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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2023.1/23~2023.1/29)

トガジンです。

毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

今週は日本列島全体を大寒波が襲いました。
もちろん、福井も例外ではありません。
火曜から日曜まで毎日仕事が入っていましたが、朝はいつもより1時間以上早く起きて車庫前の雪をどかして出発し、猛吹雪やアイスバーンの道を神経をすり減らしながら運転して出勤。
仕事も寒さに耐えながらの屋外作業が多く必要以上に体力を消耗し、帰りも連日ホワイトアウト状態で緊張しながら運転しておりました。
うっかりすると車が田んぼに落ちかねません。
ていうか、ここ数日間で田んぼに落ちたりガードレールにぶつかって放置された車を覚えているだけで10台以上目にしました。
こんな状況下では無事帰宅出来ても疲れ果ててしまってとても映画を見る気力など残っていません。

20230128 TOP
それでもなんとか、木曜から土曜にかけては30分未満の岩波映画2本と60分の鉄道ドキュメンタリー1本を見てました。
(「結局見てるんかい!」と自分に突っ込んでみたりする)



1/26(木)
『駅』🈠
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)
岩波映画『駅』
1950年から1998年まで存在した記録映画会社:岩波映画の一本です。
日本映画専門チャンネルは以前も岩波の教育映画を十数本連続放送してくれたことがあり、昭和の記録フィルムフェチな私としてはそれだけでも日本映画専門チャンネルを高く評価しております。

『駅』米原駅ホーム
時代は新幹線開通直前の昭和38年。
舞台は米原駅と大阪駅。
昭和38年は私の両親が結婚した年であり、そして私が生まれる前年です。
その頃はまだ蒸気機関車とディーゼル車が混在して走っていました。

『駅』主人公の助役さん
米原駅パートの主人公は、定年間近の助役さん。
駅員ひとすじ40年、乗客と仲間の安全と運行ダイヤの安定に人生を捧げられた方です。
1964年に定年ということなのでご存命ではないと思いますが、この映画を見終えると同時に自然に頭が下がりました。

『駅』駅弁立ち売り
今ではもうその姿を見ることはなくなった車外からの駅弁売り。
小さい頃、京都・大阪・名古屋の親戚宅へ行った時や大阪万博へ行ったとき、父親が窓から駅弁を買って車内で食べた記憶が残っています。
でも、私が大阪に出た昭和58年には車内販売に切り替わっていてホームの駅弁売りは居なくなっていました。

『駅』豪雪で運行止め
大雪のため汽車が大幅に遅れて乗客のクレーム対応に奔走する駅員たち。
そういえば、つい先日もJR西日本がこんな状態に陥ってニュースになっていましたっけ。

『駅』サンパチ豪雪
そういえば、昭和38年冬の福井は未曽有の豪雪でした。
(通称「サンパチ豪雪」)
母の嫁入りの日は猛吹雪だったため「着物を濡らさないように外を歩くのが大変だった」と父が他界してからは何度もその思い出話を語るようになりました。

「まいばら」と「まいはら」
ちなみに、鉄道の米原駅は「まいばら」と読みますが、なぜか高速道路の米原インターチェンジは「まいはら」と読みます。
その理由は未だに分かりません。
滋賀県在住の方がいらっしゃましたら教えてください。m(__)m

『駅』機器なめ蒸気機関車
撮影アングルも編集もやたら凝ってます。
ローアングルで撮った線路切り替えの瞬間とか、信号機や制御盤をなめの蒸気機関車とかがテンポよく繋がれています。

『駅』レール切り替え
まるで庵野秀明監督の絵作りと編集を見ているようです(笑)。
おそらく・・・いや絶対、カメラマンも編集マン(もしくはディレクター)も鉄道好きな人だったのでしょうね。

『駅』大阪駅の新人駅員(切符切り)
大阪駅パートは切符切りの新人駅員さんが主役でした。
新幹線開通を見越した新人教育の模様も描かれていましたが、来年新幹線が開通する福井の各駅でもそんな状況が繰り広げられているのでしょうか?。



1/27(金)
『鉄道の記憶・萩原政男8mmフィルムアーカイヴス II ~あの町、この村、日本の鉄道風景~ 』🈠
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)
『萩原政男』8mmフィルムⅡ
かつて路面電車を8ミリフィルムで記録し続けた萩原政男氏(雑誌「鉄道ファン」初代編集長)の作品集です。
8ミリで撮られたレトロな映像と廃線後の現在の風景を交互に見せる構成になっています。
アーカイブスⅡということはⅠやⅢもあるのだろうと思ったら、アマゾンのプライムビデオにⅣまで揃ってました。
(ただし見放題ではなく有料レンタルでした)

『鉄道の記録Ⅱ』窓から身を乗り出して撮影
商売柄、攻めたカメラアングルや画面レイアウトの上手さに感心しながら見入っておりました。
今では決して近寄れない線路に近い位置からの撮影や、窓から身を乗り出しての走行シーン。
(迷惑な撮り鉄連中は今もやってますけど・・・)

『鉄道の記録Ⅱ』路面電車と街
走る電車がメインでありながら当時の街並みや庶民の生活感も一緒に画面に収められています。
それでいながら画面レイアウトが一切崩れない!。
電車好きな人が撮るとプロ以上の映像をものにすることがよくありますが、これはまさにその典型です。

『鉄道の記録Ⅱ』生活の中の電車
また、萩原氏の映像は電車好きの人が単に電車を撮ってるだけのものではありません。
それぞれの沿線周辺に生活する人々の姿も必ず画面に入れ込んでいます。
この部分こそが萩原氏と現在の「撮り鉄」と呼ばれる連中との大きな違いです。
萩原氏は電車というものを人々の生活や風景の一部として切り取っているのです。

『鉄道の記録Ⅱ』18コマ撮りのせかせかした動き
ときどきチャカチャカとした早回しみたいな動きのカットが混じっているのが微笑ましいです。
実は8ミリフィルムには劇場映画と同じ秒間24コマ撮影の他に秒間18コマで撮影するモードがありました。
18コマ/秒で撮った映像を24コマ/秒で上映したら、せかせかした動きになるのは当たり前なのです。
私も大学時代に8ミリ映画をいくつか作りましたが、最初の頃は撮影スピードを間違えてしまった経験がありますし、逆にチャップリンみたいなチャカチャカした動きを狙ってアクションシーンをわざと秒間18コマモードで撮ったこともありました。
そんな思い出にも浸りつつ見ておりました。

京福丸岡線
唯一残念だったのは、今回出てくるのがどれも私には馴染みがない路線ばかりあったことです。
福井県にも国鉄三国線とか京福丸岡線とか昔廃線になった路線がいくつかあるのですがね。
現在もそれらの路線の痕跡が結構残っていて、往時の電車の映像が残っていれば古き良き昭和の記録映像が出来そうな気がします。



1/28(土)
『国鉄のディーゼル化』🈠
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)
『国鉄のディーゼル化』一場面
1958年制作の岩波映画です。
ただし、元々は国内向け作品ではなくアメリカに日本の鉄道の進展を紹介するために作られたもので、日本語ナレーションに重なってうっすらと英語ナレーションが聞こえてきます。
また、BGMも日本のローカル線風景にまるで似つかわしくない堂々たるオーケストラが奏でられていて、なんか違和感が凄かったです(笑)。

『国鉄のディーゼル化』蒸気機関車
かつて、鉄道の牽引車といえば蒸気機関車でした。
しかし、運転手の他に熟練した釜焚き担当者が必要だったり、発車するまで長い準備時間が必要だったり、乗客も乗務員も煙に悩まされたりと、何かと大変なことが多かったのは事実です。
そのため、国鉄は基幹路線には高コストをかけて電気工事を施し電気機関車に切り替え始めていました。

『国鉄のディーゼル化』ディーゼル車とお花畑
しかし、そこまでコストをかけられないローカル線は、電線工事を必要としないディーゼル機関車に入れ替えることでコストダウンと運行の効率化を両立させたのです。

『国鉄のディーゼル化』ディーゼル車と女子高生
この記録映画に映る鉄道風景は現在のそれとはまるで違います。
現在の電車の屋根にはひし形のパンタグラフという機器が付いていて、それが電車線に触れることで電力を得ています。
しかし、蒸気機関車やディーゼル機関車が走るこの時代の路線上には電車に電気を送るための電車線が一切ありません。
そのため、ホームか見える景色がスッキリしています。

それと、これは余談になりますが・・・。
1958年制作のこの映画に映っている女子高生たち。
仮にこのとき18歳だったとすると彼女たちが生まれたのは1940年、つまり戦時中に生まれた女の子ということです。
今もご元気でいらっしゃるとしたら現在は80歳以上・・・つまり、私の母親と同じくらいということになります。
ふとそんなことを思ってしまくらい鮮明な映像でした。

『国鉄のディーゼルノーヘル工場
さらに、海外セールス向けの映画らしく車両の製造工程やメンテナンスの様子も事細かに紹介されていました。
しかし、当時の日本企業は世界に誇れる技術内容を培いましたが、安全面での配慮には欠けていたようです。
工場で働く作業員が誰一人ヘルメットを着用していません(汗)。
彼らの真上を何十トンもあるような車体がクレーンで運ばれているのに・・・です。

良くも悪くも、時代の一部をしっかり切り取って見せてくれる貴重な映像作品です。



【雪かきにも身体が慣れてきました】
冒頭にも書きましたが、今週は日本全体を襲った大寒波のせいで雪かき三昧の一週間でありました。
先週は「まるで春みたい」な暖かい日もあったくらいなのに・・・。

2023-01-28 この日の朝も雪かきから始まります
この写真は金曜朝の我が家の前庭です。
ツツジの木の手前は前日も前々日も雪かきして通路を空けたはずなんですが、ご覧の通り一面真っ白に雪が降り積もっています。

2023-01-28 一晩で15センチくらい?
それでも前日雪かきした部分の積雪量はこれくらいでした。
チ日の降雪量約15センチといったところでしょうか。
初日に較べればまだ楽なほうです。

2023-01-28 除雪してくれたはいいものの・・・
家と車庫前(自宅敷地内)は自力で通路を確保しましたが、公道は除雪車が来てくれるのを待つしかありません。
でも、除雪車が通った跡はこのように固い雪の塊が壁のようになって車の出入口を塞いでしまいます。
これを取り除くのがまた一苦労!。

ここ数日はこうした雪かき作業が毎朝出勤前の恒例行事となっております。
あ~、腰が痛てえ~!。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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