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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2023.5/1~2023.5/7)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

先週火曜日から今日まで13日間一日も休みが無かったため、今週は長編映画は一本も観ておりません。
そもそも他人様の行楽の様子を撮影したり映像で盛り上げたりするのが仕事なのでGW中は大事な稼ぎ時なのです。
期間中は夏日に近い暑さが続いたこともあり、帰宅後も2時間前後の映画を観ることは時間的にも体力的にも無理でした。

20230514 TOP
その代わりと言ってはなんですが、1時間以内で見られるようなアニメや短編ドラマをちょこちょこ見ておりました。
今週はそういった小品たちの感想です。



『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(シーズン5)🈠
(ホームシアター:ディズニープラス)
『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』シーズン5
8月から『スター・ウォーズ』スピンオフドラマの最新作『アソーカ』が配信スタートします。
「それまでにアソーカ・タノが登場する『クローン・ウォーズ』の残りと『反乱者たち』を見てしまわねば!。」と、先週火曜からシーズン5(全20話)を一日1~2話づつ見ておりました。
このペースでいけば、5月中には『クローン・ウォーズ』全シーズンを見終えることが出来そうです。

シーズン5では他のスピン・オフ作品とも関連する重要キャラクターが多数登場しています。

『クローン・ウォーズ』シーズン5 ソウ・ゲレラ登場
『ローグ・ワン』『キャシアン・アンドー』でフォレスト・ウィテカーさんが演じていたソウ・ゲレラの若い頃が描かれていました。
彼は帝国による傀儡政府から母星を解放しようと戦うゲリラのリーダー格であり、彼には妹がいたことも分かりました。
『ローグ・ワン』で足を失い戦いに絶望していた老年のゲレラを見ていたので、このあと彼の身に何が起こるのか気になります。

『クローン・ウォーズ』シーズン5 ダース・モール復活
シーズン4のラストで電撃復活を果たしたダース・モールが本格的に始動します。
スピンオフ映画『ハン・ソロ』にも黒幕としてチラッと登場しましたが、『クローン・ウォーズ』を見ていなかった人は「え?なんで?」と戸惑ったことと思います。
今後も『スター・ウォーズ』ユニバースと付き合い続けるのであれば、ドラマ版だけでなく『クローン・ウォーズ』や『反乱者』などのアニメシリーズも見ておく必要があります。

『クローン・ウォーズ』ボ=ダカーン&オビ=ワン
『マンダロリアン』で大活躍したボ=カターン・クライズも登場し、オビ=ワン・ケノービとの意外な接点(ボ=カターンの姉はオビ=ワンと恋仲だった)が描かれました。
もし帝国の時代までボ=カターンが生き延びていたとしたら、ドラマ『オビ=ワン』のシーズン2以降に彼女が再登場する可能性もありそうです。

『クローン・ウォーズ』シーズン5 濡れ衣を着せられたアソーカ
ラスト4話はアソーカ・タノの転機を描くエピソードで、アニメ版とは思えないくらい見応えありました。
アソーカはジェダイ聖堂爆破犯と殺人犯という二つの濡れ衣を着せられますが、彼女の無実を信じてくれたのはアナキンとパドメの二人だけでした。
アソーカの無実はアナキンによって証明されましたが、アソーカは自分を信じてくれなかったジェダイ評議会に見切りを付けて何処かへと去ってしまいます。
なるほど、『マンダロリアン』シーズン2に登場したときの彼女が流浪人みたいになっていた理由がこれで分かりました。

『クローン・ウォーズ』シーズン6 オーダー66の兆候
あと、続くシーズン6も冒頭4話まで見ています。
ジェダイの良き部下であり仲間であるクローン・トルーパーの一人に、インプットされていた隠しプログラム「オーダー66」の兆候(プログラムのバグ)が現れるという話でした。
『クローン・ウォーズ』は映画本編エピソード2と3の間の話ということなので、このままあの悲劇へと向かうことは分かっています。
でも、このシリーズを見続けているうちクローンたちに情が移っているせいかその不気味さは『シスの復讐』以上でした。

ところで。
クローン・トルーパー役:金田明夫さん
私は『スター・ウォーズ』アニメ版シリーズは吹替えで見ていますが、シーズン6の1話から4話では何十人ものクローン・トルーパーの吹替えをたった一人で演じ分けた金田明夫さんの凄さを改めて感じました。
クローンといえども各々の経験の違いによって意外にトルーパーたちは個性豊かなのです。
そんな彼らを全く混乱することなく見ていられるのは金田さんの吹替えのおかげです。m(__)m



『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』(全8話)🈠
(ホームシアター:NHKBSプレミアム録画)
藤子・F・不二雄SF短編ドラマ
『ドラえもん』『キテレツ大百科』などでお馴染みの藤子・F・不二雄先生のSF短編マンガをNHKがドラマ化しました。
1話あたり15分(最後の『流血鬼』のみ前後編で30分)なので、空いてる時間に見るのにちょうど良かったです。

ただ、(どれとは言いませんが)中には俳優さんの演技が気合入り過ぎで煩わしく感じてしまったり、原作漫画に忠実であろうとする演出や絵作りが陳腐に見える作品があったのは事実です。

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「定年退職」
そんな中で、非常に好印象だったのは元ドリフターズの加藤茶さんが主演した『定年退食』でした。
原作の「静かに忍び寄ってくるディストピア」の感じがよく出ていたと思います。

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「定年退職」加藤茶
そういえば、加藤茶さんの演技を見るのは何年ぶりでしょうか?。
長年の経験で培われた素晴らしい演技力をお持ちの方なので、これからももっと映画やドラマで活躍していただきたいです。
亡くなられたいかりや長介さん・志村けんさん・仲本工事さんの分も・・・。

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「定年退職」加藤茶と井上順
友人の吹山(演:井上順)をはじめほとんどの大人や老人が長髪にしていて、逆に若者は髪を短く切ることで体勢への反発心を示すサインにしている点に原作が描かれた時代性を感じました。
原作が発表された1973年には男が長髪にすることを異端視する風潮がありましたが、この漫画ではその真逆を描いていたのですね。

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「定年退食」順・ブー・茶
実は漫画を読んだときはそれほど気にしていなかった部分だったんですが、今回のドラマの井上順さんと高木ブーさんのロン毛姿があまりにも似合っていなかった(笑)ことで藤子先生がこの作品に込めていた皮肉に気が付きました。

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「親子とりかえばや」
良かった作品をもう一つ。
吹越満さん主演の『親子とりかえばや』も原作漫画の味を壊すことなく実写化に成功していました。

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「親子とりかえばや」一場面
多分、吹越さんの(良い意味で)肩の力が抜けた演技が、藤子漫画の世界観に合っていたんじゃないかと思います。

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「親子とりかえばや」ロボットダンス
あと、今作には主演の吹越さんに関わる粋な演出がありました。
息子と心が入れ替わった父親(吹越)は、息子の恋人と一緒に行ったディスコ(今はクラブと呼ぶらしい)でロボットダンスを披露したのです。


知ってる人は少ないかも知れませんが、俳優としてデビューする前の吹越満さんはロボコップの物真似芸人として有名でした。
本作で実際にロボットダンスを踊ってみせたのは吹越さんご本人ではなく息子役の青木柚さんでしたが、中身は父親(吹越さん)という設定なのでこのダンスをチョイスしたのだと思います。
やるではないか、NHK!。

藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「流血鬼」原作に忠実な絵作り
ただ、藤子・F・不二雄先生の漫画は基本的に実写化には向いていない気がします。
各作品とも原作に忠実な映像化を心掛けていると見受けましたが、(ごく一部の成功例を除いて)かえって藤子先生の漫画が持つ絶妙な間合いを殺してしまっていました。
藤子先生の漫画は絵もセリフ回しも非常にシンプルでしかも無駄がありません。
背景も余白が多いですが、それがかえって読者の想像力を掻き立てる効果を生んでいます。
しかし、実写映像では生きた俳優が実景の中でキャラクターを演じることでその余白が埋められてしまうため、藤子先生のS(少し)F(不思議)な感覚から現実に引き戻されてしまうのです。

『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』は6月にあと3本放送されるそうです。
色々文句を書きましたが、子供の頃からの藤子漫画ファンとして新作の放送を楽しみにしています。


<(_ _)>
今週は小ネタ集でスミマセン。
お付き合いいただきありがとうございました。
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COMMENTS

4 Comments

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しろくろshow  

まったく同感です

こんばんは。

SF短編私も見ましたが確かに_

>>藤子・F・不二雄先生の漫画は基本的に実写化には向いていない気がします。
>>各作品とも原作に忠実な映像化を心掛けていると見受けましたが、(ごく一部の成功例を除いて)
>>かえって藤子先生の漫画が持つ絶妙な間合いを殺してしまっていました。

この部分とても同意しております。

以前別局でやっていた長澤まさみ版の「夢カメラ」なんかも今回のドラマ以上に漫画のコマ割をそのまま映像化していましたけど、やっぱり違和感がとんでもなくありましたね(ーー;) かといってあんまりいじりすぎると「中年スーパーマン」(わたしアレは酷かったと思ってます)みたいな原作の味と完全に遊離したものになってしまうケースもありますし、このへんは塩梅が難しいと思いました。

どうせならここは予算を無視して( ̄▽ ̄;)オール外国人俳優を使った字幕版「カンビュセスの籤」とか宇宙人パートだけフルCGにした「征地球論」とか、極端なヤツを映像化した方がドラマ化には合ってるかもしれませんね。

2023/05/08 (Mon) 19:01 | EDIT | REPLY |   

トガジン  

実写による完コピを目指すより、上手に翻案した二次創作でもよかったのに・・・と思います。

しろくろshowさん、コメントありがとうございます。

藤子マンガの余白(想像の余地)を映像で埋められ、役者の演技で物語や会話の「間」を決めつけられてしまうと、これまで原作から受けてきたイマジネーションがしぼんでしまいますね。

一番ガックリきたのが最後の『流血鬼』でした。
ラストの吸血鬼目線で見た新しい世界をどう表現するのか?と期待と不安半々で見ていたんですが、医者の白塗りメイクでいきなり気持ちが萎えました。
こんなんやったら『トクサツガガガ』第2期やってくれ~と思いましたよ(笑)。
(でもダミアン役の寺田心くんはもう大きくなっちゃったからキャスト変更はやむなしか・・・)

>極端なヤツを映像化した方が

確かに、中途半端に現実世界とイメージが繋がってる話よりも宇宙とか異世界とかを舞台にした作品のほうが実写化には合うかも知れないですね。
ストーリーそのものはこれ以上ないくらい完成しているのですから!。

となると・・・私としては、ウシ星人はCGでいいから「ミノタウロスの皿」所望です。

2023/05/08 (Mon) 23:54 | EDIT | REPLY |   

へろん  

藤子・F・不二雄先生の短編、実写化されてたんですね。
キャプチャーを見るとそれなりにうまくやってるように見えますが、確かに実写化には厳しい作風ですよね。いっそのことアイデアや設定は踏襲しつつ、見た目というか映像的には原作を離れても良いのでは、という気もしますが……。

しかしもとが漫画にせよ小説にせよ、実写化して成功するのはなかなか難しいですね。オリジナルの「刷り込み」も大きいでしょうけど。
ご紹介の作品は大丈夫なように見受けられますが、だいぶ昔に小松左京先生の『影が重なる時』を「世にも奇妙な物語」が実写化した時、原作の設定を完全に無視した(分かってなかった?)描き方に愕然としたことがありました……。

2023/05/12 (Fri) 06:14 | EDIT | REPLY |   

トガジン  

今月末に総合テレビで再放送があるらしいですよ

へろんさん、コメントありがとうございます。

小説の場合は脚色や映像化の巧みさとセンスそしてキャスティング次第では、例えば昭和48年版の映画『日本沈没』のように成功する可能性があると思います。
(逆に同じ原作でも2006年版とか昨年のTVドラマ版みたいな駄作にも成り得ますけど・・・)
でも、漫画の場合はへろんさんの仰る通り最初から観客にビジュアルイメージが刷り込まれていますから、それを越える、あるいは良い方向に裏切ることは本当に難しいと思います。


『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』は、5月29日(月)から地上波(総合テレビ)でも毎日1話づつ放送されるそうです。
話のタネとして(笑)見てみてください。

2023/05/12 (Fri) 20:41 | EDIT | REPLY |   

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