大みそか企画その2:トガジン的2016年映画ベスト10
CATEGORY映画全般
トガジンです。
劇場とホームシアターでの鑑賞を合わせて、私が2016年に観た映画タイトルは新旧合わせてのべ224本でした。
概ね例年並みです。
今日は大みそかということで、私の映画年間ベスト10を挙げさせていただきます。
ベストとはいえ順位を付けるつもりはありません。
あくまで上位10本を公開順に並べているだけです。
『クリード チャンプを継ぐ男』(2015年暮公開)
(劇場:福井コロナシネマワールド)

最初は「要するに『ロッキー7』って事やろ?」と鼻で笑っていたのですが・・・私が間違っておりました
旧作を、少なくとも1~3までを観た者なら涙腺崩壊は確実です。
かつての仲間や家族が皆いなくなっているのが寂しく、まさかロッキーまであんなことになっていたとは・・・。
『オデッセイ』
(劇場:109大阪エキスポシティ IMAX3D)

火星に一人取り残されたものの、決して諦めることなく今そこにあるものを最大活用して生き抜く男の話です。
荒唐無稽にも見えますが実は科学的根拠に基づいているらしく、主人公のバイタリティもあってリアリティを感じます。
ラストの、後輩たちに体験を語る場面の終わり方が粋で最高です。
『シン・ゴジラ』(レビュー・体験記)
(劇場:109大阪エキスポシティ IMAX)

私は長い間、「人智を超えた怖くて強いゴジラ」を見たかったのだと思います。
そして都合の良い超兵器に頼らず、人間が自力でこれを撃退する理にかなった物語を求めていました。
『シン・ゴジラ』はまさしくそれを形にしてくれました。
エキストラに参加したこともあって思い出深い作品です。
『ルドルフとイッパイアッテナ』
(劇場:金沢イオンシネマ)

映像はディズニーほどでもジブリほどでも『君の名は。』ほどでもなかったですが、しっかり心に残るものがありました。
ルドルフがようやく元の家に帰ったものの、ご主人の傍らには自分と同じ種類の代わりの子猫が居すわっていたシーン。
子供向けとは思えない突き放したその展開に驚くとともに、その頃には逞しくなったルドルフに安心感を抱いてました
『帰ってきたヒトラー』
(劇場:メトロ劇場)

現代社会にタイムスリップしてきたヒトラーを、巧いコメディアンと思い込んだ三流TVディレクターが彼を売り込もうと奮戦する。
ヒトラー役の俳優が、役になりきって実際の国民の声を聞くドキュメンタリータッチの部分が秀逸です。
時代錯誤を笑うコメディかと思いきや、移民問題など現代ドイツの問題が浮彫になり再びナチスが動き出す恐怖へ繋がります。
『エクス・マキナ』(レビュー)
(劇場:メトロ劇場)

『2001年宇宙の旅』のHAL9000とボウマン船長の対決や、あるいは人工知能と人間のチェスを見るような作品。
主人公がヘタレすぎるのがやや難点ですが、静かでクールなSF映画を久しぶりに楽しむことが出来ました。
『あなた、その川を渡らないで』
(劇場:メトロ劇場)

私は韓国語のイントネーションが苦手なのですが、このドキュメンタリーは気にせず観ていました。
老夫婦が、まるで子供のようにはしゃいでいるのを見ているうちにほっこりさせてくれます。
しかし、ご老体であるが故に後半は酷な展開が待ち受けていました。
亡くなった祖父母と老いた両親と、そして自分たちの行く末を思わずにいられません。
『この世界の片隅に』(レビュー)
(劇場:福井コロナシネマワールド)

観終わって、「すずさん」とか「晴美ちゃん」とか自然に敬称を付けて呼んでいる自分に気付きました。
2時間8分の間、そのくらい私はあの時代の彼女たちの生活に寄り添ったということなのでしょう。
原作からオミットされたリンさんのエピソードも、今ではのんさんと岩井七世さんの声で読むことが出来てしまいます。
プロデューサーが前向きに明言したという完全版の制作が実現することを願うばかりです
『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』(レビュー)
(劇場:109大阪エキスポシティ IMAX3D)

決して完璧な出来とは言えないかもしれませんが、旧来の『スター・ウォーズ』ファンの一人としては感涙に堪えない映画です。
任務を全うしながら生きて還らなかったローグ・ワンへの、感謝と敬意と哀悼の意が後々まで反乱軍の底辺に生き続けている。
これまで何度も観返してきたオリジナル・トリロジーに新しい一本の柱を通してくれた作品です。
『ドント・ブリーズ』(レビュー)
(劇場:福井コロナシネマワールド)

一昨日観たばかりなのでまだ興奮さめやらず、ベスト10入りは持ち上げすぎかもしれません。
ホラー映画かと思って敬遠していましたが観て良かった作品です。
今年観た中では演出面で最も良い出来でしたが、終盤の老人の偏執的な行為に引いてしまったことで若干減点しています。
圏外あれこれ
落選理由とでもいいましょうか・・・
『デッド・プール』
面白いのは面白いのですが、自分の好みの面白さとは違っていました。
私は表面的なギャグの面白さよりも、まず腑に落ちるストーリーテリングに映画の価値を見い出します。
観客に語りかけるのが新しいという話がありましたが、あれは大林信彦監督の『青春デンデケデケデケ』で既に体験済みです。
『君の名は』(レビュー)
映像は確かに綺麗ですが、ストーリーはご都合主義の連続で主人公の成長物語としても完結していません。
オタクが大好きな要素をバランスよく散りばめた、ラノベ原作の深夜アニメと何も変わりありません。
それでも大ヒットを記録しているのは、必要以上にこのアニメを持ち上げるマスコミの影響で、自身の価値感で物事を決められない連中が勘違いして劇場に行っているのでしょう。
『ザ・ウォーク』
あの主人公には1mmも感情移入出来なかったのですが、3D効果は凄かったです。
カメラが下を向いたとき、身体が吸い込まれるような錯覚を覚えました。
『ズートピア』
差別問題に取り組んだディズニーの動物もの3DCGアニメーションです。
出来の良さは分かるのですが、私は動物や機械だけで人間不在の疑似人間社会を形成する作品には乗れないのです。
何故なら、ウサギとキツネがいくら分かり合えたとしても、この両者が生物学的に交わることはあり得ないからです。
キリがないのでこの辺で終わりにします。
今年一年(当ブログは2ヶ月半ですが)、ご覧いただきありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
劇場とホームシアターでの鑑賞を合わせて、私が2016年に観た映画タイトルは新旧合わせてのべ224本でした。
概ね例年並みです。
今日は大みそかということで、私の映画年間ベスト10を挙げさせていただきます。
ベストとはいえ順位を付けるつもりはありません。
あくまで上位10本を公開順に並べているだけです。
『クリード チャンプを継ぐ男』(2015年暮公開)
(劇場:福井コロナシネマワールド)

最初は「要するに『ロッキー7』って事やろ?」と鼻で笑っていたのですが・・・私が間違っておりました
旧作を、少なくとも1~3までを観た者なら涙腺崩壊は確実です。
かつての仲間や家族が皆いなくなっているのが寂しく、まさかロッキーまであんなことになっていたとは・・・。
『オデッセイ』
(劇場:109大阪エキスポシティ IMAX3D)

火星に一人取り残されたものの、決して諦めることなく今そこにあるものを最大活用して生き抜く男の話です。
荒唐無稽にも見えますが実は科学的根拠に基づいているらしく、主人公のバイタリティもあってリアリティを感じます。
ラストの、後輩たちに体験を語る場面の終わり方が粋で最高です。
『シン・ゴジラ』(レビュー・体験記)
(劇場:109大阪エキスポシティ IMAX)

私は長い間、「人智を超えた怖くて強いゴジラ」を見たかったのだと思います。
そして都合の良い超兵器に頼らず、人間が自力でこれを撃退する理にかなった物語を求めていました。
『シン・ゴジラ』はまさしくそれを形にしてくれました。
エキストラに参加したこともあって思い出深い作品です。
『ルドルフとイッパイアッテナ』
(劇場:金沢イオンシネマ)

映像はディズニーほどでもジブリほどでも『君の名は。』ほどでもなかったですが、しっかり心に残るものがありました。
ルドルフがようやく元の家に帰ったものの、ご主人の傍らには自分と同じ種類の代わりの子猫が居すわっていたシーン。
子供向けとは思えない突き放したその展開に驚くとともに、その頃には逞しくなったルドルフに安心感を抱いてました
『帰ってきたヒトラー』
(劇場:メトロ劇場)

現代社会にタイムスリップしてきたヒトラーを、巧いコメディアンと思い込んだ三流TVディレクターが彼を売り込もうと奮戦する。
ヒトラー役の俳優が、役になりきって実際の国民の声を聞くドキュメンタリータッチの部分が秀逸です。
時代錯誤を笑うコメディかと思いきや、移民問題など現代ドイツの問題が浮彫になり再びナチスが動き出す恐怖へ繋がります。
『エクス・マキナ』(レビュー)
(劇場:メトロ劇場)

『2001年宇宙の旅』のHAL9000とボウマン船長の対決や、あるいは人工知能と人間のチェスを見るような作品。
主人公がヘタレすぎるのがやや難点ですが、静かでクールなSF映画を久しぶりに楽しむことが出来ました。
『あなた、その川を渡らないで』
(劇場:メトロ劇場)

私は韓国語のイントネーションが苦手なのですが、このドキュメンタリーは気にせず観ていました。
老夫婦が、まるで子供のようにはしゃいでいるのを見ているうちにほっこりさせてくれます。
しかし、ご老体であるが故に後半は酷な展開が待ち受けていました。
亡くなった祖父母と老いた両親と、そして自分たちの行く末を思わずにいられません。
『この世界の片隅に』(レビュー)
(劇場:福井コロナシネマワールド)

観終わって、「すずさん」とか「晴美ちゃん」とか自然に敬称を付けて呼んでいる自分に気付きました。
2時間8分の間、そのくらい私はあの時代の彼女たちの生活に寄り添ったということなのでしょう。
原作からオミットされたリンさんのエピソードも、今ではのんさんと岩井七世さんの声で読むことが出来てしまいます。
プロデューサーが前向きに明言したという完全版の制作が実現することを願うばかりです
『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』(レビュー)
(劇場:109大阪エキスポシティ IMAX3D)

決して完璧な出来とは言えないかもしれませんが、旧来の『スター・ウォーズ』ファンの一人としては感涙に堪えない映画です。
任務を全うしながら生きて還らなかったローグ・ワンへの、感謝と敬意と哀悼の意が後々まで反乱軍の底辺に生き続けている。
これまで何度も観返してきたオリジナル・トリロジーに新しい一本の柱を通してくれた作品です。
『ドント・ブリーズ』(レビュー)
(劇場:福井コロナシネマワールド)

一昨日観たばかりなのでまだ興奮さめやらず、ベスト10入りは持ち上げすぎかもしれません。
ホラー映画かと思って敬遠していましたが観て良かった作品です。
今年観た中では演出面で最も良い出来でしたが、終盤の老人の偏執的な行為に引いてしまったことで若干減点しています。
圏外あれこれ
落選理由とでもいいましょうか・・・
『デッド・プール』
面白いのは面白いのですが、自分の好みの面白さとは違っていました。
私は表面的なギャグの面白さよりも、まず腑に落ちるストーリーテリングに映画の価値を見い出します。
観客に語りかけるのが新しいという話がありましたが、あれは大林信彦監督の『青春デンデケデケデケ』で既に体験済みです。
『君の名は』(レビュー)
映像は確かに綺麗ですが、ストーリーはご都合主義の連続で主人公の成長物語としても完結していません。
オタクが大好きな要素をバランスよく散りばめた、ラノベ原作の深夜アニメと何も変わりありません。
それでも大ヒットを記録しているのは、必要以上にこのアニメを持ち上げるマスコミの影響で、自身の価値感で物事を決められない連中が勘違いして劇場に行っているのでしょう。
『ザ・ウォーク』
あの主人公には1mmも感情移入出来なかったのですが、3D効果は凄かったです。
カメラが下を向いたとき、身体が吸い込まれるような錯覚を覚えました。
『ズートピア』
差別問題に取り組んだディズニーの動物もの3DCGアニメーションです。
出来の良さは分かるのですが、私は動物や機械だけで人間不在の疑似人間社会を形成する作品には乗れないのです。
何故なら、ウサギとキツネがいくら分かり合えたとしても、この両者が生物学的に交わることはあり得ないからです。
キリがないのでこの辺で終わりにします。
今年一年(当ブログは2ヶ月半ですが)、ご覧いただきありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
スポンサーサイト