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映画と日常

光の速さで駆け抜けろ

トガジンです。

昨年末のスクリーン張り替え以来、また高い買い物をしてしまいました。
FIBBR ULTRA8K II
FIBBR社の最高級光ファイバーHDMIケーブルULTRA 8K II (1m)です。

値段は一本7万円

もう一度書きます。
1メートルのHDMIケーブル一本7万円です。
7千円ではありません。
7万円です。

現在の価格コムで最安店となっているAVACさんでは約7万5千円で売られていますが、私は大阪の某老舗オーディオショップで7万円ちょうどで買えました。
このショップは、最初にビクター製プロジェクター(DLA-HD1)を購入したとき大変お世話になったお店です。
そのため今でも時々HPをチェックしていて、そのおかげで5千円近くも安く買うことが出来ました。

FIBBR ULTRA8KII 購入 FIBBR ULTRA8KII 開封
パッケージは3方向に開くSFチックなデザインで、中には厳重に梱包されたケーブルが収まっています。
ケーブルを固定するマジックテープ一本一本にも「FIBBR」のロゴが印刷されていました。
梱包にもしっかりコストをかけている製品です。

FIBBR ULTRA8KIIで接続
この7万円のケーブルでDP-UB9000(UHD-BDプレーヤー)とAVアンプを接続しました。
今までは映像と音声をそれぞれ別のケーブルで伝送するセパレート接続にしていましたが、これからは映像も音声もこれ一本で接続します。
このケーブルにはそれだけのポテンシャルがあると信じているからです。



【従来の接続方法について】
FIBBR ULTRA8K II(代理店HPより)
私が光ファイバーHDMIケーブルを買うのは今回が初めてではありません。

FIBBR KING-A 方向性
3年ほど前から同じFIBBR社のKING-Aというケーブル(3m)でUHD-BDプレーヤー→プロジェクター間を直結しておりました。
従来のメタル(銅線)ケーブルから光ファイバーに変えたときの画質向上は凄まじいものがあり、まさに「ベールを何枚も剥がしたかのようなクリアな映像」に変化しました。
「HiVi」などでいつもメーカーの提灯持ちライターが書いているような美辞麗句ですが(笑)、この時ばかりはこれしか表現する言葉が見つからなかったです。

BELKIN Kordzの銅線HDMI
それまで私が使っていたメタル(銅線)HDMIケーブルはBELKINやKordzといった信頼のおけるメーカーのものばかりでした。
それらは当時の私が「これが最高!」と信じて買ったものばかりであり、今でもその時の選択は間違っていなかったと思っています。
しかし、光ファイバーケーブルの高画質・高音質を体験した今となっては以前のメタルケーブルにはもう戻れません。

映像/音声セパレートHDMI端子装備
また、現在の映像機器(BDレコーダーやプレーヤー等)にはHDMI出力端子が2つ付いているものが増えています。
これは映像をテレビやプロジェクターに音声はAVアンプに分けて直接接続するためのものです。
映像と音声を一本のケーブルで一緒に伝送するのではなく、二本に分けてそれぞれを専用ラインで伝送することで各ケーブルの負担を減らし少しでも画質・音質の劣化を防ごうというものです。

3mのKING-Aがあまりにも良かったため、「音声専用のほうも光ファイバーに替えたらどんなに凄い音が聴けるのだろう?。」と1.5mのKING-Aも購入して音声専用に使ってみましたが、接続も設定も間違っていないのに何故か映像も音声も出なくなってしまいました。
ホームシアターの先達さんたちのブログを拝見して回ったところ、FIBBRの光ファイバーHDMIは光変換に多くの電気を喰うため一台のプレーヤーにKING-Aを2本繋ぐと電力不足になって画も音も出なくなってしまうと分かりました。

SIKAI 光ファイバーHDMI
そこで、アマゾンで売っているMOSHOU SIKAIという中国メーカーの安い光ファーバーHDMIケーブルを音声専用に使ってみたところ電力不足は起こりませんでした。
しかもこのMOSHOU SIKAIは1mが約6千円、3mでも7~8千円と安価で、それでいながら従来の銅線HDMIケーブルより遥かに画質・音質が良く品質も安定しています。
結局、私はホームシアターシステムの全てのHDMIケーブルを光ファイバーケーブルに交換してしまいました。

こちらがその時点での接続図です。
以前のセパレート接続図
APPLE TV、PS3などHDMI出力端子が一つしか無い機器はAVアンプ経由でプロジェクターに映像を送ります。
また、UHD-BDプレーヤーに次いで使用頻度が高いAPPLE TVはKING-Aの1.5mで接続しました。



【メタル(銅線)と光ファイバーの違いについて】
メタル(銅線)ケーブル内の信号状態
↑の画の黒い塊はデジタル信号(0 or 1)です。
メタルケーブルは映像・音声信号をそのまま電気信号として伝送しますが長さに比例して信号の減退率が高くなっていきます。
1~2m程度ならまだ信号ロスは少ないですが、距離が延びれば延びるほど信号は劣化していき、5mを越えるともはや原型を留めなくなってしまいます。
こうなるともはやオリジナルの映像・音声とは別物で、受信機側で大幅に補間されたニセ信号を見せられていることになります。
いや、酷い時には映像が乱れたり出なくなったりすることも多いです。

光ファイバーケーブル内の信号状態
光ファイバーケーブルは送出側のプラグ内で電気信号を一度光信号に変換して伝送し、受信側で再び映像・音声信号に戻すという仕組みになっています。
そのため距離による信号劣化は原理的に生じません。
変化があったとすれば、それは信号変換部や光ファイバー導体の性能差によるものです。

ULTRA 8K II イメージ
今回導入したFIBBRのULTRA 8K IIは変換ロスを極限まで抑えた光ファイバーHDMIケーブルの最新型です。
これならば、色々と面倒なことが多いセパレート接続をやめてシンプルで操作性が良いシングル接続に戻すことも可能だと判断しました。

上記の話を分かりやすく擬人化イラストにしてみました。
(キャラクターは「いらすとや」さんのフリー素材を借用しています)

1、獣道を一人で走るようなもの
これが従来のメタル(銅線)ケーブルによるシングル接続のイメージです。
映像と音声という二つの荷物を持って荒れた山道(銅線)を走るようなものですから、長距離を走るにはかなり辛く、疲れてダウン(信号ロスト)するのも早いです。

2、獣道では二人で荷物を分けて走っても辛さは同じ
そこで、走者を二人に増やして映像と音声を分担して運ばせるセパレート接続が考え出されました。
しかし道の悪さ(銅線)は変わらないため「一人で走るよりはいくらかマシ」という程度の差しかありません。

3、光ファイバーHDMI=整備されたランニングコース
しかし、光ファイバーHDMIケーブルの登場で環境は大きく変わりました。
綺麗に舗装されたランニングコースになったことでランナーの負担は大幅に低減されます。
信号ロスは皆無となり、どんなに長距離であっても苦にならなくなりました。
これならば映像信号と音声信号を別々に伝送するメリットも確実にあります。

4、映像も音声も一人でOK!
そして、今回新しく購入したULTRA 8K IIは「走りに特化した陸上競技場のトラック」のようなものです。
ランナーにとって最高のコンディションなので、二つの荷物を持った状態でもストレス無く走ることが可能です。



【接続】
従来のセパレート接続 DP-UB9000背面
こちらはUHD-BDプレーヤー:DP-UB9000の背面端子部です。
従来はこのように映像用と音声用の二本のケーブルを使ってそれぞれをプロジェクターとAVアンプに直結していましたが・・・。

シングル接続復活 DP-UB9000
今回、音声専用出力ケーブルは撤去し、映像/音声端子からプロジェクターへ直結していたKING-A(3m)をULTRA 8K II(1m)に付け替えます。
FIBBRのケーブルは、正しく差すとこのようにプラグに仕込まれたLEDが青く光るのが特徴です。

出力にKING-A、入力にULTRA8KII
アンプ側のBD/DVD入力もプレーヤーから映像/音声の両方を送ってくるULTRA 8K IIに差し替えます。
アンプからの出力は、今までプレーヤーとプロジェクターを直結していたKING-A(3m)に付け替えました。
この変更により、プロジェクターの入力2は使用しなくなりました。

変更後の接続図はこうなります。
現在のシングル接続図
接続がシンプルになったことで切り替え操作も楽になりました。
今まではBDプレーヤーを使う時にはプロジェクターの入力を切り替える必要がありましたが、今回の変更によりAVアンプの入力セレクトだけで済むようになりました。



【7万円ケーブルの効能】
ドルビーアトモスデモ映像
画質と音質のチェックに見慣れた「ドルビーアトモスデモディスク」を再生してみました。
映像に関してはAVアンプとプロジェクター間が従来と同じケーブル(KING-A/3m)なのでそれほど大きな変化は感じません。

・・・しかし!。

音は激変しました!!

断言しますが、これは決して「プラシーボ効果」などといういい加減なものではありません
私の駄耳でもはっきり分かるくらいノイズが減り、それと同時に音の解像度と押し出し感とが同時に向上しています。

ドルビーアトモスデモ映像 雨と雷の音
このドルビーアトモスのデモ映像を知らない方には私の言葉は伝わりにくいかも知れません。
「ゴロゴロ」と鳴る雷の音が「うわ、落ちる!?」とビビるくらいに音のパワーが増しました。
そして雨粒が落ちるひとつひとつの音が自分の周囲を取り囲みます。
これまでも音声用にMOSHOU SIKAIの光ファイバーケーブルを使っていたので「あんまり変わらないかも?。」と若干不安がありましたが、実際に使ってみてそのあまりに絶大な効果に驚くばかりです。
同じ光ファイバーHDMIケーブルでも7万円と数千円とでは明らかな格差があることを実感しました。

大満足!
7万円出した甲斐は十分過ぎるほどありました。

こうなってくると、AVアンプとプロジェクター間の3mもULTRA 8K IIに替えたくなってしまいます。
しかし、3mのULTRA 8K IIの値段は最安店でも11万円以上です。
いや、予算的には買えないことはないのですが、ホームシアターグレードアップ計画の次の段階のことを考えて今は自重することにしています。



【シングル接続に戻した理由】
では、私はどうして画質・音質に有利なはずのセパレート接続を捨ててシングル接続に戻したのか?。
それは、映像と音声を別々に伝送することからより生じる音ズレ対策のためです。

DLA-X990R映像設定の一部
現在の多機能テレビやプロジェクターの多くは様々な映像処理機能を備えています。
私が愛用しているプロジェクター:DLA-X990Rも、倍速駆動や4Kアップコンバート、さらには60pから24pへのプルダウン処理(Film Motion)などといった高画質機能が多数搭載されています。
これらを素材に合わせて適切に設定することでX990Rは最高のパフォーマンスを発揮するのです。
しかし、それらの処理を行うためには「一旦メモリーに映像データを取り込む」ことを必要とします。
その「メモリーに取り込む」過程のせいで、最小でも1フレーム、多い時には3~4フレームも映像に遅れが生じるのです。

AVアンプの自動リップシンク機能
そのため、現在のHDMI搭載機器には映像と音のタイミングを補正する「自動リップシンク機能」が備わっています。
プロジェクター側で生じた遅延の情報がHDMIケーブルを介してAVアンプにフィードバックされ、そのデータを元にアンプが画と音のタイミングを自動調整してくれるという機能です。
そのため、HDMI一本で映像と音声を一緒に伝送した場合は音がズレることはありません。

しかし、映像データと音声データをそれぞれ個別に送るセパレート接続ではプロジェクター側の遅延量がAVアンプに伝わりません。
(正確には、遅延量データのフィードバックはされるが対となる音声信号が無いため情報を活かせない。)
そのためアンプの自動補正機能は働かず、映像は音声より数フレーム遅れたままで映写されてしまうのです。
これがセパレート接続における音ズレの原因です。

「プー?」
アニメや日本語吹替え版であれば多少音ズレがあってもほとんど気にはなりません(あるいは気付かない)。
しかし、原語版の実写映画や同時録音のドラマでセリフと口の動きにズレがあると、内容が頭に入ってこなくなるくらい気になってしまいます。
なぜならば。
映像より先に音が聴こえるなんてことは自然界において絶対にあり得ない現象だからです。

「パピプペポ」で音ズレ確認
ちなみに、音ズレは「パピプペポ」か「バビブベボ」発音時の口元を見ると分かりやすいです。
「パ」行と「バ」行は全ての言語に共通して必ず一瞬口を閉じてから発音しますので音ズレ判別がし易いのです。
(ちなみにNHKの生中継現場ではアナウンサーに「パピプペポ」を繰り返し言わせて音ズレ確認をしています)

「ハロー、ピーター」
「ピーター・パーカー」とか「バットマン」など、「パ」行か「バ」行の音で始まる言葉を喋る人物の口元に注意して見聴きしてみてください。
パピプペポ、バビブベボの音と口の動きに違和感が無いなら音ズレ対策は必要ありません。

DP-UB9000の音声ディレイ設定
しかし、音ズレが生じた場合は相応の対策が必要です。
しかもやっかいなことに、その遅延値は映像設定の内容や音声フォーマットによって様々に変化します。
そのため、HDMIセパレート接続していた頃の私はプロジェクターの設定を変えるたびに映画の冒頭部分でパ行かバ行のセリフを探してリップシンク調整を行っておりました。

しかし・・・歳のせいでしょうか?。
いちいちリップシンク調整するのがひどく面倒くさく感じるようになってしまいました。
この無駄な手間から解放されるには、プレーヤーとAVアンプ間を一本のHDMIケーブルで繋いでアンプの自動調整機能を働かせるしかありません。
以前のメタル(銅線)HDMIケーブルの頃は信号減退率が高いために避けていた方法ですが、最高の伝送能力を誇るULTRA 8K IIを手に入れた今なら映像も音声もロスなく伝送することが可能です。

以上を分かり易くイラストにしました。
4、映像が遅れてゴールのタイミングがズレてしまうのコピー
セパレート接続の場合。
映像と音声が一緒に並んでゴール(再生)するべきなのに、映像側にはフレーム変換やノイズリダクションといった足枷が付くためどうしても遅れてしまいます。

5、映像と音声が同時にゴールするよう音声にディレイをかける
そのため、映像の遅れに合わせて音声も同じタイミングでゴール(再生)出来るように遅らせる必要があります。
この遅延設定はユーザーが自分の手で調整しなければならず、しかもかなり神経質で面倒臭い作業です。

6、映像も音声も一人でOK!
しかし、今回最高のコースコンディション(ULTRA 8K II)を手に入れたことで信号ロスやダウンする心配は無くなりました。
そこで、HDMI登場初期と同じように映像データと音声データを一人で運ぶ形態に戻しました。
これならアンプの自動補正機能が正常に働くので、もう手動で調整する必要はありません。

昔こだわって乗っていたマニュアル車からオートマチック車に乗り換えたとき、運転時のストレスが激減したことを思い出します(笑)。
とても良い買い物をしました。



メイン機器ラック
今回、分不相応な高級ケーブルを導入しましたが、正面からのラックの見た目は以前と全く変わっていません。

実は、妻には「操作を単純化した」としか説明していません。
ていうか、今回の新ケーブル購入は妻には内緒だったりします。
ケーブル一本に7万円も使ったことがバレたら何言われるか分かりませんから(笑)。
この記事だけは彼女に見られないよう気を付けなければ・・・(爆汗)。


m(__)m
趣味丸出しの与太話にお付き合いいただきありがとうございました。
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