週刊映画鑑賞記(2022.12/19~2022.12/25)
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

今週観たのは『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』字幕スーパー+ドルビーアトモス音響上映版のみです。

本当は月曜日(19日)に北陸圏では最も設備の良い隣県のイオンシネマへ見に行く予定で、座席指定と支払いまで済ませておりました・・・が!。

その日に限って北陸地方全体が大雪に見舞われたため映画館行きを中止する憂き目に遭いました。
かなり早めに家を出たにもかかわらず、道があまりにもガタガタで運転していて気分が悪くなってきたことと、まだタイヤを替えていない車でノロノロ運転して道を塞ぐバカが何人もいたせいで上映開始時間に間に合わなくなってしまったのです。
結局先払いした1,500円(3Dメガネ代込み)が無駄になってしまいました。
私の怒りは最悪のタイミングで降った雪にではなく、雪国の福井に住んでるくせにまだタイヤを替えていなかった阿呆どもに向けられました(怒)。
12/22(木)
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』🈠(字幕スーパー+ドルビーアトモス)
(劇場:福井コロナワールド)

13年前、革命的3D映画として世界的に大ヒットした『アバター』の続編です。
この映画をキッカケに3Dブルーレイと3D表示機能付きのテレビが(一時的に)ブームになり、その後雨の後のタケノコの如く無数の3D映画が粗製乱造されました。
しかし、結局『アバター』に並ぶ出来の3D作品はごく僅かで数年のうちに3Dブームは去ってしまいました。

今回観た劇場は、福井で唯一ドルビーアトモス音響とハイフレームレート上映設備の両方を備えている福井コロナシネマワールドさんです。
ただし、それぞれの設備は同じ一つのシアターに備えられているわけではないためどちらか片方を選ばなければなりません。
それで今回は森の中や海中のドルビーアトモス音響が聴きたくて、ドルビーアトモス+4K字幕スーパー版(2D通常フレームレート)のほうを選択しました。
話題のハイフレームレート3D版は、後日吹替え版を観に行くことにしています。

お客さんの数は、本編直前の「NO MORE 映画泥棒」上映中にざっと見渡したところ20人くらいだったでしょうか。
平日であることを考えれば仕方ないのかも知れませんが、『トップガン:マーヴェリック』や『すずめの戸締り』は平日でもかなり大勢入っていたのでちょっと拍子抜けでした。
うちの妻もそうなんですが、「ナヴィ人の見た目にどうしても馴染めない」という人も多いみたいでそれで客足が伸びないのかも知れません。

ハッキリ言って今回の続編は取っ掛かりが良くなかったです。
冒頭、ジェイクの独白で前作のその後と新キャラクターの説明が語られますが、それが駆け足過ぎて誰が誰だかちゃんと飲み込めないままストーリーが走り出してしまうのです。
ジェイクとネイティリの間に3人の子供(ネテヤム、ロアク、トゥク)が生まれていることは理解出来ました。
さらに前作で死んだグレースの娘(キリ)を養子として育てていますが、その子は何か凄い能力を秘めているようです。

そしてもう一人、何故か人間の男の子(スパイダー)もナヴィの村で一緒に育っていましたが、後にこの子はクォリッチ大佐の息子だったことが判明します。
最初から神経を集中させて見ていないとこういった複雑な設定を理解出来ないまま長い長い映画に付き合わされる羽目になってしまいます。
隣の客がポップコーンをガサゴソと食う音にイラっとしているうちに見逃す(聞き逃す)場合もあるので要注意です。

前作で死んだはずのクォリッチ大佐(スティーヴン・ラング)がナヴィの姿(アバター)になって再登場します。(;゚Д゚)ェェェ?
情報を一切シャットダウンした状態で見たのでこれにはビックリ。
なんでも、大佐のDNAが保存されていて本人死亡後にはナヴィのアバター体として復活を果たした・・・ということらしいです。
これでは、今回クォリッチ大佐を倒したとしても、何度でも・・・いや、下手すると何人にも増えて復活してくることになってしまいます。

また、キリがグレイス(シガニ―・ウィーバー)のアバターから生まれた娘という設定も納得いかなかったところです。
前作でグレースは妊娠の兆候など一切見せていなかったことと、彼女が被弾したのは外ならぬ腹部だったからです。
私としては、グレイスがナヴィの子供となって生まれ変わったという話ならまだ理解出来たと思います。
前作ラストでグレイスの魂はエイワの木を通じてパンドラの一部となり、新しい生命として生まれ変わってきたというなら納得も出来るのですがね。
ストーリー的には期待したほどの意外性はなく、前作の登場人物を無理矢理再登場させて紡いだ印象でした。
それに、登場するのが青い肌と緑の肌の人ばかりで誰が誰やら分からず戸惑いながら見ていたため、たまに地球人(かつての仲間や敵の軍人など)が画面に映ると何だかホッとします(笑)。
全5部作構想とのことですが、正直あと3本も付き合いたいとは思えませんでした。

この映画で心情的に入り込めるようになったのは、ジェイクの次男が海で出会ったクジラのような生物と心を交すあたりからです。
ジェイクの二人の息子の区別もこの辺りでようやく分かるようになりました(汗)。
このクジラ(?)が終盤ジェイク一家を助けてくれることになるのですが、長い長いこの映画の中で爽快感を感じたのはこのシーンだけだった気がします。

ただし、この後がいけません。
日本人としてはかなり不愉快な部分がありました。
このクジラのような生物を捕獲して長寿エキスのようなものだけ抜き出して死体をポイ捨てするという残虐非道な捕鯨団が登場するのですが、その船体の一部に「日浦」という日本語(船名かあるいは会社名?)が書かれていたのです。
しかも銛の発射オペレーターはどう見ても東洋人でした。
これは日本の捕鯨文化に対する批判としか思えません。
キャメロン監督は「日本が大好き」「10年ぶりに日本に来れて嬉しい」とリップサービスしまくってましたが、このシーンを日本人が見てどう思うかについて考えていなかったのでしょうか?。
それと、尺が長過ぎるのも難点です。
200分(3時間20分)ということは、つまり『七人の侍』前後編を一気見するのと同じ長さなのです。
何人か途中退席してトイレに行っていた客もいましたから、100分目あたりで「休憩時間」を設けるべきだったと思います。
ここまでは酷評が続いてしまいましたが、良かった点を一つだけ・・・。

ドルビーアトモスのサラウンド音響は聴いていてとても心地よく、家でも5.1.4chサラウンドを実践している私としては「このサウンドを身体で覚えて帰って参考にしたい」と考えたくらい素晴らしいものでした。
森の中のさざめき。
戦闘ヘリが上空を飛び交うローター音。
海中シーンのゴボゴボした水の音。
水面上からピシュンピシュンと銃弾が撃ち込まれる音。
沈没していく船内で四方から迫って来る水の音や破壊音。
内容的には不愉快な部分もありますし3時間20分という上映時間もキツイですが、あのサラウンド音響だけを目当てに「絶対ブルーレイを買おう」と思わせてくれる出来でした。

ところで、2024年公開予定と言われている3作目はどんな展開になるのでしょうか?。
ここからは私の予想です。(妄想とも云う)

1作目は惑星パンドラの資源を狙ってやってきた地球人と原住民ナヴィ族との諍いの中、地球人兵士のジェイクがアバターと同化してナヴィの女性と愛し合うようになり地球の企業と軍隊に反旗を翻すというお話でした。

私はこの前作のストーリーは、資源搾取と領地開拓のためアメリカ大陸にやってきたヨーロッパ人と原住民との諍いをベースに族長の娘ポカホンタスと探検家ジョン・スミスとの恋愛を描いた『ポカホンタス』の宇宙版だと考えていました。
今回の2作目では、大方の予想通り地球人の逆襲と惑星パンドラの世界をより広く見せることに注力していました。
しかし、宿敵クォリッチ大佐(のクローンアバター)は生き残り、人類がパンドラに建造した基地もクォリッチの上司である女性指揮官もまだ健在です。
1作目の舞台が森で2作目は海だったから次は砂漠か雪山になるのでしょうか?。
でも、惑星パンドラの中で舞台を変えて戦いを繰り返すだけの話ならもうお腹いっぱいです(笑)。
ジェームズ・キャメロン監督は3作目までは自分が監督して4、5作目は別の監督に現場を任せる意向だそうです。
あるいは、(興行成績j次第では)3作目で終了して4、5作目は封印するかも知れないとも言っています。

私は3作目ではパンドラに築かれた地球人の基地を制圧するのだろうと考えています。
そして、(作られるかどうか未定の)4作目以降は、ジェイクたちナヴィ人たちが地球へ行く話になるんじゃないかと想像しています。
もちろん、地球とパンドラでは大気が全く違いますからナヴィ人がそのまま地球に行くことは出来ません
でもこの映画シリーズのタイトルは『アバター』です。
これまでとは逆に、ナヴィ人が人類の身体(アバター)を操って地球に行くことも技術的には可能なはずです。
それに、『アバター』の元ネタ(と私が勝手に思っている)ポカホンタスも、その後イギリスに招待されてイギリス人男性と結婚したという事実があるのですから。

内容には言いたいことが山ほどある作品ですが、それでも私は来週もう一回観に行かなければなりません(笑)。
目的は、この映画最大の売りである「3D+ハイフレームレート上映です。
秒間48コマの滑らかな動きとブレの少ないクリアな3D映像は、今、映画館でなければ絶対に見られないものですから!。
それと今度は字幕ではなく日本語吹替版にします。
せっかくのハイフレームレート映像を字幕に邪魔されることなく楽しみたいですし、字幕版では理解し切れなった部分も吹替えならすんなり頭に入ってくると思いますから。

ただ、心配なのはやはり雪であります。
月曜のあとも金曜・土曜と大雪が続いたので、今は週刊天気予報と睨めっこしながら日程を考えているところです。
「4Kリマスター」私の好きな言葉です

30日(金)から、福井でもいよいよ「午前十時の映画祭」4Kリマスター版『空の大怪獣ラドン』の上映が始まります。
Aグループの地域ではすでに上映が始まっていますが、福井はBグループなので年末から年始にかけてのお正月映画になっています(笑)。
『ラドン』は東宝特撮最初のカラー映画ということで、本多・円谷両監督の色への拘りは大変なものだったに違いないと思っています。
当時の制作者が作品に込めた想いが4Kリマスター化によって鮮やかに蘇っていると思うと、「一日も早く観に行きたい!」と身体がウズウズして仕方ありません。
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
次の日曜は元日ですが、「週刊映画鑑賞記」はきっちり更新しますのでよろしくお願いいたします。<(_ _)>