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映画と日常

『ヨコハマメリー』

トガジンです。

今日は一風変わったドキュメンタリー映画をご紹介します。

ヨコハマメリー』🈠
(ホームシアター:レンタルDVD)
ヨコハマメリー(1)
先日、ラジオの『日曜シネマテーク』という番組で紹介されていてどうしても観たくなってしまいました。

ヨコハマメリー(3)
<概要>
外国人相手の横浜娼婦として名の知れた存在だったメリーさん。
時代が変わって街角に立つ娼婦の姿が消えてもなお、特異な姿で繁華街の街角に立ち続けたという。
しかし、当初は彼女を受け入れていた人やお店も風評を恐れて彼女を締め出し始めた。
そして1995年の冬、メリーさんは横浜から姿を消してしまう。

映画は、当時メリーさんと交流があった人たちの証言で構成されています。
中でも主役格なのは、シャンソン歌手の永登元次郎さん(映画完成前に死去)です。

ヨコハマメリー2S
自身も男娼の経験がある元次郎さんは、正式な住民登録が無いためホームレス扱いである彼女を支援し続けました。
そして、癌で余命幾ばくも無い元次郎さんが故郷に帰ったメリーさんの元を訪ねるところで映画は終わります。

ヨコハマメリー祭
私は横浜という土地をよく知りませんが、メリーさんがあの街のシンボルだったという概念は分かる気がします。
変な例えですが、「奇異な形をした神社のご神体」みたいなものかも知れません。
この場合の「奇異」とは、例えば男性や女性の性器に似た形のものを指します。
昔からそういう形の自然物を、「縁結び」や「安産祈願」のご神体にしてありがたがるのが日本人です。
街中の人々がお祭りの時などには必ず目にしていたその風習を「猥褻だ」「子供の教育に悪い」などの理由で無くしてしまうと、知らず知らずのうちに街の人々の共有記憶が失われてバラバラになってしまうものです。

ヨハマメリー(5)
メリーさんは戦後の横浜の象徴であり、彼女が去ったことで別の街に変貌していったのでしょう。
今の横浜市民が共有しているものは何なのでしょうか?。


横浜の戦後史として良く出来たドキュメンタリーだと思いました。
しかし終盤で、メリーさんに扮した女優が現代の街中を歩いて通行人をギョッとさせるという「作られた」シーンがあります。
ここだけは違和感がありました。
やりたいことは理解できますが、表現がベタすぎます。
本物のメリーさんが映った写真の中の、周囲の人達のリアクションを編集して見せるべきだったと思います。


今日もお付き合いいただきありがとうございました。
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