週刊映画鑑賞記(2023.10/2~2023.10/8)
CATEGORY週刊映画鑑賞記
トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に鑑賞した映像作品を日記代わりに書き留めています。

今週は6本!。
久し振りに数が多いです。
10/2(月)
『沈黙の艦隊』🈠
(劇場:イオンシネマ新小松)

久し振りに映画館で新作映画を観てきました。

劇場はお隣石川県のイオンシネマ新小松。
ハッピー55利用で入場料1,100円です。

ハコ(劇場)はこのシネコンで一番大きいスクリーン7。
客入りは(上映直前にざっと見た限りでは)40人くらいだったと思います。
平日の午前中ということを考えれば結構入っているほうではないでしょうか。

「潜水艦映画に外れなし!」の格言通りかなり面白かったです。
原作を読んだのは随分昔でしかも途中までしか読んでいなかったため先入観無しで楽しめました。
残念だったのは、せっかくの潜水艦映画だというのに音響フォーマットがドルビーアトモスではなかったことです。
閉鎖された潜水艦内に響き続ける機械音。
深海に響き渡る重低音。
ソナー音だけが頼りの水中戦。
モーツァルトの曲を使った作戦進行。
等々、全編に渡って立体音響の聴かせどころが満載なのに、どうしてドルビーアトモスを採用しなかったのか?。
日本の作品でもアニメやNETFLIXの配信ドラマには結構な数のドルビーアトモス作品があるのですから、日本映画も内容に即した最新技術を積極的に取り入れていただきたいものです。
ところで・・・。

乗っていた潜水艦を自沈させることで乗組員全員殉職したと見せかけて、秘密裏に超高性能艦を手に入れて隠密行動をとる。
「こんな話を昔どこかで見たような・・・?」とボンヤリ考えていると不意に思い出しました。

これって、昭和38年公開の東宝特撮映画『海底軍艦』の神宮司艦長そのものではないですか!。
もしかして、かわぐちかいじ先生は『海底軍艦』からヒントを得て冒頭シークエンスを作った・・・とか?。
10/3(火)
『ファイナル・カウントダウン』
(ホームシアター:WOWOW録画)

公開当時(’80年)は本作の情報を知らなかったため映画館では見ていません。
初めて見たのはTV放映のときでした。

大まかなストーリーは「現代のアメリカ第7艦隊の大型空母ニミッツが日本の真珠湾攻撃直前の1941年12月にタイムスリップする」というものです。
詳しい理屈は分かりませんが「理論上ではタイムトラベルは可能である」と証明されているそうです。
ではどうして実現出来ないのか?。
その理由はタイムトラベルに必要な量のエネルギーが確保出来ないからです。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では原子力や雷のパワーでタイムマシンを動かしてましたが、発表された理論によるとそんな程度の電力(1.21ジゴワット)では全然足りないのだそうです。

映画では’41年の真珠湾における歴史改変は回避されましたが、チーフパイロットのオーエンス中佐が過去の時代に取り残されてしまいます。

そして映画冒頭とラストにニミッツのタイムスリップ現象遭遇をよく知る大富豪夫婦が登場しますが、その旦那はオーエンスであり夫人は彼が’41年に海難救助した女性でした。
・・・ということは?。
1941年12月から1981年のニミッツ出航までの間には一人の人間(オーエンス)が二人同時に存在していたことになります。
つまり、1981年からタイムスリップしたオーエンスと50年代頃に生まれた少年~青年時代のオーエンスです。
老いたオーエンスは若い頃の自分自身に接触しないように30年間気をつけながら生きてきたのでしょう。
タイムトラベルもの特有の「あるある」ですが、当人の気持ちになって想像するとなんだか気が遠くなってきます。
『ファイナル・カウントダウン』は劇場では見ていませんでしたが、そのテーマ曲だけは当時から記憶に焼き付いています。
高校生の頃の私は、映画音楽を紹介するFMラジオ番組を毎週欠かさず録音しながら聴いていました。
映画を見に行けない代わりにラジオで聴く映画音楽を元にその映画のイメージを脳内構築していたのです。
そして気に入った曲は保存して何度も聴いていました。
その番組で流されたお気に入りのひとつがこの『ファイナル・カウントダウン』のメインテーマだったのです。
初めてこの曲を聴いた時には劇場公開はとっくに終わっていましたが、ファンファーレのように勇壮な曲がカッコ良くて「どんなに凄い映画だったのだろう?」と夢想しておりました。
あと、ラスト近くに「火曜サスペンス劇場」のエンディング曲「聖母たちのララバイ」と全く同じメロディが流れてきます。
なんてこった!。
岩崎宏美が歌ったあの名曲が「ファイナルカウントダウン」のパクリだったとは・・・!。
10/4(水)
『火の鳥 エデンの宙』(全4話)🈠
(ホームシアター:ディズニープラス)

原作は手塚治虫先生の『火の鳥:望郷編』。
ディズニープラスでは約100分の映画を1話あたり約25分のTVアニメサイズ計4話に分割して配信しています。

「それなら最初から100分の長編として配信したらいいのに」と思っていたら、なんと来月3日から一本の映画として劇場公開されるとのこと。
劇場版は今回見た配信バージョンとはエンディングが違うとのことで、タイトルも『エデンの花』に変更されています。
そういえば、手塚先生の原作漫画『火の鳥 望郷編』には元々エンディングが2種類ありました。
何故そうなったかというと手塚先生が雑誌掲載後に手を加えてラストを全く別物に変えてしまったからです。
原作を読んだのはずいぶん昔(たぶん大学生の頃)なのでどんなラストだったか覚えていませんが、今回のアニメ版とはまるで違うもっと無慈悲で救いのない終わり方だったと思います。

今回のアニメで気になったのは、ロミと火の鳥が接触するシーンが全く無かったことです。
火の鳥は、その存在が名のみ語られるのみ物語や登場人物には一切干渉しません。
これで『火の鳥』を名乗るのは違う気がします。

また、アニメで描ける倫理感の範疇を越える部分はほとんどカットされていました。
例えば、ロミが冷凍睡眠を繰り返して自分の息子や孫と交わり子孫を増やす件りが一切ありませんし、シャムの双子キャラも登場しません。
今回の配信版は原作の過激な部分を避けて作られているため骨抜き感が半端無かったです。

今回の配信版『エデンの宙はハッピーエンド版ということになるのでしょうか?。
そして劇場版『エデンの花』は原作に準じた救いのない終わり方になるのでしょうか?。
興味はありますが見るのに気力と体力を要する作品なので、一ヶ月後に再び劇場で見返すかどうかは微妙なところです。
10/5(木)
『いたずらロリータ 後ろからバージン』
(ホームシアター:WOWOW録画)

平成『ガメラ』3部作の金子修介監督の初期作品です。
水島裕子の可愛らしさと綺麗なヌードを堪能すると同時に、私の目は彼女の後方に映っているオーディオシステムに注がれておりました。

まず、この主人公の部屋そのものが、私が学生時代を過ごした6畳一間のアパートそっくりです。
入口横の流し台。
本やレコードを詰め込んだ棚(私はカラーボックス数個を使ってました)。
そして何より、6畳間に無理やり詰め込んだフルサイズのオーディオ装置!。
本作が公開された86年、私は大学4回生でした。
ロクに就職活動もせずに連日バイトに明け暮れていて、稼いだお金も全て自主映画制作とLD収集とAVシステムのグレードアップに注ぎ込んでおりました。
そのため、この年代の映画にオーディオ装置が映っていると思わずそっちに心奪われてしまうのです。

まず、目に付くのは主人公の部屋にドーンと鎮座しているスピーカー。
これはテクニクス(現:パナソニック)の平面型3ウェイスピーカーに間違いありません。

平面型ユニット採用スピーカーは’70年代後半から’80年代初頭に流行した方式です。
この太鼓みたいな平面振動版によって空気の共鳴による周波数特性の乱れを解消したとされていました。

’84年頃はテクニクスだけでなくソニーも四角い平面スピーカーばかり作っていました。
当時(大学時代)ソニー信者の友人が買ったミニコンポ(Liberty)を聴かせてもらったことがありますが、見た目と同じく平坦で面白味のない音だったと記憶しています。

あと、巨大なオープンリールのテープデッキは60年代から70年代にかけて主流だったテープ規格です。
カセットテープにその座を奪われて衰退しましたが、テープ幅が広くて録音帯域に余裕があるため音質はカセットテープより数倍優れていました。
最近はアナログレコードの復活が呼び水となったのかオープンリールデッキにも再び注目が集まっているらしいです。

ところで、OTTO(オットー)という日本のオーディオメーカーを覚えている人は今どれくらいいるでしょうか?。
OTTOは三洋電機(サンヨー)のオーディオブランドです。
パナソニックのオーディオブランドがテクニクス、東芝=オーレックス、日立=Lo-Dと、昔は白物家電メーカーも別名でオーディオ製品を開発・販売していました。
私は20年程前まで大阪の京阪電車沿線に住んでいたのですが、その近所にパナソニックと三洋電機の本社が並んで建っていました。
どちらも関西発の企業なので『いたずらロリータ』の画面に映っているオーディオ機器は関西出身のスタッフの私物だった可能性が高いです。

三洋電機(サンヨー)は一時期超高性能なS-VHSデッキを作ってましたし、液晶プロジェクターが出始めた頃はエプソンとトップシェアの座を争ったというAV業界でも一目置かれる存在でした。
そんな風に羽振りが良かった頃にはプロ野球オールスターゲームのメインスポンサーを担ったりオリンピックの公式記録ビデオメーカーに選ばれたりと躍進を続けましたが、新潟県中越地震で新潟工場が被災したことから急速に業績が悪化。
AV部門だけでなく白物家電生産部門もすべて中国企業に売却するなどして企業としてはなんとか生き長らえましたが、10年ほど前にパナソニックに吸収合併されたことで現在サンヨーの名前を見ることはなくなりました。
日本の家電メーカーの衰退を象徴しているみたいで寂しい限りです。
ああ、何もかもみな懐かしい・・・。
10/6(金)
『月光仮面』🈠/『月光仮面 絶海の死斗』🈠
(ホームシアター:東映チャンネル録画)

この2作は各50分ほどの前後編になっていますので二個一でレビューします。
♪どこの誰だか知らないけれど誰もがみんな知っている
昭和33年公開の『月光仮面』です。
初めて見ました!。
最近WOWOWや日本映画専門チャンネルよりも実用頻度が高い東映チャンネルさんがまたもや大昔の特撮映画を引っ張り出してきてくれました。

月光仮面のおぢさんがバイクに乗って颯爽と走るオープニング・・・と言いたいところですが、乗ってるバイクはどう見ても原チャリですし月光仮面はヤンキーみたいに大股開き(汗)。
いきなり脱力させられるうえに一分に一回ペースでツッコミどころのつるべ撃ちですが(笑)、そこはそれ、65年も前の特撮作品ということでゆったりした気持ちで楽しむことにいたしましょう(笑)。

あと『ウルトラQ』の「2020年の挑戦」と「あけてくれ」の名演が記憶に刻まれている柳谷寛さんがドジな助手役で出演しています。
当時すでに40代後半だったはずですが、『ウルトラQ』のイメージが強いせいか凄くお若く見えます(失礼)。

全編ツッコミどころ満載なのですけど、私が思わず「・・・え?」と思考停止したのはこの場面でした。
キャバレーっぽい店で大人が酒飲みながら見ているステージでジャズ演奏しているのは全員子供たちなのです。
終戦から13年後に作られた映画なので戦災孤児がこうした芸事で日銭を稼いでいるという設定なら分かりますが、メンバー全員どう見てもいいとこのお坊ちゃん・お嬢ちゃんです。
いやいやいや、子供向け映画だから話に子供を絡ませたい意図は分かりますけどこれは変でしょ(笑)。

前後編合わせたこの作品の最大の見せ場は、月光仮面の活躍などではなくこの少女の受難シーンではないかと思います。
どくろ仮面が超強力爆弾を発明した科学者に爆弾データの在処を喋らせようと、娘を煮えたぎる油の真上にロープで吊るしてジリジリと降ろしていきます。
このとき「うぎゃ~~~」と恐怖に泣き叫ぶ彼女の演技が素晴らしい!。
助けを求める弱き者の印象が強ければ強いほどに月光仮面のヒーロー像が際立つのです。
m(__)m
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
毎週日曜日はこの一週間に鑑賞した映像作品を日記代わりに書き留めています。

今週は6本!。
久し振りに数が多いです。
10/2(月)
『沈黙の艦隊』🈠
(劇場:イオンシネマ新小松)

久し振りに映画館で新作映画を観てきました。

劇場はお隣石川県のイオンシネマ新小松。
ハッピー55利用で入場料1,100円です。

ハコ(劇場)はこのシネコンで一番大きいスクリーン7。
客入りは(上映直前にざっと見た限りでは)40人くらいだったと思います。
平日の午前中ということを考えれば結構入っているほうではないでしょうか。

「潜水艦映画に外れなし!」の格言通りかなり面白かったです。
原作を読んだのは随分昔でしかも途中までしか読んでいなかったため先入観無しで楽しめました。
残念だったのは、せっかくの潜水艦映画だというのに音響フォーマットがドルビーアトモスではなかったことです。
閉鎖された潜水艦内に響き続ける機械音。
深海に響き渡る重低音。
ソナー音だけが頼りの水中戦。
モーツァルトの曲を使った作戦進行。
等々、全編に渡って立体音響の聴かせどころが満載なのに、どうしてドルビーアトモスを採用しなかったのか?。
日本の作品でもアニメやNETFLIXの配信ドラマには結構な数のドルビーアトモス作品があるのですから、日本映画も内容に即した最新技術を積極的に取り入れていただきたいものです。
ところで・・・。

乗っていた潜水艦を自沈させることで乗組員全員殉職したと見せかけて、秘密裏に超高性能艦を手に入れて隠密行動をとる。
「こんな話を昔どこかで見たような・・・?」とボンヤリ考えていると不意に思い出しました。

これって、昭和38年公開の東宝特撮映画『海底軍艦』の神宮司艦長そのものではないですか!。
もしかして、かわぐちかいじ先生は『海底軍艦』からヒントを得て冒頭シークエンスを作った・・・とか?。
10/3(火)
『ファイナル・カウントダウン』
(ホームシアター:WOWOW録画)

公開当時(’80年)は本作の情報を知らなかったため映画館では見ていません。
初めて見たのはTV放映のときでした。

大まかなストーリーは「現代のアメリカ第7艦隊の大型空母ニミッツが日本の真珠湾攻撃直前の1941年12月にタイムスリップする」というものです。
詳しい理屈は分かりませんが「理論上ではタイムトラベルは可能である」と証明されているそうです。
ではどうして実現出来ないのか?。
その理由はタイムトラベルに必要な量のエネルギーが確保出来ないからです。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では原子力や雷のパワーでタイムマシンを動かしてましたが、発表された理論によるとそんな程度の電力(1.21ジゴワット)では全然足りないのだそうです。

映画では’41年の真珠湾における歴史改変は回避されましたが、チーフパイロットのオーエンス中佐が過去の時代に取り残されてしまいます。

そして映画冒頭とラストにニミッツのタイムスリップ現象遭遇をよく知る大富豪夫婦が登場しますが、その旦那はオーエンスであり夫人は彼が’41年に海難救助した女性でした。
・・・ということは?。
1941年12月から1981年のニミッツ出航までの間には一人の人間(オーエンス)が二人同時に存在していたことになります。
つまり、1981年からタイムスリップしたオーエンスと50年代頃に生まれた少年~青年時代のオーエンスです。
老いたオーエンスは若い頃の自分自身に接触しないように30年間気をつけながら生きてきたのでしょう。
タイムトラベルもの特有の「あるある」ですが、当人の気持ちになって想像するとなんだか気が遠くなってきます。
『ファイナル・カウントダウン』は劇場では見ていませんでしたが、そのテーマ曲だけは当時から記憶に焼き付いています。
高校生の頃の私は、映画音楽を紹介するFMラジオ番組を毎週欠かさず録音しながら聴いていました。
映画を見に行けない代わりにラジオで聴く映画音楽を元にその映画のイメージを脳内構築していたのです。
そして気に入った曲は保存して何度も聴いていました。
その番組で流されたお気に入りのひとつがこの『ファイナル・カウントダウン』のメインテーマだったのです。
初めてこの曲を聴いた時には劇場公開はとっくに終わっていましたが、ファンファーレのように勇壮な曲がカッコ良くて「どんなに凄い映画だったのだろう?」と夢想しておりました。
あと、ラスト近くに「火曜サスペンス劇場」のエンディング曲「聖母たちのララバイ」と全く同じメロディが流れてきます。
なんてこった!。
岩崎宏美が歌ったあの名曲が「ファイナルカウントダウン」のパクリだったとは・・・!。
10/4(水)
『火の鳥 エデンの宙』(全4話)🈠
(ホームシアター:ディズニープラス)

原作は手塚治虫先生の『火の鳥:望郷編』。
ディズニープラスでは約100分の映画を1話あたり約25分のTVアニメサイズ計4話に分割して配信しています。

「それなら最初から100分の長編として配信したらいいのに」と思っていたら、なんと来月3日から一本の映画として劇場公開されるとのこと。
劇場版は今回見た配信バージョンとはエンディングが違うとのことで、タイトルも『エデンの花』に変更されています。
そういえば、手塚先生の原作漫画『火の鳥 望郷編』には元々エンディングが2種類ありました。
何故そうなったかというと手塚先生が雑誌掲載後に手を加えてラストを全く別物に変えてしまったからです。
原作を読んだのはずいぶん昔(たぶん大学生の頃)なのでどんなラストだったか覚えていませんが、今回のアニメ版とはまるで違うもっと無慈悲で救いのない終わり方だったと思います。

今回のアニメで気になったのは、ロミと火の鳥が接触するシーンが全く無かったことです。
火の鳥は、その存在が名のみ語られるのみ物語や登場人物には一切干渉しません。
これで『火の鳥』を名乗るのは違う気がします。

また、アニメで描ける倫理感の範疇を越える部分はほとんどカットされていました。
例えば、ロミが冷凍睡眠を繰り返して自分の息子や孫と交わり子孫を増やす件りが一切ありませんし、シャムの双子キャラも登場しません。
今回の配信版は原作の過激な部分を避けて作られているため骨抜き感が半端無かったです。

今回の配信版『エデンの宙はハッピーエンド版ということになるのでしょうか?。
そして劇場版『エデンの花』は原作に準じた救いのない終わり方になるのでしょうか?。
興味はありますが見るのに気力と体力を要する作品なので、一ヶ月後に再び劇場で見返すかどうかは微妙なところです。
10/5(木)
『いたずらロリータ 後ろからバージン』
(ホームシアター:WOWOW録画)

平成『ガメラ』3部作の金子修介監督の初期作品です。
水島裕子の可愛らしさと綺麗なヌードを堪能すると同時に、私の目は彼女の後方に映っているオーディオシステムに注がれておりました。

まず、この主人公の部屋そのものが、私が学生時代を過ごした6畳一間のアパートそっくりです。
入口横の流し台。
本やレコードを詰め込んだ棚(私はカラーボックス数個を使ってました)。
そして何より、6畳間に無理やり詰め込んだフルサイズのオーディオ装置!。
本作が公開された86年、私は大学4回生でした。
ロクに就職活動もせずに連日バイトに明け暮れていて、稼いだお金も全て自主映画制作とLD収集とAVシステムのグレードアップに注ぎ込んでおりました。
そのため、この年代の映画にオーディオ装置が映っていると思わずそっちに心奪われてしまうのです。

まず、目に付くのは主人公の部屋にドーンと鎮座しているスピーカー。
これはテクニクス(現:パナソニック)の平面型3ウェイスピーカーに間違いありません。

平面型ユニット採用スピーカーは’70年代後半から’80年代初頭に流行した方式です。
この太鼓みたいな平面振動版によって空気の共鳴による周波数特性の乱れを解消したとされていました。

’84年頃はテクニクスだけでなくソニーも四角い平面スピーカーばかり作っていました。
当時(大学時代)ソニー信者の友人が買ったミニコンポ(Liberty)を聴かせてもらったことがありますが、見た目と同じく平坦で面白味のない音だったと記憶しています。

あと、巨大なオープンリールのテープデッキは60年代から70年代にかけて主流だったテープ規格です。
カセットテープにその座を奪われて衰退しましたが、テープ幅が広くて録音帯域に余裕があるため音質はカセットテープより数倍優れていました。
最近はアナログレコードの復活が呼び水となったのかオープンリールデッキにも再び注目が集まっているらしいです。

ところで、OTTO(オットー)という日本のオーディオメーカーを覚えている人は今どれくらいいるでしょうか?。
OTTOは三洋電機(サンヨー)のオーディオブランドです。
パナソニックのオーディオブランドがテクニクス、東芝=オーレックス、日立=Lo-Dと、昔は白物家電メーカーも別名でオーディオ製品を開発・販売していました。
私は20年程前まで大阪の京阪電車沿線に住んでいたのですが、その近所にパナソニックと三洋電機の本社が並んで建っていました。
どちらも関西発の企業なので『いたずらロリータ』の画面に映っているオーディオ機器は関西出身のスタッフの私物だった可能性が高いです。

三洋電機(サンヨー)は一時期超高性能なS-VHSデッキを作ってましたし、液晶プロジェクターが出始めた頃はエプソンとトップシェアの座を争ったというAV業界でも一目置かれる存在でした。
そんな風に羽振りが良かった頃にはプロ野球オールスターゲームのメインスポンサーを担ったりオリンピックの公式記録ビデオメーカーに選ばれたりと躍進を続けましたが、新潟県中越地震で新潟工場が被災したことから急速に業績が悪化。
AV部門だけでなく白物家電生産部門もすべて中国企業に売却するなどして企業としてはなんとか生き長らえましたが、10年ほど前にパナソニックに吸収合併されたことで現在サンヨーの名前を見ることはなくなりました。
日本の家電メーカーの衰退を象徴しているみたいで寂しい限りです。
ああ、何もかもみな懐かしい・・・。
10/6(金)
『月光仮面』🈠/『月光仮面 絶海の死斗』🈠
(ホームシアター:東映チャンネル録画)

この2作は各50分ほどの前後編になっていますので二個一でレビューします。
♪どこの誰だか知らないけれど誰もがみんな知っている
昭和33年公開の『月光仮面』です。
初めて見ました!。
最近WOWOWや日本映画専門チャンネルよりも実用頻度が高い東映チャンネルさんがまたもや大昔の特撮映画を引っ張り出してきてくれました。

月光仮面のおぢさんがバイクに乗って颯爽と走るオープニング・・・と言いたいところですが、乗ってるバイクはどう見ても原チャリですし月光仮面はヤンキーみたいに大股開き(汗)。
いきなり脱力させられるうえに一分に一回ペースでツッコミどころのつるべ撃ちですが(笑)、そこはそれ、65年も前の特撮作品ということでゆったりした気持ちで楽しむことにいたしましょう(笑)。

あと『ウルトラQ』の「2020年の挑戦」と「あけてくれ」の名演が記憶に刻まれている柳谷寛さんがドジな助手役で出演しています。
当時すでに40代後半だったはずですが、『ウルトラQ』のイメージが強いせいか凄くお若く見えます(失礼)。

全編ツッコミどころ満載なのですけど、私が思わず「・・・え?」と思考停止したのはこの場面でした。
キャバレーっぽい店で大人が酒飲みながら見ているステージでジャズ演奏しているのは全員子供たちなのです。
終戦から13年後に作られた映画なので戦災孤児がこうした芸事で日銭を稼いでいるという設定なら分かりますが、メンバー全員どう見てもいいとこのお坊ちゃん・お嬢ちゃんです。
いやいやいや、子供向け映画だから話に子供を絡ませたい意図は分かりますけどこれは変でしょ(笑)。

前後編合わせたこの作品の最大の見せ場は、月光仮面の活躍などではなくこの少女の受難シーンではないかと思います。
どくろ仮面が超強力爆弾を発明した科学者に爆弾データの在処を喋らせようと、娘を煮えたぎる油の真上にロープで吊るしてジリジリと降ろしていきます。
このとき「うぎゃ~~~」と恐怖に泣き叫ぶ彼女の演技が素晴らしい!。
助けを求める弱き者の印象が強ければ強いほどに月光仮面のヒーロー像が際立つのです。
m(__)m
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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