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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2023.1/2~2023.1/8)

トガジンです。

毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

20230108 トップ画像
2023年最初の週に見た映画はこの5作品。
不朽の名作。
黎明期の特撮怪獣映画。
往年の漫画映画2本。
そしてタイムパラドックスものSF。

え?、どれがタイムパラドックスSFかって?。
それは記事を読んでのお楽しみということで・・・(笑)。



1/2(月)
『ローマの休日』(4K版)
(ホームシアター:BS4K録画)
『ローマの休日』ポスター画像(当時モノ)
2023年最初に見た映画はこれになりました。
「午前十時の映画祭」で劇場でも何度か見ていますが、今回は初の4K放送とのことで永久保存版として録画ディスク化することを前提にほぼリアルタイムで見ておりました。
ただし、4K放送とはいっても新たに4Kリマスター化したわけではないらしく、目の醒めるようなコントラスト感といった印象は感じませんでした。
おそらく、ブルーレイ発売時に作成した4Kマザーを使っての放送ではないかと思われます。


私がオードリー・ヘップバーンさんの魅力を初めて知ったのは、80年代後半頃に放映されていたこのCMがきっかけでした。

初めて見たオードリー・ヘップバーンの姿
当時の私は恋愛映画なんかに一切興味が無かったため、オードリー・ヘプバーンという名前は知ってはいても実際に作品を見たことはありませんでした。
しかし、この抜群の笑顔に一発で心を鷲掴みされた私は、この映画のタイトルが『ローマの休日』だと分かるとすぐにレーザーディスクを買ってきて全編を観たのでした。
それくらいあの笑顔が素敵だったのです。

『ローマの休日』お忍び
当時まだ20代だった私にはアン王女の恋の相手がおっさん(グレゴリー・ペック)だったことに少々抵抗がありましたが、それがオードリーさんの魅力を陰らせることは一切なく、むしろラストの潔くも切ない別れをより情感溢れるものにしていたように感じました。



1/3(火)
『九月の恋と出会うまで』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)
『九月の恋と出会うまで』
昨年末にWOWOWで放映された映画です。
他愛もない恋愛ものとしか思えないタイトルですが、実はこの映画、タイムパラドックスを扱った時間SFものなのです。
WOWOWのホームページでSFジャンルの映画で検索したとき、何故かこのタイトルが出てきて「?」と思い解説を読んで初めて知りました。

エアコンの配管孔から聞こえる謎の声の話を信じた主人公:志織(演:川口春奈)はそのおかげで強盗に殺される運命から逃れたものの、本来その時点で死ぬはずだった彼女が生き延びたことでタイムパラドックスが生じてしまうという内容です。
タイトルだけ見たら絶対にそんな話だとは思わないですよね(笑)。

『九月の恋と出会うまで』タイムパラドックスを説明する平野
志織に協力する隣部屋の住人でSF作家志望のサラリーマン平野(演:高橋一生)が実に良かったです。
「未来からの声」などという支離滅裂な詩織の話を、彼が「信じます」と即答で答えた時点でこの映画は成立したと感じました。
平野がSF作家の卵ということで元々そういった話に詳しかったことと、以前から詩織に好意を持っていたという2つの点を自然に演じていました。

『九月の恋と出会うまで』高橋&川口
難点は演出に捻りがなくて途中で中盤でオチが読めてしまうことです。
それと、まだ暑さが残る九月のお話なのに登場人物の服装が全員真冬の服装で、街の風景や海の色に「秋の気配」が全く感じられないことがかなり気になりました。
おそらく撮影時期が冬だったからだろうとは思いますが、『九月の~』というタイトルである以上、寒くても俳優さんには秋の衣装を着てもらい街の木々に紅葉を飾るとかしてちゃんと季節感を出して欲しかったです。
主演二人の演技が良かっただけに余計残念でした。

でも、私はこの学生映画レベルの演出をなんだか微笑ましい気持ちで見ておりました。
実は私、こういったタイムパラドックスとかタイムリープとかパラレルワールドの話が昔から大好物でして、大学時代にはよく8ミリ自主映画でこういうのを何本も作っていたのですよ。
予算がほとんどかからず、演出と演技の工夫だけで世界感を作れるというのが本当の理由でしたけどね(笑)。



1/5(木)
『空の大怪獣ラドン』(午前十時の映画祭)
(劇場:鯖江アレックスシネマ)
『空の大怪獣ラドン』ポスター画像B
先週金曜日にも見てきたばかりですが、一週間待たずに2回目を観てきました。

2023-01-05 『ラドン』チケット
今回も先週と同じ席を選択しました。
ここのシアター1ではこの席が一番見心地が良いのです。
ちなみに、この日の観客数は私を入れて10人前後でした。

「午前十時の映画祭2022」空の大怪獣ラドン
映画そのものと4Kリマスター品質への感想は前回と変わりないので割愛しますが、今回も十二分に満足出来たことだけ書き留めておきます。
出来れば来週もう一回観に行きたいと思ってるくらいですが、流石にもう仕事が動き始めているため難しいかも知れません。

今回の『空の大怪獣ラドン』といい、昨年の『モスラ』といい、往年の傑作特撮映画を最高の映像&音声で蘇らせてくれた東京現像所スタッフの皆さんには本当に感謝の言葉しかありません。
この勢いで残りの昭和ゴジラシリーズ全作品も含めた昭和の特撮映画全てを4Kリマスター化して、「午前十時の映画祭」の特撮枠も2本に増やして再上映し続けていただきたいです。



1/6(金)
『安寿と厨子王丸』🈠
(ホームシアター:東映チャンネル)
『安寿と厨子王丸』ポスター画像
安寿と厨子王の物語は溝口健二監督の名作『山椒大夫』で知っていましたが、このアニメ版は初めて見ました。

裕福だった安寿と厨子王の一家は悪人どもの罠にかかり、優しかった父は無実の罪で投獄(後に獄死したと判明)、美しかった母は佐渡島に連れ去られて娼婦にさせられ、幼い安寿姫と厨子王丸の姉弟(溝口版では兄妹)は山椒大夫という強欲な長者宅に人身売買されて奴隷として働かされる。
安寿は厨子王丸を脱出させることに成功するが、その罰として酷い拷問を受け死亡(映画版では自ら湖に身を投げる)。
脱出した厨子王丸は都に逃げ延び、時の関白に仕えて出世し山椒大夫を処罰する任を受けるがそのとき初めて姉の死を知る。
そして佐渡島に渡って盲目となった母に再会して終わる。

童話としてはなんとも救いのないお話です。
あらすじ聞いただけで見る気が失せますね(笑)。

『安寿と厨子王丸』安寿の覚悟
でも、本作は東映動画10周年記念漫画映画ですし、愛敬ある動物キャラも登場して冒頭には歌い踊るシーンもあったことから子供向けのハッピーエンドに変えているのだろうと思って見ていたんですが・・・甘かったです(汗)

流石に母が娼婦にされていたなどという描写はなく、安寿の入水自殺も白鳥の姿に変わるといったオブラートに包んだ表現になってはいましたが、最愛の姉が自ら命を絶ってしまうことも再会した母親が失明している事も何も変わっていません。
当時の子供の中には、これがトラウマになってマンガ映画(アニメ)が嫌いになってしまった人も大勢いたかも知れません。
見終わって、以前ディズニーが『リトルマーメイド』でバッドエンドの原作を無理矢理ハッピーエンドに変えたことを非難されていたことを思い出しました。
この『安寿と厨子王丸』を見たあとでは、あのときのディズニーの判断(原作改変)はあながち間違いではなかった気がします。

『安寿と厨子王丸』の一場面
せっかく子供向けにマンガ映画として作るなら、動物たちや三郎(安寿に心寄せる心優しい青年)などの味方になってくれるキャラクターをうまく使って、最後は姉弟が揃って幸せになれる結末も有り得たはずだと思うのですがね。



1/7(土)
『空飛ぶゆうれい船』
(ホームシアター:東映チャンネル)
『空飛ぶゆうれい船』ポスター画像
東映チャンネルさんは、ここ最近、実写・アニメを問わず自社の旧作の4Kリマスター版を続々放映してくれるので視聴する機会が多くなっていますが、この『空飛ぶゆうれい船』も前日見た『安寿と厨子王丸』もやはり4Kリマスター版でした。

『空飛ぶゆうれい船』街中に戦車
宮崎駿監督が原画として参加していて、この作品での担当シーンが『新・ルパン三世』最終話「さらば愛しきルパンよ」の中で再現されていることは有名な話です。
戦車が一般車両を蹂躙しながら街中を走り、街を襲うロボットを攻撃する場面。
その黒幕は裏で武器売買をしている大企業の存在。
高校時代にこの作品のことをアニメ誌で知りましたが、哀しいかな当時の田舎の高校生には見る手段がありませんでした。

『空飛ぶゆうれい船』エンディング
大学に入ってからようやくレンタルビデオで初めて見ましたが、その時には宮崎アニメのエッセンスばかりを追い求めていました。
確かに「さらば愛しきルパンよ」との共通性が多いですし、ラストのヨットシーンもまるで『未来少年コナン』のオープニングのようでした。

『空飛ぶゆうれい船』ボアジュースの恐怖
10年くらい前にもWOWOWの「東映まんがまつり復刻特集」で放映されたことがありましたが、そのときは「コ●・コーラは元々は麻薬だった」という事実(コ●・コーラのコ●はコ●インのコ●)を知った直後だったため、ボアジュースの不気味さばかりが印象に残った覚えがあります(汗)。

『空飛ぶゆうれい船』オープニング
今回の鑑賞では、オープニングのおどろおどろしい幽霊船の描写に池田宏監督の演出嗜好が垣間見えた気がしました。
池田監督はあのドタバタアクションアニメ『どうぶつ宝島』の監督として紹介されることが多いですが、『ど宝』の底抜けの明るさやアクション志向は森康二作画監督やアイデア構成画・原画の宮崎駿さんの意向によるものであり、池田監督ご自身は「海賊という集団をもっとリアルに描きたかった」と仰っていたそうです。
少し前に東映チャネンルで『どうぶつ宝島』(やはり4Kリマスター版)を見たばかりだったため、ふとそんなことを思い出しながら見ておりました。



今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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