FC2ブログ

映画と日常

週刊映画鑑賞記(2023.4/3~2023.4/9)

トガジンです。

毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

今週観た映画はこちらの2本。
20230409 TOP
どちらも2回目の鑑賞です。
先週、人生の残り時間を考えて「まだ見ぬ新しい作品との出会いを大事にしたい」と書いたばかりなのに・・・。

でも『ライダー』は好きだし、『線は~』は私がエキストラで参加した思い出深い作品だからまあいいや!(笑)。



4/5(水)
『シン・仮面ライダー』
(劇場:福井コロナシネマワールド)
『シン・仮面ライダー』庵野バージョン
初回鑑賞は大阪のIMAXシアターまで足を運びましたが今回は地元の映画館です。
この日は仕事が午後からだったので午前の回を観てきました。

2023-04-05 005
今回初めて分かったことですが、この映画はDOLBY ATOMS音響設計だったのですね。
IMAXは独自の音声方式を採用しているため、オリジナルのATOMS音響設計とは少し違ったサウンドに変換されていた可能性があります。
今回の鑑賞は内容をより深く理解することが一番の目的でしたが、それに加えて制作者が意図した通りのオリジナル音響を楽しめた点でも有意義でした。

『シン・仮面ライダー』入場特典サイン色紙2枚 『シン・仮面ライダー』入場特典ライダーカード
前回の109シネマズの入場特典はライダーカードとIMAXポスター(縮小版)だけでしたが、今回はサイン入り色紙2枚にライダーカードとなんか豪勢でした。

2023-04-05 『シン・仮面ライダー』パンフレット
あと、前回買わなかったパンフレットもブログ執筆用の資料として買いました。
だって「プラーナ」とか「ハビタット」とか「ショッカーの正式名称」とか、映画で聴いただけではチンプンカンプンな謎単語が多すぎますから(笑)。

『シン・仮面ライダー』2回目ライダーカートはクモ先輩と一文字
今回のライダーカードは一文字隼人とクモ先輩でした。

『シン・仮面ライダー』特典ライダーカード 計4枚
前回が1号ライダーと緑川ルリ子だったので、これはこれでバランスが取れたと考えるべきかも?。
でも、本当はクモ先輩よりサソリ姐さんのカードが欲しかったな~(笑)。

【シン・ショッカー考】
『シン・仮面ライダー』シン・ショッカーのエンブレム
2度目の鑑賞でしたが、前回はショッカーの設定がうまく呑み込めないまま見ていたため、今回はショッカー側に注目して見ておりました。
『シン・仮面ライダー』のショッカー・エンブレムには中央に目が描かれています。

フリーメイソンとゼーレのマーク
これは現実世界の裏側で暗躍していると言われるフリー●イソンのロゴのようでもあり、『エヴァンゲリオン』に登場したゼーレのマーク(7つの目)も連想させるデザインです。

今回のショッカーは「世界征服を目論む悪の秘密結社」ではなく、「この世に絶望した人間を救済する」ことを念頭に人類の幸福を追求する集団として描かれています。
ただし、その解釈と行動理念が各々の幹部(オーグ)たちによってまちまちであるため、一度見ただけでは観客に伝わりにくいのがこの映画の難点(の一つ)だと思います。

【他者に隷属することが人間の幸福】
『シン・仮面ライダー』ハチオーグ=ヒロミ
ハチ・オーグことヒロミが語った思想は「自由と思考を放棄して他者に隷属することが幸福につながる」というものでした。
これは庵野監督が脚本を書いた『シン・ウルトラマン』でメフィラス星人が語っていた話そのままです。

【ハビタット計画】
『シン・仮面ライダー』イチロー
一種の生命エネルギーであり生物にとって魂そのものである「プラーナ」がライダーをはじめショッカーのオーグ(改造人間)たちのエネルギー源であることはなんとなく理解しました。
ショッカー幹部の一人:緑川イチローは、そのプラーナ(魂)を抜き取って肉体(心の壁)の無い世界:ハビタットへ全人類を集約しようと考えます。
これは『エヴァンゲリオン』旧劇場版で見せた「人類補完計画」そのまんまです。

『シン・仮面ライダー』ルリ子
「そのハビタットとはどんな世界か?」と問われたイチローの妹ルリ子は「地獄よ」と即答して兄の理想を全否定します。
この「地獄よ」という言葉には旧『エヴァ』劇場版から四半世紀を経た庵野監督の心情の変化が現れている気がします。

旧劇場版『エヴァンゲリオン』実写パート
TV版『エヴァンゲリオン』最終回放映後と旧『エヴァ』劇場版公開後、庵野監督はインターネットという「匿名で制限の無いメディア」を通じて大勢の(元)ファンからの心無い罵詈雑言を浴びせられて心を病んでしまったそうです。
旧『エヴァ』でも描いた「心の垣根がない世界」を「地獄」と一蹴したことは、庵野監督が旧『エヴァ』で自分を非難した者たちへのアンサーかもしくはリベンジだったのではないかと思っています。

【トガジン的『シン』ワールド一本化】
庵野『シン』ワールド
今回『シン・仮面ライダー』を観返して『エヴァ』や『シン・ウルトラマン』との繋がりが色々見えてきた気がします。
そこで、『シン』シリーズを私なりの解釈で一つの世界観に繋いでみました。

始まりはメフィラス星人から
全ては、ショッカー誕生以前にメフィラス星人が地球にやってきたときから始まります。
生命体を物質(肉体)・精神・エネルギーに分離・再構成するベーターシステムに対して高い適応力を持つ地球人の存在を知ったメフィラスは、「より高等な存在に隷属することが真の幸福である」という理屈を人々に植え付けることで地球人を支配しようと企みます。
そして、メフィラスの言葉に共感したある大富豪が、「人類の幸福」を目的とする秘密組織:ショッカー(持続可能な幸福組織)を創立しました。

『シン・仮面ライダー』ルリ子と二人のライダー
創立者亡きあとショッカーを率いる自立思考型A.I.は「人類を幸福に導く高等な存在」を曲解し、優れた因子を持つ者を改造人間(オーグ)化することでその「高等な存在」を作り出し人類を統率しようとします。
ショッカー幹部の一人:チョウオーグ(緑川イチロー)は、全ての人間から生命エネルギー(プラーナ)を抜き出して一つの生命世界に送り込むことで裏表の無い共栄共存の世界「ハビタット」を作ろうとします。
しかし、この計画はイチローの妹:ルリ子と2人のバッタオーグの造反によって阻止されました。

『シン・仮面ライダー』アンドロイド:K
イチローも含めた全幹部の行動を記録していたアンドロイド:Kは、ショッカー壊滅後行方をくらまします。

『シン・ゴジラ』熱線
メフィラス星人はしばらく影を潜めていましたが、あるとき不死の巨大生物:ゴジラが出現。
東京を火の海と化し、更には日本の国家も壊滅寸前に陥ります。

『シン・ウルトラマン』ネロンガ
「これだ!」と思ったメフィラスは、数体の巨大生物を出現させて自分がそれらを倒して見せるマッチ&ポンプ作戦で人類の信用を得ることで再び人類の隷属化計画を進めようとします。
地球人は最初のうちこそゴジラの時の経験を生かして自分たちの力でなんとか対処しましたが、次々に出現する巨大生物の力はどんどん増していきます。

『シン・ウルトラマン』後期スペシウム光線
メフィラス星人が「そろそろ自分の出番か?」と思ったそのとき!。
光の星からウルトラマンがしゃしゃり出て来て計画を妨害されてしまいます。
業を煮やしたメフィラスは自らウルトラマンと直接対決して地球人類の隷属化を進めようとしましたが、遂に光の星の上層部まで出張ってきたためメフィラスはやむなく地球を去ります。

『エヴァンゲリオン』ゼーレのリモート会議
その後、かつてメフィラスが持ち込んだ「隷属化による幸福」の理念はショッカーからゼーレと呼ばれる別の闇組織へと受け継がれました。
そしてKの記録に残っていたハビタット計画の内容も復元され、それが「人類補完計画」と名を変えて実行に移されます。
この時には、いちいちプラーナを吸収せずともベータ―システムを使えば簡単に出来るようになっていました。

使途=ウルトラ兄弟?
さらにゼーレとその配下機関ネルフは、地球に居残っていたウルトラマンを捕えて地底深くに幽閉していました。
それを察知した光の星はウルトラ戦士を次々に地球へ派遣します。

エヴァ初号機
ゼーレとその配下機関ネルフはウルトラ戦士たちを「使徒」と呼んで敵対し、そればかりかウルトラマンの遺伝子を元に作り出した巨大人造人間エヴァンゲリオンを使って迎撃します。

『エヴァQ』シンジとカヲル
使徒の中にはかつてのウルトラマンと同じようにベータ―システムで人間の姿に化けてエヴァンゲリオンの少年パイロットと直接コンタクトを試みた者もいました。
しかしエヴァンゲリオンに搭乗する少年少女たちはそんな世界の背景など何一つ知らされてはいなかったのです。


・・・とまあ、かなり大雑把ですがこんなんでどうでしょう?(笑)。



4/7(金)
『線は、僕を描く』
(ホームシアター:Blu-ray)
『線は、僕を描く』ポスター画像
昨年劇場で観た映画です。
感想は劇場公開当時(2022年11月)の記事に書いていますのでそちらをご参照ください。

>週刊映画鑑賞記(2022.10/31~2022.11/6)

私はこの映画の冒頭シーンの撮影にエキストラの一人として参加しています。
劇場で確認出来ただけでも4カットに映っていましたが、先日発売されたブルーレイソフトを購入してもう一度見ることにしました。
普段ならまず見ることのないジャンルの映画ですが、自分が映っているとなれば話は別です(笑)。
エキストラとして参加して1カットでも映っていたら、どんなジャンルの作品でも記念碑的意味合いで必ずブルーレイを買うことにしているのです。

『線は、僕を描く』
だから今回も迷うことなく予約購入しました(笑)。
劇場では気付かなかったモブシーンの中に小さく映っているかも知れませんし、メイキング映像のどこかに映り込んでいる可能性もありますから。

2021-10-20 現場へ移動
撮影に参加した日は2021年10月20日。
場所は滋賀県の多賀大社境内。
我が家から高速を使って2時間弱で行ける距離です。

ちなみにこの写真は、当日の朝、集合場所から現場へ移動する途中でこっそり撮影したものです。
画面の奥には「写真撮影はご遠慮ください」という注意書きを持ったスタッフのお姉さんが立っています。
お姉さん、スタッフの皆さん、ゴメンナサイ・・・。

『線は、僕を描く』この中に私もいます
この日の撮影内容は、映画冒頭に登場する篠田湖山(演:三浦友和さん)の公開揮毫会の場面でした。
集められたエキストラは総勢270名!。
小泉監督自身が前日ツイッターに「この日の撮影は凄いことになる」と書かれていたほど重要なシーンです。

映画館で見たときは視認出来なかったのですが、画面左下あたりに会場へ近づいていく私の姿が豆粒みたいに小さく映っています。
今回ブルーレイを静止画&コマ送りにして、画面を舐め回すように見てようやく発見しました。

『線は、僕を描く』顔は隠れますが実はこの中にいます
この観客の中にも私がいます。
この日の撮影で観客側にカメラが向いた数少ないショットで、私は「この期を逃してなるものか!」とササッとカメラのレンズが見える位置に移動してちゃっかり映り込んできました。
(↑の画像は顔バレを避けるためあえて自分の顔が隠れている瞬間のコマを選んでます)
撮影時はたまたま隣にいた初対面のご婦人と夫婦役ということにして二人で篠田画伯の筆さばきに感嘆するという演技をしていましたが、残念ながら実際に使われたショットでは私たちの名演(?)は全く見えていません(哀)。
このアングルのショットは3つのカットに分けて使われたため私も計3回映っています。

『線は、僕を描く』作品に見入るおっさん
この場面の中央で片膝ついて篠田画伯の作品を真剣に見入っているオッサンも私です。
上着を脱ぐことで別の人に成りすましました(笑)。
(これもあえて顔が隠れている瞬間のコマを選びました)

最終的に合計5カットも映っておりました。\(^_^)/
映画自体も一風変わった青春映画として見応えある良作でしたから、二重の意味で満足しています。

『線は、僕を描く』TVカメラマンに注目
ただ、(私が参加した場面ではありませんが)一つだけどうしても気になって仕方がないカットがありました。
この画面の向かって右側。
パーティー会場で誰かのインタビューを撮影(あるいは生中継)しているカメラマンのカメラの持ち方があまりにも変なのです。

『線は、僕を描く』TVカメラの持ち方が変すぎる!
なんと右手で上部のハンドル部分を握って本体を固定し、左手は本体下部に添えて支えています。
彼はどうやってピント合わせやズームなどのレンズ操作をするつもりなのでしょうか?。
商売柄、私はこういった同業者役の間違いに気付いてしまうことが多く、見ると気持ちが醒めてしまうのです。

ああっ、私がこの撮影現場に居てあげられたならこんな間抜けなカメラマンを登場させずに済んだのに!。
誰か教えてやる奴はいなかったのか!?。
ていうか俺に演らせろ!。

TVカメラの正しい持ち方(ハンディ)
ちなみに放送用TVカメラの正しい持ち方はこうです。
あと、右目は当然ファインダーを見ていますが、撮影中は左目も開けていて被写体周辺の様子をチェックしていて臨機応変に撮影出来るようにしています。

『線は、僕を描く』メイキング 監督挨拶
ブルーレイの特典ディスクに収録されていたメイキング映像には私の姿は映っていませんでした。
『ちはやふる-結び-』と『るろうに剣心-The Beginning-』は本編だけでなくメイキングにもガッツリ映っていたのになあ・・・残念!。

撮影終了後、小泉監督と横浜流星さんが総勢270名のエキストラに挨拶してくれました。
この時私はエキストラ陣の後方にいたためこの画面には映っていません。
でも、この時の小泉監督と横浜流星さんの言葉は当時私が聞いたそのままでした。
あの日(2021年10月20日)、私は確かにあの場所(多賀大社)でこの270名のエキストラの中に居たのです。
そう思って見ているうち、あの日の楽しかった思い出が蘇ってきました。

『線は、僕を描く』メイキング エキストラ参加者への記念品
メイキングの中で主演の横浜流星さんとヒロイン役の清原果耶さんが、参加したエキストラ全員に配られた記念品のノートの話で盛り上がっていました。
清原さんは、映画の中では「顔は怒っているのに心は泣いている」といった難しい役柄もしっかり演技で表現していて「まだ十代(撮影当時)なのに凄い女優さんだな~」と思いながら見ていたんですが、メイキングビデオでケラケラ笑いながら横浜さんとふざけ合っている彼女はやっぱり十代の少女そのまんまでした。

そして、私たちエキストラがボランティア(ノーギャラ・ノー移動費)で協力していることに対し、主演のお二人が感謝してくれているの見てなんだか嬉しくなりました。

2021-10-20 記念品
しかも、私たちがもらった記念品のノートに描かれていた水墨画は、清原果耶さん自身が(本物の水墨画家:小林東雲先生の手ほどきを受けながら)描いたものだそうです。
初めて知りました!。
これは大事にせねば!!。


<(_ _)>
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
スポンサーサイト



COMMENTS

2 Comments

There are no comments yet.

へろん  

うわあ……使徒の正体はウルトラ戦士ですか(@o@)
面白いです!! 救いがなさそうだけど……(^^;)

高次な存在への隷属による幸福……って個人的にはある意味一神教がそれだと思うんですよね。そちらの方からは怒られますけど……幹部によって方法がまちまちというのも何だかリアリティのある話ですね。宗教組織でもありそうなことですし、一人一人の考えが違って泥沼化してる某党もあるし……(--#)

2023/04/11 (Tue) 21:50 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

今回のショッカーはなんとなく宗教じみて見えました

へろんさん、コメントありがとうございます。

>使徒の正体はウルトラ戦士

実は『ヱヴァ新劇場版』の「序」か「破」であの4体のウルトラマンっぽい使途の画を見た時からそんな気がしていたんですが、今回庵野監督絡みの4作品のストーリーを統合してみて、一番筋が通っているように思えたのがあの設定だったんですよね。

でも、これはあくまで私個人の勝手な解釈でしかないので笑って許してやってください。<(_ _)>

>幹部によって方法がまちまち

庵野監督の頭の中には『シン・仮面ライダー』続編の構想もあるそうです。
考えてみれば今回ライダー達が倒したのはショッカー幹部のうち6体だけであって、ショッカー自体はまだ健在なんですよね。
もし続編が実現したら、ショッカーの大ボス(旧作で言う首領)との対決がメインになると思います。
首領は”I(アイ)”と呼ばれる人工知能という話でしたから、『ヱヴァ』のマギ・コンピューターや『サイボーグ009』のブラックゴーストの首領みたいに3つの役割に分かれている・・・とかやりそうな気がします。
へろんさんが書かれた「一人一人の考えが違って泥沼化してる某党」を見てそんなことを考えてしまいました(笑)。

それと、TV版『ヱヴァ』最終回サブタイトル「世界の中心でアイを叫んだけもの」にも何か絡めてくるかも?。

2023/04/12 (Wed) 00:43 | EDIT | REPLY |   

REPLY

Leave a reply