニチュアの建物に逃げ惑う敵兵が合成されているこの場面は、日本映画で初めて光学合成を使って作られた特撮ショットとのことです。

この10年後に円谷特技監督と組んで『ゴジラ』を作り上げる本多猪四郎監督が本作の助監督を務めています。
面白さという点ではかなり難がありますが(汗)、特撮ファンは必見の映画です。



【ももちゃんとゆずちゃん】
13日から16日までの4日間は仕事を休んで親戚たちの来訪に備えておりました。
流石に関東方面の親戚は今年も来福を見合わせましたが、京都・大阪や名古屋からは数家族が3年振りのお墓参りにやって来ました。
しかし、567禍以前はわが家を民宿代わりにして数日間ゆっくりしていった彼等たちも、今年はお墓とお仏壇に手を合わせただけですぐ帰って行きました。
それでも、従兄弟たちや叔父・叔母と久し振りに直接顔を合わせることが出来て何だかホッとしています。
ご先祖様をはじめ、祖父も祖母もそして亡き父も今年はさぞ喜んでいることでしょう。

そして16日(火)の夕方にはとても嬉しい訪問者が来てくれました。
3年前のお盆にも来てくれた京都の従兄弟が再び可愛い孫娘を連れて来てくれたのです。
しかも、今年は孫が二人に増えていました。
姉のももちゃんと妹のゆずちゃんです。(ちなみにどちらも愛称です)

ももちゃんは3年前に来たときはまだ1歳半でした。
当時はまだヨチヨチ歩きで覚えたばかりの言葉を意味もよく分からないまま喋り続ける姿がとても可愛かったですが、4歳半になって保育園に通っている今では、私たち夫婦と母に自分から挨拶出来る賢い女の子に成長していました。
あと、車から降りた瞬間「あっ、ここ来たことある~。」と言ってくれたのが嬉しかったです。
残念ながら私や妻のことは覚えていないようでしたが、我が家の庭の風景や匂いは体感的に覚えていたようです。

一方、妹のゆずちゃんは2歳になったばかり。
庭の草木や虫など一つ一つに興味を示して「これなあに?」と従兄弟や母親に尋ねていました。

この時、ゆずちゃんは我々大人の想像を遥かに超える聴覚力を示してくれました。
それまでしゃがみ込んでじっと草花を見つめていたゆずちゃんが突然ハッと表情を変えて立ち上がり、「かんかん来た!かんかん来たよ!」と目を輝かせて訴え始めたのです。
私と妻は「かんかんって何?」とキョトンとなりましたが、従兄弟はニコニコしながら「もうすぐ分かるよ」と教えてくれません。
その答えは数十秒後に分かりました。
私の家の近くには「えちぜん鉄道」というローカル電車が走っているのですが、その一番近くにある踏切がカンカンカンカンと鳴り始めたのです。
「なあんだ、かんかんって踏切の音のことか。」と納得しましたが、それと同時にゆずちゃんの凄い聴覚力に驚きました。
彼女が最初に「かんかん来た!」と言ったとき、私たち大人の耳には何も聞こえていませんでした。
つまり、ゆずちゃんは現在鳴っている最寄りの踏切から1キロ以上離れた前の踏切の音を聴き取っていたのです。
また、踏切の音を「かんかん」と言い表した彼女の幼い表現力にも胸が熱くなりました。
ちなみに、京都のゆずちゃんの家の近所には京阪電車が通っていて踏切の音も聞こえるため、ゆずちゃんにとっては「電車=かんかん」らしいです(笑)。
そして、遠くに見える電車に向けて「ばいばーい」とありったけの声で叫びながら手を振り続けるゆずちゃんが可愛くて可愛くて仕方ありませんでした。 

従兄弟夫婦とももちゃんとゆずちゃん、そして二人のママの5人が我が家に滞在したのはほんの30分程度で、お墓とお仏壇に手を合わせるとすぐ京都へと帰ってしまいました。
でも、子供がいない私たち夫婦にとってこの30分間はこの上なく幸せな時間でした。
ももちゃん、ゆずちゃん、来年もまた福井に遊びに来てね。


<(_ _)>
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
スポンサーサイト



COMMENTS

2 Comments

There are no comments yet.

mikaidou  

コミカライズ

こんにちは

身近な人たちで「日本の一番長い日」の漫画版の評判が良く、読んでみようと思っていたところにトガジンさんのこの記事。
歴史に疎いので前記事共々ありがたいです。

ももちゃんゆずちゃんのお話にはこちらまで幸せになりました。
女の子って頼もしいですね。

2022/08/22 (Mon) 10:38 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

国を継ぐもの

mikaidouさん、コメントありがとうございます。

>「日本の一番長い日」の漫画版

私は逆に漫画版があることを始めて知りました。
ググってみたら、なんと描いているのは『2001夜物語』の星野之宣先生ではないですか!?。
私の学生時代からSF漫画のレジェンドでした。
新しい漫画から遠ざかって久しいですがこれは気になりますね。

漫画版ではご本人たちの外見をそのまま画にしているように見えます。
私としては、阿南惟幾陸軍大臣は三船敏郎さんのイメージが強過ぎるので逆に違和感があったりしますが・・・(汗)。
あと、表紙が昭和天皇のお顔アップであることにもビックリです。
今の若い子には「このおっちゃん誰?」状態かも知れませんが、戦前教育を受けたご老人は思わず姿勢を正してしまうかも?。

若い人たちに「現在の平和日本はどんな経緯を経て成り立っているのか」「もしあのとき陸軍の暴走を止められず徹底抗戦にまで追い込まれていたら?」などと考えてもらう良いテキストになってくれればと思います。

>ももちゃんゆずちゃん

実は私、あれから一週間経った今も「ももちゃんゆずちゃんロス状態」が続いていたりします。(妻も同じみたいです)
567感染さえ無ければ、従兄弟や彼女らの母親がかつてそうしたように毎年福井へ海水浴に来てくれただろうと思うのですがね。

2022/08/22 (Mon) 12:44 | EDIT | REPLY |   

REPLY

Leave a reply