週刊映画鑑賞記(2023.10/23~2023.10/29)
CATEGORY週刊映画鑑賞記
トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
現在秋の繁忙期に入っていてゆっくり映画を観る時間が取り難くなっています。
月曜だけは午後からの仕事だったので午前中映画館に寄って『ザ・クリエイター/創造者』を鑑賞しました。
10/23(月)
『ザ・クリエイター/創造者』🈠
(劇場:福井コロナシネマワールド)

『GODZILLA ゴジラ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のギャレス・エドワーズ監督最新作です。
長編映画第1作の『モンスターズ/地球外生命体』以来、私はギャレス監督の画作りの巧さとSFセンスに注目しておりました。
特に『ローグ・ワン』は全ての『スター・ウォーズ』作品中『帝国の逆襲』に次ぐ大傑作だと思っています。
しかし、実は『ローグ・ワン』ではルーカス・フィルム上層部からの横槍が入ったためギャレス監督が思い描いていた演出を貫けなかったという苦い経験をしたそうです。
今回は監督のみならず原案・脚本、そして製作(プロデュース)にも名を連ねて「誰にも口出しさせない!」という強い態度で自分が思い描く世界をスクリーン上に表現しています。

一番大事なことはこの映画がギャレス・エドワーズ監督のオリジナル作品だということです。
最近のハリウッド映画はコミック原作のヒーローものや過去作の続編やリメイクばかり。
そんな中にあってオリジナルシナリオによるSF映画は貴重な存在です。
思い起こせば、最初の『スター・ウォーズ』だって配給を請け負った20世紀フォックスのアラン・ラッド・Jr以外は誰もヒットするとは思っていませんでした。
『エイリアン』も当時無名だったダン・オバノン氏のシナリオから全てが始まりました。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は最初は誰もその企画を相手にしてくれず、オリジナル脚本を読んで気に入ったスピルバーグが後押ししてくれたおかげで制作にこぎつけました。
その他、ギレルロ・デル・トロ監督の『パシフィック・リム』もクリストファー・ノーラン監督の『インタステラ―』もニール・ブロムカンプ監督の『第9地区』もオリジナルSFです。
続編とシリーズものばかりの映画界がオリジナル志向を取り戻すために『ザ・クリエイター』には成功してもらいたいです。

この映画、なんといっても画が強い!。
言い換えればSF映画に必要なセンス・オブ・ワンダーに満ちています。
これはSF映画にとって重要なポイントです。
日常ドラマ風の場面を切り取って見ただけでも「これはSF映画だ」と分かるセンス・オブ・ワンダーを感じさせてくれる画ばかりです。
SF映画で日常ドラマ風の画作りをしてしまうとSF世界観と乖離してちぐはぐなイメージになってしまうのです。
ギャレス・エドワード監督は、クリストファー・ノーラン監督や『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督に匹敵する画力のある監督さんだと思っています。

それと、巨大な”何か”が迫ってくる表現が抜群に巧い!。
それはギャレス監督の過去作『モンスターズ/地球外生命体』の巨大エイリアンや『ローグ・ワン』のAT-ATウォーカーを見ても明らかです。

映像面で気になる点があるとすれば、『ブレード・ランナー』風の未来都市の日本語が変だということくらいでしょうか(笑)。
(そんなとこまでオマージュせんでよろしい)

そして立体的な音響演出も凄い!。
遥か上空に浮遊する巨大要塞ノマドから放たれる索敵レーザーやミサイル。
アジアの風景内を飛ぶヘリの爆音。
未来都市の喧騒。
天井や背後から鳴り響くBGM。
時折五月蠅く感じる部分もありますが、この映画はドルビーアトモス設備のある映画館で観るべきです。

本作に登場するアンドロイドは、顔は人間そのものですが後頭部は機械がむき出しです。
人間と見分けがつかないデザインではストーリーに支障が生じるからだろうと思います。
例えば『エイリアン』のアッシュとビショップ、『A.I.』のディビッドはパッと見だけでは見分けがつかず、血液が白いとか顔がパカッと開いて機械部が見えることで初めてアンドロイドだと判りますが、「不気味の谷」に陥って逆に感情移入し難くなります。
かといって、『スター・ウォーズ』に登場するドロイドや『禁断の惑星』のロビーみたいにいかにもロボット然とした容姿では最初から感情移入の対象にはなりにくい・・・。
そういった演出上のバランスを考慮したデザインだったと思います。

あとは俳優さんたちの演技力次第ですが、アルフィーを演じた子役さんも渡辺謙さんも本当に素晴らしかった!。
この映画の成功はひとえにアンドロイド役の俳優さんたちの力が大きかったと思います。

映画館は福井で唯一ドルビーアトモスを装備した福井コロナシネマワールド・シアター10。
平日の午前中にも関わらず30~40人ほどの客入りでした。
田舎の映画館にしてはなかなかの入り具合です。
ところが、最高レベルに音響が良い『ザ・クリエイター/創造者』のアトモス上映はなぜか一日一回のみ。

午後からの時間はほとんど『ガールズ&パンツァー』に取られていました。
劇場としては上映時間が65分で回転率が高く、アニメファンの高リピートが期待出来る『ガルパン』を優先したようです。
まあ「『ガルパン』は音が良い」とは聞いていますけど・・・やっぱり何か間違っていないか?、映画界。

先日、予約注文していたUHD-BD『ゴジラ』と『モスラ対ゴジラ』が届きました。
これらはおそらく一昨年日本映画専門チャンネルで放映された4Kリマスター版と同じマスターが使われているものと思われます。
日専チャンネルの放映版はしっかりBD-Rに保存してあるので今更買う必要はなかったのですが、ふと「今回のUHD-BDが最後のパッケージメディアになるのだろうな・・・。」と思った瞬間、無意識にアマゾンでポチっておりました(汗)。
妻にはバカ呼ばわりされてしまいましたが、これはレーザーディスクの時代から特撮・アニメのパッケージソフトを買い集めてきた私の哀しい性(さが)なのであります。
しかし、現在秋の繁忙期真っ最中であること、最新作『ゴジラ-1.0』の公開が近いことから、当分の間ゴジラの旧作からは少し距離を置くことにしています。
来月以後も『地球最大の決戦』『怪獣大戦争』『怪獣総進撃』『ゴジラvsビオランテ』『ゴジラ対へドラ』と続きますがそれらも全部年末年始までおあずけです。
ああっ、なんという贅沢!。そしてなんという悩ましさ!。
特撮ファンのジレンマここにあり!。
m(__)m
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。
現在秋の繁忙期に入っていてゆっくり映画を観る時間が取り難くなっています。
月曜だけは午後からの仕事だったので午前中映画館に寄って『ザ・クリエイター/創造者』を鑑賞しました。
10/23(月)
『ザ・クリエイター/創造者』🈠
(劇場:福井コロナシネマワールド)

『GODZILLA ゴジラ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のギャレス・エドワーズ監督最新作です。
長編映画第1作の『モンスターズ/地球外生命体』以来、私はギャレス監督の画作りの巧さとSFセンスに注目しておりました。
特に『ローグ・ワン』は全ての『スター・ウォーズ』作品中『帝国の逆襲』に次ぐ大傑作だと思っています。
しかし、実は『ローグ・ワン』ではルーカス・フィルム上層部からの横槍が入ったためギャレス監督が思い描いていた演出を貫けなかったという苦い経験をしたそうです。
今回は監督のみならず原案・脚本、そして製作(プロデュース)にも名を連ねて「誰にも口出しさせない!」という強い態度で自分が思い描く世界をスクリーン上に表現しています。

一番大事なことはこの映画がギャレス・エドワーズ監督のオリジナル作品だということです。
最近のハリウッド映画はコミック原作のヒーローものや過去作の続編やリメイクばかり。
そんな中にあってオリジナルシナリオによるSF映画は貴重な存在です。
思い起こせば、最初の『スター・ウォーズ』だって配給を請け負った20世紀フォックスのアラン・ラッド・Jr以外は誰もヒットするとは思っていませんでした。
『エイリアン』も当時無名だったダン・オバノン氏のシナリオから全てが始まりました。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は最初は誰もその企画を相手にしてくれず、オリジナル脚本を読んで気に入ったスピルバーグが後押ししてくれたおかげで制作にこぎつけました。
その他、ギレルロ・デル・トロ監督の『パシフィック・リム』もクリストファー・ノーラン監督の『インタステラ―』もニール・ブロムカンプ監督の『第9地区』もオリジナルSFです。
続編とシリーズものばかりの映画界がオリジナル志向を取り戻すために『ザ・クリエイター』には成功してもらいたいです。

この映画、なんといっても画が強い!。
言い換えればSF映画に必要なセンス・オブ・ワンダーに満ちています。
これはSF映画にとって重要なポイントです。
日常ドラマ風の場面を切り取って見ただけでも「これはSF映画だ」と分かるセンス・オブ・ワンダーを感じさせてくれる画ばかりです。
SF映画で日常ドラマ風の画作りをしてしまうとSF世界観と乖離してちぐはぐなイメージになってしまうのです。
ギャレス・エドワード監督は、クリストファー・ノーラン監督や『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督に匹敵する画力のある監督さんだと思っています。

それと、巨大な”何か”が迫ってくる表現が抜群に巧い!。
それはギャレス監督の過去作『モンスターズ/地球外生命体』の巨大エイリアンや『ローグ・ワン』のAT-ATウォーカーを見ても明らかです。

映像面で気になる点があるとすれば、『ブレード・ランナー』風の未来都市の日本語が変だということくらいでしょうか(笑)。
(そんなとこまでオマージュせんでよろしい)

そして立体的な音響演出も凄い!。
遥か上空に浮遊する巨大要塞ノマドから放たれる索敵レーザーやミサイル。
アジアの風景内を飛ぶヘリの爆音。
未来都市の喧騒。
天井や背後から鳴り響くBGM。
時折五月蠅く感じる部分もありますが、この映画はドルビーアトモス設備のある映画館で観るべきです。

本作に登場するアンドロイドは、顔は人間そのものですが後頭部は機械がむき出しです。
人間と見分けがつかないデザインではストーリーに支障が生じるからだろうと思います。
例えば『エイリアン』のアッシュとビショップ、『A.I.』のディビッドはパッと見だけでは見分けがつかず、血液が白いとか顔がパカッと開いて機械部が見えることで初めてアンドロイドだと判りますが、「不気味の谷」に陥って逆に感情移入し難くなります。
かといって、『スター・ウォーズ』に登場するドロイドや『禁断の惑星』のロビーみたいにいかにもロボット然とした容姿では最初から感情移入の対象にはなりにくい・・・。
そういった演出上のバランスを考慮したデザインだったと思います。

あとは俳優さんたちの演技力次第ですが、アルフィーを演じた子役さんも渡辺謙さんも本当に素晴らしかった!。
この映画の成功はひとえにアンドロイド役の俳優さんたちの力が大きかったと思います。

映画館は福井で唯一ドルビーアトモスを装備した福井コロナシネマワールド・シアター10。
平日の午前中にも関わらず30~40人ほどの客入りでした。
田舎の映画館にしてはなかなかの入り具合です。
ところが、最高レベルに音響が良い『ザ・クリエイター/創造者』のアトモス上映はなぜか一日一回のみ。

午後からの時間はほとんど『ガールズ&パンツァー』に取られていました。
劇場としては上映時間が65分で回転率が高く、アニメファンの高リピートが期待出来る『ガルパン』を優先したようです。
まあ「『ガルパン』は音が良い」とは聞いていますけど・・・やっぱり何か間違っていないか?、映画界。

先日、予約注文していたUHD-BD『ゴジラ』と『モスラ対ゴジラ』が届きました。
これらはおそらく一昨年日本映画専門チャンネルで放映された4Kリマスター版と同じマスターが使われているものと思われます。
日専チャンネルの放映版はしっかりBD-Rに保存してあるので今更買う必要はなかったのですが、ふと「今回のUHD-BDが最後のパッケージメディアになるのだろうな・・・。」と思った瞬間、無意識にアマゾンでポチっておりました(汗)。
妻にはバカ呼ばわりされてしまいましたが、これはレーザーディスクの時代から特撮・アニメのパッケージソフトを買い集めてきた私の哀しい性(さが)なのであります。
しかし、現在秋の繁忙期真っ最中であること、最新作『ゴジラ-1.0』の公開が近いことから、当分の間ゴジラの旧作からは少し距離を置くことにしています。
来月以後も『地球最大の決戦』『怪獣大戦争』『怪獣総進撃』『ゴジラvsビオランテ』『ゴジラ対へドラ』と続きますがそれらも全部年末年始までおあずけです。
ああっ、なんという贅沢!。そしてなんという悩ましさ!。
特撮ファンのジレンマここにあり!。
m(__)m
今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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