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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2023.2/13~2023.2/19)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

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NETFLIX侮り難し!。
特に『西部戦線異状なし』の見応えは半端なかったです。



2/14(火)
『西部戦線異状なし』🈠
(ホームシアター:NETFLIX)
『西部戦線異状なし』NETFLIX
この日私がこの映画を選んだ理由。
それは現在東欧で実際に起こっている酷い戦争のことを思うと実に不謹慎極まりない軽い考えからでした。

「戦争ものって昔からサラウンドにピッタリなんだよな~」

例えば『地獄の黙示録』、『プライベート・ライアン』、そして同じ第一次大戦を描いた『1917-命をかけた伝令-』等々。
どれも音の演出がストーリーと映像のパワーを倍加させています。
SFものと違って戦争映画で使われる音のほとんどは現実音が多いため生々しさが違うのです。

『西部戦線異状なし』冒頭の兵士
映画は、最前線で恐怖に慄きながら戦う若い兵士の描写から始まります。

塹壕の上で起こる爆発。
飛び交う銃弾。
四方から聞こえてくる兵士たちの怒声と悲鳴。

「おおっ、ドルビーアトモス用トップスピーカーが張り切って鳴ってるぜ!」と、1917年ドイツフランス国境の戦場の雰囲気を表現する巧みな音の演出に浸りきっておりました。
やがて、その若い兵士が吶喊の声をあげながら敵軍に突っ込んでいくところでいきなり場面転換。

「なるほど、映画の結末部分を最初に見せて観客の気持ちを引き込む演出なのだな」と思って見ていました・・・が、違いました。
戦況が落ち着いたあと別の部隊がやって来て、戦死者たちの遺体から認識証のみならず軍服も靴も身に着けていたもの全てを剥ぎ取って持ち去ります。
そして、その泥と血にまみれた軍服を大勢の女性が洗濯し、そして機関銃みたいな音のミシンを使って新品同様に仕立て直していくのです。

『西部戦線異状なし』支給される制服は実は・・・
国を挙げての戦争アジテーションに乗せられて軍に志願した17歳の少年:パウル。
彼が本当の主人公です。
そして案の定、パウルに支給された軍服には冒頭で戦死した兵士の名札が付いたままになっていました。
この冒頭のシークエンスだけで思わず背筋に悪寒が走り、軽い気持ちで見始めたことを後悔したのです。

『西部戦線異状なし』塹壕戦
「国のために戦うのは男として当然の義務!」
「帰ったら女にモテ放題!」

そんな彼らの幻想は、任地に到着した瞬間木っ端微塵に吹き飛びます。
そこは、たった300m程度の領地を守るため1700万人もの犠牲を出した第一次大戦のドイツ対フランスの最前線。
彼らを出迎えたのは、銃弾の嵐・砲弾の雨・毒ガス攻撃・雨と雪に苛まれる塹壕生活・飢餓と疫病・・・。
一緒に志願した友達も戦場で出会った先輩兵士も次々に命を落としていきます。

『西部戦線異状なし』目が死んでいく
また、この映画には主人公の家族や恋人の存在だとか戦死した仲間の形見を家族に届けるとかいったお涙頂戴的サブストーリーは一切ありません。
主人公:パウルの行動と心境変化を無駄なく淡々と追っていくのみです。
冒頭で希望に満ちた笑顔を見せていた彼も、終盤では完全に死んだ目になっていました。
そして、他の兵士たちと同じようにパウルもまたこの世に何も残すことなく・・・。


犬死に次ぐ犬死。
最後まで救いのカケラも無い映画でした。
「この映画のサウンド最高や!」などという軽い気持ちで見始めた私も最後はパウルとシンクロしてしまい、終了後もしばらく椅子から立ち上がれませんでした。

最近見た第一次大戦もの
最近、第一次世界大戦を描いた映画が多い気がします。
当時の記録フィルムをレストア&カラー化した『彼らは生きていた』や、全編1カット撮影が話題になった『1917-命をかけた伝令-』などです。
もし時間に余裕があるなら、先にこれらの作品を見ておくと本作をより深く理解出来ると思います。



2/17(金)
『エノーラ・ホームズの事件簿2』🈠
(ホームシアター:NETFLIX)
『エノーラ・ホームズ2』
前作が面白かったことから楽しみにしていたミステリー映画の第2弾。
先週見た『グラス・オニオン』と違って、こちらは『エノーラ・ホームズの事件簿2』と実に分かり易いタイトルです(笑)。


軽めのミステリー映画として年齢に関係なく楽しめる作品です。
ただし、前作を覚えていないとエノーラ周辺の人間関係(彼氏とか母親のこととか)を理解するのに時間がかかって内容に着いて行けない部分があるのが難点です。

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映画はエノーラが警官隊に追われて街中を逃げ回っているところから始まります。
そして袋小路に追い詰められたところで、エノーラは突然カメラ目線になって「説明するわね」とこれまでの経緯を解説します。
本作では、第4の壁を超える演出(観客に語りかける)を多用したり時間軸をが前後させるなどといった演出技法で分かり易く作られていますが、逆にこうした手法を見慣れていないとかえって疲れてしまうかも知れません。

小さな依頼者
前作で事件を解決に導いたことに自信を持ったエノーラは高名な兄(シャーロック・ホームズ)と同じく探偵事務所を開いたものの、舞い込んだ依頼は幼い少女からの「行方不明になったサラという姉を探して欲しい」というものだけでした。
ところがサラの行方を追っているうちに、マッチ工場で働く貧しい女性たちの命を犠牲にした悪質な陰謀の存在を知ることになります。

『エノーラ・ホームズ2』サラ・チャップマンは実在の人物だった
今回エノーラが捜索するサラ・チャップマンという女性は実在した人物だそうです。
「シャーロック・ホームズ」の小説が書かれ始めた1888年、イギリスのマッチ工場で劣悪な環境と労働者に対する虐待に対抗してストライキを先導した女性です。
架空のホームズの物語に当時の史実を織り交ぜるというなかなか上手いストーリーでした。

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ところで、本作にも最近の映画界の流行病とも呼ぶべきポリコレ要素がいくつか盛り込まれています。
ただし、(ネタバレに繋がるため詳しくは書けませんが)本作の場合はポリコレ要素を無理なくストーリーに組み込んでいるので安心して見ていられました。
ディズニーなどはポリコレに気を遣い過ぎてピノキオの妖精や人魚姫を黒人にしたり、ヒーローが同性婚していたりと無駄に作品の質を低下させてばかりいますが、本作はポリコレをむしろ有効的に使いこなしていたように思います。

『エノーラ・ホームズ2』シャーロック・エノーラ・テュークスベリー侯爵
エノーラのロマンスに進展があったり、シャーロックのライバル:モリ―アティが意外な設定で登場したり、さらにワトソン博士も姿を見せるなど、次回作があることは間違いなさそうです。



【NETFLIX解約手続き】
NETFLIX 2023年2月のみで再解約
冒頭でNETFLIX侮り難し!」と書いたばかりではありますが、今回のNETFLIX再契約は一ヶ月限りという当初の予定通り解約手続きを済ませました。
早めに手続きしたのは、24日までに手続きしないと3月まで自動延長されてしまうからです。
とりえず2月いっぱいはNETFLIXプレミアムプランを楽しめるので、今回予定していた残り2本とその他B級SF映画を見られるだけ見てしまおうと思っています。

NETFLIX 次回の契約は・・・?
次に契約するのはCGアニメ版『ULTRAMAN』ファイナルシーズンが配信開始される春頃か、あるいはアニメ版『GAMERA -Rebirth-』が出るときかな・・・?。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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