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映画と日常

週刊映画鑑賞記(2023.5/22~2023.5/28)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に鑑賞した映像作品を日記代わりに書き留めています。

20230528 トップ
今週はこの2作品。
どちらも最近WOWOWで放映されたものです。



5/22(月)
『NOPE/ノープ』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)
『NOPE/ノープ』ポスター画像
昨年予告編だけは何度も見る機会があったものの、結局本編は見そびれてしまった作品です。
「上を見る」ことがポイントとなっている映画なので「さぞドルビーアトモスの効果満点だったろうな~」と残念に思っていた。

『ノープ』敵の正体
最初は雲に偽装していたUFOならぬ巨大なクラゲ状の宇宙生物。
地上の生き物を見境なく吸引して捕食する。

まるで・・・
『宇宙大怪獣ドゴラ』
ドゴラやないかっ!。

『ノープ』Gジャン
Jジャンは人間や動物と一緒に余計なものまで吸い込んでしまうため定期的に不要物を放出します。
要するに「ウンコ」ですね。
そうした消化出来なかった金属類が上空からバラバラと落ちてきて、硬貨が頭に直撃した主人公の父親は死亡。
小さなコインといえど雲と同じ高さから落ちてきたらそれはもう銃弾と変わらない威力があるわけで、もの凄く確率の低い現象です。
まさに「NOPE!(あり得ない!)」ですね。
あと、風船や旗など大きな異物を呑み込んでしまうと喉につかえて苦しがって吐き出すという点には宇宙生物というより地球の生き物に近いものを感じます。

『ノープ』捕食された女性
巨大生物の腹の中も描かれていますが、これが風船細工みたいな安っぽい印象で残念でした。
その内部に取り込まれた人が潰されていくこのシーン。
これもどこかで見たことある気がしたんですが、このときはまだモヤッとした感じが残る程度でした。

『ノープ』スライディングブレーキ
そのモヤモヤは後半でハッキリしました。
バイクを真横にスライディングして止めるこのショット!。

『アキラ』スライディングブレーキ
日本のアニメ映画『アキラ』の有名なあの場面そのものです。
ここで一気にイメージが繋がりました。

『アキラ』鉄男に吸収されるカオリ
前述の巨大生物に捕食されていく女性の場面。
あれは『アキラ』の終盤で巨大化する鉄男に少女:カオリが呑み込まれ潰されていくショットと重なります。

ジョーダン・ピール監督はアニメ『アキラ』の大ファンであることを公言しており、『アキラ』実写映画の監督をオファーされたときは「好き過ぎて」断ったという逸話があるくらいです。
また、他のジャパニメーション(『エヴァ』等)も色々お好きだそうで、『NOPE/ノープ』と『アキラ』だけなく他の日本アニメとの関連性を探してみるのも一興かと思います。

『ノープ』ドラマ撮影中に出演者を襲うチンパンジー
映画の要所要所に、昔のTVドラマの撮影中、演技が出来るように飼育されていたチンパンジーが突然暴れ出して出演者を襲うシーンが挿入されています。

『ノープ』狂暴化したチンパンジー
ジョーダン・ピール監督と主演のダニエル・カルーヤさんが黒人であることや、唯一被害を免れた子役がアジア系だったことを考えると、一見「人種差別批判をチンパンジーに託して描いている」としか見えません。
しかし、その解釈だけではチンパンジー関係のシーンと映画全体のストーリーとが乖離し過ぎな気がします。
「人種差別云々」以外にも、Gジャンに繋がる何か別の意図があるのではないか?。
あと1~2回見返したら何か掴めるかも知れませんが、あと1~2回も見たいとは思わない映画だったのでこのモヤモヤを抱えたまま生きていこうと思ってます(笑)。



5/26(金)
『スプーン一杯の幸せ』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)
『スプーン一杯の幸せ』ポスター画像
何故だ!?。
『NOPE/ノープ』以上に全く理解出来ません!。
金曜日のゴールデンタイムに50年前のアイドル映画を放送したWOWOWの狙いが一体何なのか!?(笑)。

桜田淳子「わたしの青い鳥」の頃
主演は桜田淳子さん。
山口百恵さん・森昌子さんと共に大人気を博したアイドル歌手です。
この『スプーン一杯の幸せ』が桜田さんの初主演作です。
桜田さんは元々歌手よりも女優志望だったそうで、このあと映画やTVドラマだけでなく舞台にも出演するなど演技の仕事が多くなり、80年代初頭には歌手活動を完全停止して女優一筋に転向していきます。

『スプーン一杯の幸せ』コーチ依頼
劇場公開は昭和50年4月26日。
ライバルとも言える山口百恵さんと三浦友和さんコンビの第2弾『潮騒』と同じ公開日です。

大まかなストーリーは、女子高生:乃里子が新任の先生に恋をするが、その先生は自分の母親に惚れてしまって失恋するという他愛ないもので、アイドル映画の域を出ていません。
また展開も結構無茶苦茶で、例えばその先生にバトミントン部のコーチになってくれるよう依頼するのですが、先生のバトミントン経験がどれほどのものなのかが全く描かれていないため「それでいいのか?」と何度も思考停止してしまう雑なシナリオです。

『スプーン一杯の幸せ』無意味なウサギ跳び
昭和50年という時代を感じたのがこのウサギ跳びのシーンです。
現在では「トレーニング方法としては百害あって一利なし」と判明して廃止されましたが、当時の教師にはまだ軍国教育を受けた人が多かったこともありスパルタ特訓法として指導者側には好まれていたようです。
あの頃は私も少年野球をやっていて、この無駄なウサギ跳びを散々やらされました。
途中でへたばったり足の痛みを訴えると先生やコーチから「この根性無し!」と罵倒されたものです。
もし、タイムマシンであの頃に戻れたならあの根性論だけの無能な体育教師をぶん殴ってやりたいです。

『スプーン一杯の幸せ』スプーン一杯の
桜田さんの所属事務所がリアルでも交際が噂されるようになった東宝の百恵&友和コンビを見て、「淳子に悪い虫が付いたら大変だ」とでも考えたのか相手の先生役にはかなり年上の黒沢利男さんを配しています。

『スプーン一杯の幸せ』安心の同級生男子
さらに、桜田さん演じる乃里子に想いを寄せる同級生の男子バトミントン部キャプテン役には(俳優さんには失礼ですが)ご覧の通りの非イケメンを配役。
淳子ファンには安心して見ていられるでしょうが、映画としての面白さは皆無に等しいです。


事務所や映画会社にそんな余計な気遣いをさせてしまう桜田淳子さんの当時の人気とはいかほどのものだったのか?。

『がきデカ』メインキャラ
当時の人気マンガ『がきデカ』のジュンちゃんというキャラのモデルになっていたくらいです(笑)。
ちなみにモモちゃんのモデルは山口百恵さんで、モモちゃんとジュンちゃんは姉妹という設定でした。
西條くんはもちろん西城秀樹さんがモデルです。
しっかり者のモモちゃんと違って、ジュンちゃんはこまわり君をも手玉に取ってしまうことがある程自由奔放なキャラクターでした。
作者の山上たつひこ先生は桜田淳子さんにそんなイメージを持っていたのかも知れません。
でも、そういえば郷くんとかゴローくんとかマサコちゃんというキャラは出ていなかったような・・・?。

『スプーン一杯の幸せ』朗らか淳子
残念ながら『スプーン一杯の幸せ』は興行的には失敗だったらしいですが、桜田さんはこの初主演作ですでに特異な演技の才能の片鱗を見せています。
慕っている実父や恋する相手の前ではこんな朗らかで眩しい笑顔を見せていますが・・・。

『スプーン一杯の幸せ』邪険淳子
先生と最初に出会った時や母の再婚話を聞かされたときには、まるで二重人格者の如くこんな邪険な表情も見せています。

『病院坂の首縊りの家』桜田淳子一人二役
女優としての桜田さんといえば、私としては市川崑監督の『病院坂の首縊りの家』の一人二役が特に印象深いです。
歌で鍛えた声の張りの良さに加えて目力が強く、どんな枠柄も素直に受け入れる器の大きい演技力に初めて見たときには「クッククック~」と可愛く歌っていた彼女のイメージが吹っ飛んでしまうくらい驚いたものでした。

桜田淳子 合同結婚式
その桜田さんが”あの振興宗教”に入信したのは19歳の時でした。
ということは、17歳のこの頃は精神的にはまだ清らかなままだった(筈)です。
でも、それほどのファンでもなかった私の目からもあの合同結婚式のニュースはショックが大きかったです。
百恵さんの幸福な結婚式とは対照的で、まるで軍隊の出兵式のような印象がありました。

30年ほど前桜田淳子さんが住んでいたマンション
あと、桜田さんは結婚後しばらくの間(1990年代後半?)我が福井県で新婚生活を送っていたそうです。
彼女が住んでいたマンションは今も健在で、数年前に友人からその話を聞いた時には「じゃあ、その頃はこの辺りをあの桜田淳子が歩いていたのか~」と私もつい物思いに耽ってしまいました。
なにせ芸能人なんて滅多に来ない田舎なものですから(汗)。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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