週刊映画鑑賞記(2023.9/4~2023.9/10)
CATEGORY週刊映画鑑賞記
トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

今週見た長編映画は4Kリマスター版『南極物語』一本のみ。
他の日はNETFLIXで『ULTRAMAN ファイナル・シーズン』を一日2話づつ見てました。
9/6(水)
『南極物語』
(ホームシアター:日本映画+時代劇4K録画)

1983年7月公開作品。
私は動物ものにはまるで興味が無かったため劇場では見ていません。
’85年夏のTV放映を当時付き合っていた女の子と一緒に自室のテレビで観たのが最初です。
彼女は動物好きで映画も『キタキツネ物語』がマイベストと言っていたような子でしたから、彼女に付き合って21型TVとオーディオシステムの組み合わせで二人仲良く寄り添って見てました。
しかし、その子とは同じ年の年末に別れてしまいました。(フラれたとも云う)
彼女と一緒に見た映画の全てがトラウマと化してしまったため『南極物語』も今まで見返すことは一度もありませんでした。
そんなわけで実に38年ぶりの再見です。

公開当時は南極ロケ敢行を大々的に宣伝していましたが、実際には国ごとに南極入り出来る人数が限られていたため本当に南極に行った俳優は高倉健さんだけだったそうです。
このペンギンの群れの中で作業する健さんは本当に南極で撮影した映像ですが、ほとんどの場面はカナダや北海道の寒冷地を南極に見立てて撮影したとのことです。

しかし、南極で撮ったシーンではないとしても、このような本物の吹雪の中で撮影した映像にはやはり圧倒されてしまいます。
以前なにかの映画レビューでも書きましたが、実際に現地で撮影してきた映像には風景のみならずその場の空気そのものが映っていると思います。

この映画にも屋内セットで撮影したシーンが巧みに織り込まれていますが、そこには現地の空気が映っていないためひと目で分かってしまいます。
こういう点は4Kリマスターによる高画質化のもろ刃の剣ということですね。

あと、南極に残された犬たちがいかにして生き抜きいかにして死んでいったかを再現フィルム風に描いていますが、このパートには嘘くささというか作り手の小賢しさを感じます。
特にリーダー犬のリキがタロとジロを庇ってシャチに立ち向かうなど、急に擬人化した表現になるのはひどく興醒めでした。
実在の人物を仮名にして作っていますから完全な再現映画ではありませんが、そこまで架空や想像の話を盛られしまうと真実味が失われます。
余談ですが・・・。
大学時代にTVで好きな子と一緒に見ていたとき、私がドヤ顔でこんな話をして嫌な顔をされたことを今でもよく思い出します。
あの頃の自分は相手の気持ちに想いが及ばない映画通を気取っていただけのガキでした・・・。

越智訓練士を演じた渡瀬恒彦さんは実際には南極に行っていませんが、その演技は本当に犬たちと心が通じて合っているかのような素晴らしいものでした。
それもそのはず。
渡瀬さんは自ら希望して、撮影前にタロとジロを演じる2匹の犬を自宅で飼って信頼関係を築いていたのだそうです。
その成果はラストの再会シーンに確かな形で表れていました。

よく見ると、健さんと渡瀬さんとでは駆け寄ってくる犬の反応が大きく違うのです。
健さんのほうは、タロが駆け寄ってきてそのまま飛びつくべきところをタロは健さんの少し前で一瞬立ち止まってしまいます。
そのタロを健さんはやや強引に自分のほうに引き寄せて再会を喜ぶ演技をしていました。

一方のジロは渡瀬さん目がけてまっすぐ駆け寄っていきます。
ジロ役の犬が渡瀬さんのことが大好きであることが伝わってきます。
渡瀬さんもジロを我が子のように抱きかかえてその場に倒れこんで生還を喜びます。
たとえ相手が犬であろうとも共演者との関係性を大事にする渡瀬さんのプロ意識が、こうした犬との共演シーンに表れていたように思います。

しかし「どんな名優も子供と動物には敵わない」とはよく言ったものです。
健さんがいかに苦悩する演技をして見せようとも、幼い少女の「どうして連れて帰ってくれなかったの?。おじさんなんか嫌い!。」というたどたどしいセリフと泣き顔の前には形無しです。

あと、惜しくも早逝された夏目雅子さんのこの美しさ!。
’83年作品ということはお亡くなりになる2年前のお姿ということです。
「映画は女優を魅力的に撮れれば勝ったも同然」という言葉がありますが、三人の出演女優(うち一人は子役)がこの動物ドラマに潤いを与えてくれていました。

しかし、この映画で女優さん以上に力強いのはやはり本物の南極大陸の映像です。
小賢しい人間ドラマや再現映像など、せっかくの映像美を汚すものでしかありません。
9/4(月)~9(土)
『ULTRAMAN FINALシーズン』🈠
(ホームシアター:NETFLIX)

第一シーズンからずっと見てきましたが、最終シーズンにきてようやく「面白い」と思えました。
実を言うと、このCGアニメシリーズ『ULTRAMAN』に対してはこれまで違和感を払拭出来ずにおりました。
”ウルトラマン”を名乗りながら、光の巨人ではなくアイアンマンみたいなパワードスーツを着た等身大ヒーローということ。
かつて地球にやってきた異星人:ウルトラマンの因子を受け継ぐという点。これは『エヴァンゲリオン』と同じです。
そして何より、(原作漫画を読んでいないせいもありますが)オリジナル実写版の設定&キャラクターの大胆な翻案に着いていくのがやっとという状態だったため、物語やキャラクターの心情などに入り込むことが困難でした。

しかし、ここまで未登場だった元・科特隊員:アラシが登場して窮地に陥った主人公(ハヤタの息子)を救ってからは、急にこの物語が好きになってしまいました。
いいなあ、アニメ版のアラシさん。
イデがオリジナル版とは随分イメージが違っていたのに対し、アラシはあのまま歳をとった感じだったのが嬉しかったです。

あと、「意外な人物が本人も知らぬ間にウルトラマンの遺伝子を受け継いでいた」という展開も面白かったです。
今回初登場の女性ウルトラマン(ウルトラウーマン?)もウルトラの母をイメージしたようなデザインになっていて、その変身(スーツ装着)シーンもまるでセーラームーンみたいでオッサンの目を楽しませてくれました(笑)。

もう一度全シーズン通して見返したいとは思いませんが、もし第4シーズンが作られてレオやアストラや80も登場するなら見てみたいです。
m(__)m
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

今週見た長編映画は4Kリマスター版『南極物語』一本のみ。
他の日はNETFLIXで『ULTRAMAN ファイナル・シーズン』を一日2話づつ見てました。
9/6(水)
『南極物語』
(ホームシアター:日本映画+時代劇4K録画)

1983年7月公開作品。
私は動物ものにはまるで興味が無かったため劇場では見ていません。
’85年夏のTV放映を当時付き合っていた女の子と一緒に自室のテレビで観たのが最初です。
彼女は動物好きで映画も『キタキツネ物語』がマイベストと言っていたような子でしたから、彼女に付き合って21型TVとオーディオシステムの組み合わせで二人仲良く寄り添って見てました。
しかし、その子とは同じ年の年末に別れてしまいました。(フラれたとも云う)
彼女と一緒に見た映画の全てがトラウマと化してしまったため『南極物語』も今まで見返すことは一度もありませんでした。
そんなわけで実に38年ぶりの再見です。

公開当時は南極ロケ敢行を大々的に宣伝していましたが、実際には国ごとに南極入り出来る人数が限られていたため本当に南極に行った俳優は高倉健さんだけだったそうです。
このペンギンの群れの中で作業する健さんは本当に南極で撮影した映像ですが、ほとんどの場面はカナダや北海道の寒冷地を南極に見立てて撮影したとのことです。

しかし、南極で撮ったシーンではないとしても、このような本物の吹雪の中で撮影した映像にはやはり圧倒されてしまいます。
以前なにかの映画レビューでも書きましたが、実際に現地で撮影してきた映像には風景のみならずその場の空気そのものが映っていると思います。

この映画にも屋内セットで撮影したシーンが巧みに織り込まれていますが、そこには現地の空気が映っていないためひと目で分かってしまいます。
こういう点は4Kリマスターによる高画質化のもろ刃の剣ということですね。

あと、南極に残された犬たちがいかにして生き抜きいかにして死んでいったかを再現フィルム風に描いていますが、このパートには嘘くささというか作り手の小賢しさを感じます。
特にリーダー犬のリキがタロとジロを庇ってシャチに立ち向かうなど、急に擬人化した表現になるのはひどく興醒めでした。
実在の人物を仮名にして作っていますから完全な再現映画ではありませんが、そこまで架空や想像の話を盛られしまうと真実味が失われます。
余談ですが・・・。
大学時代にTVで好きな子と一緒に見ていたとき、私がドヤ顔でこんな話をして嫌な顔をされたことを今でもよく思い出します。
あの頃の自分は相手の気持ちに想いが及ばない映画通を気取っていただけのガキでした・・・。

越智訓練士を演じた渡瀬恒彦さんは実際には南極に行っていませんが、その演技は本当に犬たちと心が通じて合っているかのような素晴らしいものでした。
それもそのはず。
渡瀬さんは自ら希望して、撮影前にタロとジロを演じる2匹の犬を自宅で飼って信頼関係を築いていたのだそうです。
その成果はラストの再会シーンに確かな形で表れていました。

よく見ると、健さんと渡瀬さんとでは駆け寄ってくる犬の反応が大きく違うのです。
健さんのほうは、タロが駆け寄ってきてそのまま飛びつくべきところをタロは健さんの少し前で一瞬立ち止まってしまいます。
そのタロを健さんはやや強引に自分のほうに引き寄せて再会を喜ぶ演技をしていました。

一方のジロは渡瀬さん目がけてまっすぐ駆け寄っていきます。
ジロ役の犬が渡瀬さんのことが大好きであることが伝わってきます。
渡瀬さんもジロを我が子のように抱きかかえてその場に倒れこんで生還を喜びます。
たとえ相手が犬であろうとも共演者との関係性を大事にする渡瀬さんのプロ意識が、こうした犬との共演シーンに表れていたように思います。

しかし「どんな名優も子供と動物には敵わない」とはよく言ったものです。
健さんがいかに苦悩する演技をして見せようとも、幼い少女の「どうして連れて帰ってくれなかったの?。おじさんなんか嫌い!。」というたどたどしいセリフと泣き顔の前には形無しです。

あと、惜しくも早逝された夏目雅子さんのこの美しさ!。
’83年作品ということはお亡くなりになる2年前のお姿ということです。
「映画は女優を魅力的に撮れれば勝ったも同然」という言葉がありますが、三人の出演女優(うち一人は子役)がこの動物ドラマに潤いを与えてくれていました。

しかし、この映画で女優さん以上に力強いのはやはり本物の南極大陸の映像です。
小賢しい人間ドラマや再現映像など、せっかくの映像美を汚すものでしかありません。
9/4(月)~9(土)
『ULTRAMAN FINALシーズン』🈠
(ホームシアター:NETFLIX)

第一シーズンからずっと見てきましたが、最終シーズンにきてようやく「面白い」と思えました。
実を言うと、このCGアニメシリーズ『ULTRAMAN』に対してはこれまで違和感を払拭出来ずにおりました。
”ウルトラマン”を名乗りながら、光の巨人ではなくアイアンマンみたいなパワードスーツを着た等身大ヒーローということ。
かつて地球にやってきた異星人:ウルトラマンの因子を受け継ぐという点。これは『エヴァンゲリオン』と同じです。
そして何より、(原作漫画を読んでいないせいもありますが)オリジナル実写版の設定&キャラクターの大胆な翻案に着いていくのがやっとという状態だったため、物語やキャラクターの心情などに入り込むことが困難でした。

しかし、ここまで未登場だった元・科特隊員:アラシが登場して窮地に陥った主人公(ハヤタの息子)を救ってからは、急にこの物語が好きになってしまいました。
いいなあ、アニメ版のアラシさん。
イデがオリジナル版とは随分イメージが違っていたのに対し、アラシはあのまま歳をとった感じだったのが嬉しかったです。

あと、「意外な人物が本人も知らぬ間にウルトラマンの遺伝子を受け継いでいた」という展開も面白かったです。
今回初登場の女性ウルトラマン(ウルトラウーマン?)もウルトラの母をイメージしたようなデザインになっていて、その変身(スーツ装着)シーンもまるでセーラームーンみたいでオッサンの目を楽しませてくれました(笑)。

もう一度全シーズン通して見返したいとは思いませんが、もし第4シーズンが作られてレオやアストラや80も登場するなら見てみたいです。
m(__)m
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
スポンサーサイト