週刊映画鑑賞記(2022.10/31~2022.11/6)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

今週観たのはこの2本。
『線は、僕を描く』は久し振りに劇場で観た映画、「ゴジラフェスティバル2022」はYouTUBEで生配信されたものを後日アーカイブで見たものです。
「ゴジラフェスティバル2022」を映画作品として扱うことには少々躊躇いましたが、終盤に新作の特撮映像『ガイガン来襲』があったので良しとします(笑)。
11/4(金)
『線は、僕を描く』🈠
(劇場:福井コロナシネマワールド)

今週は久し振りに映画館で新作映画を観てきました。

劇場は国道8号線沿いにある福井コロナシネマワールド。
いつもはチケットの写真を撮ってブログに載せることにしているのですが、今回うっかり撮影し忘れたまま紛失してしまいました。

この映画は水墨画を通して心の成長を遂げるという、一風変わった青春ものです。
普段の私なら絶対に選ばないタイプの映画ですが、実は私にはこの作品を劇場で観るべき理由がありました。

実は私、1年前の10月20日と22日の二日に渡り、滋賀県の多賀大社で行われたこの映画のロケへエキストラとして参加してきたのです!。

監督は、以前『ちはやふる-結び-』でも撮影に参加させていただいた小泉徳宏監督です。
当時の小泉監督のツイッターを見ると、かなり重要なシーンであることが容易に想像出来ました。
それもそのはず。
この日私が参加したのは、水墨画の巨匠:篠田湖山(演:三浦友和)と主人公(演:横浜流星)が初めて出会う公開揮毫会のシーンで、撮影は200人以上のエキストラを集めて行われました。
私の役はそこに集まった見物人の一人です。

多賀大社に入っていくところから会場に近づいていき、公開揮毫会が行われる能舞台の前に集まって三浦さんの演技に「ほおお~」と感嘆の声を上げたり、たまたま隣にいた女性参加者に奥さん役をお願いして自分の手で筆の動きを真似しながら蘊蓄を垂れるという水墨画マニアのオジサンをそれっぽく演じておりました。
このとき、私は主演の横浜流星さんのことは何ひとつ知らなかったのですが、周囲の若い女の子たちは彼が登場するたびに「きゃーきゃー」と悲鳴のような声を上げるため、そのたびに助監督さんから諫められていました。
また、当日は撮影とは関係のない一般の拝観客も大勢いて、そのなかの若い子たちがやはりキャーキャーと声を上げたりもっとよく見ようと近寄ってきたりして、カメラマンや音声さんが助監督さんたちを叱りつけていました。
基本的にはほとんど舞台の方ばかり見ている役なので「どうせ後ろ姿しか映らないんだろうな~」と思っていたんですが、意外なことに(視認出来た限り)4カットも映っていました。
一つは会場に飾られている湖山先生の作品をじっくり見ている水墨画マニアのおっさん役です。
あとの3カットは全部同じアングルで、主人公の友達二人(細田佳央太さんと河合優実)を前方から撮ったカットの後方に時々顔が見え隠れしておりました。
わざわざ滋賀まで足を運んでこの作品に参加した甲斐があったというものです(笑)。

あと、映画本編に4カットも映っていたことに気をよくしてパンフレットも買ってしまいました。
でも残念!。
パンフレットにはあの日の撮影現場のことはほとんど載っておらず、現場写真もありませんでした。_| ̄|○

こちらは撮影当日(2021/10/20)の朝、現場でこっそり撮った写真です。
(スタッフさん、ごめんなさい。)
当日私は多賀大社の駐車場の場所を間違えて神社の裏側から入ってしまったのですが、そのときちょうどスタッフの皆さんがクレーンなどの機材準備や能舞台周辺の飾り付けをしているところでした。
そこで私は一般客のフリをしてパシャリ!。

こちらは、エキストラ全員が待合場所から撮影現場へ移動する途中の写真です。
スマホでメールを見ているふりをしてパシャリ!。
奥に見える白いボードが置かれた舞台が撮影現場(揮毫会の会場)です。

拡大してよく見ると、スタッフの女の子が「撮影禁止」と書いた紙を持って参加者に注意を促してました。
おねーさん、本当にごめんなさい。m(__)m

内容については「思っていたより重い話だった」という印象です。
実際に起きた大災害がこの映画のバックボーンになっていて、それが序盤の主人公の暗さや無気力さの源になっていました。
その彼が、水墨画で自分の想いを表現するという術(すべ)を手に入れたことで辛い過去を乗り越えていく姿を描いています。
見る前は、水墨画という珍しい題材を扱った青春ものとしか思っていなかったので、中盤以降の展開には少々面食らいました。

自分の姿を探すこと以外では(笑)、主人公の兄妹弟子である篠田千瑛を演じた清原果耶さんに終始目が釘付けでした。
見た目の清廉さはもちろんのこと、目線の動きだけで感情を表現してしまう演技力が凄いです。
顔は泣いていないのに心が泣いているとハッキリ分かってしまう場面があって、若いのに凄い女優さんだと感じました。
主演の横浜流星さんと清原さんとの競演場面では、演技の実力差がありすぎて横浜さんは完全に公開処刑状態でした(汗)。
実は私、同じ小泉監督の前作『ちはやふる-結び-』にエキストラ参加したとき、試合シーンで清原さんの演技を目の当たりにしたことがあるのです。
(それも私のど真前に彼女がいました!)
あのときも「まだ若いのに目力が強くて存在感のある女優さんだな~」と思ったものですが、今回は目力だけでなく繊細さも加わって千瑛の複雑な心境を表現していました。

もう一人、完全に主役を食っていたのが兄弟子にあたる西濱湖峰を演じた江口洋介さん。
映画中盤まで彼は自分が水墨画家であることを隠していたため、西濱が病に倒れた湖山先生に代わって大勢の前で龍の水墨画を描いてみせたシーンはとにかくカッコ良かったです。
食べ物やモデルに使う花などに真摯に手を合わせて常に感謝の意を示す彼の姿が、主人公の行動にも自然に影響を与えていきます。
全編に渡って、見た目だけのイケメン俳優には到底出せない渋さと力強さを見せつけていました。

そして、主人公の師匠を演じた三浦友和さん。
能舞台での公開水墨画揮毫は一種のステージのようでもあり、三浦さんは水墨画界の巨匠としての威厳と同時に観客を楽しませるパフォーマーとしての二つの面を持つ篠田湖山役を楽し気に演じておられました。

あと、現場には本物の水墨画家である小林東雲先生も同席していて三浦さんやスタッフに随時指導しておられました。
水墨画界の第一人者のはずなのに、アーティスト気取りな感じなど微塵も感じさせないとてもお茶目な方でした。
劇中で篠田湖山(三浦さん)が描いた絵は実際は東雲先生が描いていて、我々観衆の目の前で最終仕上げを完成したときには我々エキストラからも自然に割れんばかりの拍手が沸き起こりました。

清原さん、江口さん、三浦さんといった錚々たる実力派俳優が登場人物や世界感を自然に表現していた分、主演の横浜流星さんが霞んでしまってなんだか気の毒になりました。
11/4(金)
『ゴジラフェス2022』🈠
(PC及びホームシアター:YouTUBE)

11月3日はゴジラの日!。
YouTUBEでは8時間半に渡ってゴジラフェス2022の模様が生配信されていましたが、残念ながらこの日は終日仕事が入っていたためリアルタイム視聴は叶わず、後日アーカイブで見ておりました。
【ガイガン!】
番組終盤では最新作を含めたゴジラフェス用新作映像が三作連続で見られます。
今年はガイガンですか。
ええ、もちろん分かってましたよ。
去年がへドラ50周年で、今年はガイガン50周年ですからね。
(ということは来年はメガロとジェットジャガーか?)

去年のヘドラと同様、今年もしっかり着ぐるみ怪獣で作ってくれてます。
これこれ、これなんですよ。
昭和生まれはこういう特撮が見たいんです。
あと、ガイガンってやっぱり夜が似合いますね。
三日月みたいな目の赤い光が不気味に映えます。

内容的には「昨年のへドラ戦の直後にガイガンが現れてゴジラと戦う」というただそれだけのものですが、小2のときに映画館で見た『ゴジラ対ガイガン』の興奮が蘇りました。
去年まではオープンセットでの撮影でしたが、今年は東宝のスタジオにミニチュアセットを組んで撮影しています。
プロの照明さんの技術が発揮されて往年の怪獣映画の雰囲気を再現してくれてました。
ハリウッド版『ゴジラ』から『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』と劇場用の怪獣映画はCGばかりになってしまって、昔ながらの手作り特撮は絶滅危惧種と化してしまいました。
だから、こうしたイベントフィルムとしてだけでも当時の雰囲気を再現してくれた中川和博監督に本当に感謝です。
中川監督、いつの日か全編アナログ特撮のゴジラ映画を監督してください。
応援します!。
【『ラドン』にも触れてよ~】

残念だったのは、今年の「午前十時の映画祭」で上映される『空の大怪獣ラドン』についての話題が無かったことです。
去年の『モスラ』のときは4Kリマスター化の関係者を招いてかなりの時間を割いて裏話を聞かせてくれたので、こちらも楽しみにしていたのですがね。
ただ、アーカイブを全編通して見たわけではないので私が見過ごしただけかも知れませんが。
【おおとじま】

それと、春頃にエキストラを募集していた山崎貴監督の新作「超大作怪獣映画(仮題)」の正式発表がありました。
やっぱりゴジラの新作でした。
でも、実は私、前からちゃ~んと知っていたのですよ。
なぜならば・・・。

私は今年5月に、この作品の長野ロケにエキストラの一人として参加してきたからです。
↓がそのときのことを書いた記事です。(具体的な撮影内容には触れていませんが)
>一期一会の戦友たち(2022/5/12)
撮影中、助監督さんをはじめスタッフからはこの映画の怪獣の正体については一切説明がありませんでした。
ところが!。
ある俳優さんのセリフの中に「大戸島」という地名が出てきたのです。
大戸島といえば昭和29年公開の第一作目で最初にゴジラが上陸した島の名前です。
それを聞いた瞬間、私も含めた怪獣映画好きなエキストラたちには全員察しがつきました(笑)。
(ヒソヒソ)「今”おおとじま”って言いましたよね。」
(ヒソヒソ)「ええ、僕も確かに聞きました。」
(ヒソヒソ)「やっぱアレですね。」
(ヒソヒソ)「間違いない、絶対アレです。」
(ヒソヒソ)「おおとじま・・・」「おおとじま・・・」「おおとじま・・・」「おおとじま・・・」
・・・と、エキストラ仲間みんなでヒソヒソと言い合っておりました(笑)。
でも、そのあと監督が演技指導中に「ゴジラが銀座を襲った5日後・・・」とそのまんま口を滑らせてましたけどね(笑)。
あれからもう半年も経ったのですねえ。
わずか半日の撮影でしたが本当に楽しかったなあ。
あの日一緒に出演した皆さんも、今頃は私と同じようにあの日の体験を思い出していることでしょう。
来年の11月3日が待ち遠しくてたまりません。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。